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【観劇感想】劇団カオス『フユヤスミ国物語』感想

2021.12.12

大阪市立大学の劇団カオス
12月 3回生引退公演『フユヤスミ国物語』
を観劇してきました。
(配信も控えているようなので、これから観る予定の方はネタバレにご注意ください)

とはいえ、細かい内容よりは
せっかくなので僕の想いをここに綴っておこうと思います。
鉄は熱いうちに打て。感想は熱いうちに打て。


◆脚本について

言葉をとっても大事にする方が書いているんだろうなと思いました。言葉の扱いが綺麗でした。言葉の扱いが綺麗、という感想は今まで演劇を観た中で持ったことがありません。本当に美しい言葉並べでした。並べという言葉では安すぎるぐらい、丁寧な飾り方でした。
ちゃんと美しいおかげで、物語の世界が物語の世界としてちゃんと成り立っていて、構成以外の部分で見やすさを感じることができました。

もちろん、構成もわかりやすかったです。
この手の構成は今観ているのが物語の世界なのか現実の世界なのかわからなくなりがちですが、それをとっても丁寧に表現してくれていて親切だなあと思いました。

脚本家さんはこういうのを書きたくなるんでしょうか。
偶然ながら、僕が大学で演劇をしていた頃の3回生最後の公演も、書き手の視点が盛り込まれた「神の見えざる手」が絡んだお話でした。

緻密に練られた構成と言葉たち。
並々ならぬ想いを込められたんだなあと
字を読まずともひしひしと伝わってきました。

ステキな物語を、夢を、現実を、
ありがとうございました。


◆演出等について

どこまで演出が絡んでいて、どこが舞台美術や衣装系の考えなのか読みきれなかったので、まとめて「演出等」とさせていただきます。

衣装に共通項を持ってくるの、大好きです。
細かいところまで気を配っているんだなあと思いました。

舞台美術、おもしろい設計でした。
捌け口の板が原稿用紙とか、なんて抜け目ないんだ…
あと後ろの板が開いているとき物語が開いていて、
閉じてるときは物語も閉じてたり、ひとつひとつのギミックが秀逸で、たまらなく好みでした。
円弧を描いた線の使い方もよかったです。
ああいう無駄なく演出に織り交ぜて行けるところ、
めちゃくちゃ尊敬します、、、

プロジェクターの使い方、おもしろかったです。
あれは2台使ってたんですか?
一台は役者の影が入らない位置に、
もう一台は敢えて影も視野に入れた位置に。
細かく練られて、何度も調整をかけたんだろうなという丁寧さが感じられました。

で、肝心の演技部分の演出。
アンケートにも書かせていただきましたが、
いろいろ工夫が随所に施されていた中で
いちばん好みだったのはボールのくだりでした。
キャッチボールのスピード変化、
それに伴う心情変化、
そして最後にそれが落とされ爆発を表現。
圧巻でした。

暗転のタイミングなんかもステキでした。
落ちる、倒れる、ギリギリまで見せて消す。
役者との呼吸が合っていて、お互い信じ合えているからなせる技だなと思いました。

音響は、無駄がない僕好みのテイストでした。
余計な音は極力入れずに、出来る限り演者の間や効果音(をBGM化させたもの)で表現していくあの感じ。
違和感のないステキな空間になっていました。

オペさん、よく3時間も集中持ちますね。
すごいわほんま、、、お疲れ様でした。

これは良くも悪くも、ですが、
たま〜に脚本家(あるいは演出家)のやりたいことと舞台の(客から見たときの)空気感が合致せず微妙にズレている部分もあったような気がします。
ざっくり言うなら、それ、そこいる?みたいな。

だけどそこが味でもあり、こだわりでもあり、
引退公演でもあるのかなあという
じんわりした温かい気持ちになりました。


◆宣伝美術について

フライヤー、パンフ、統一感があってシンプルで、
めちゃくちゃ好みの色合いでした。
パンフが特に良い。カラーなの良い。参考にします。
休憩に外に出たときに見つけた可愛らしい看板。
少しでも日の目を見て欲しくて記事の画像に使わせていただきました。よかったですかね…?💦

フライヤー



◆受付スタッフさん

トイレの場所案内してくださって助かりました。
親切で好印象でした。
看板に終了時間書いてるのもいいですね。
階段にフライヤー貼りまくってるのもわかりやすくて良かったです笑


◆演技について

役者パートです。お疲れ様でした!
出てる人多すぎて大変ですが、一人一言ずつぐらい頑張って書いてみます。
役名の兼任が多いので、役者さんのお名前で。


一暉さん

最初はなんだか冴えない役柄だなあと思っていたんですが、最後めちゃくちゃ見せ場ありましたね!
溜めて溜めて溜めてきたものを休憩挟んでよくあれだけ放出できるなあと感心していました。
苦しいけどかっこよくてステキでした!

朱々さん

気づいたら出るの忘れてそうなぐらい役いっぱいでしたね。リオコ、セリフ少なくてめちゃくちゃ難しかったんじゃないでしょうか。違和感なく良い意味で目立ってなくて、縁の下の力持ちを感じました。

合算さん

お顔拝見して思い出しました。
オンラインのzoom演劇観たことあったのを思い出しました。
背の高さと表情の大きいのが武器ですね。
戸惑いの演技、すごくわかりやすかったです!

リーダーさん

作演あなただったのですか、、、
思わず手が勝手に動いて拍手を送ってしまいました。
一人芝居、めちゃくちゃかっこよかったしおもしろかったです。演出、役者、脚本、全部器用にこなして羨ましいです😭
ボール回しで感情がエスカレートしていくところの演技が、演出の意図を完全に汲んでるなあと感心していたのですが、ご自身で考えてやっておられたのですね笑
イメージしたものをちゃんと体現できるの、
ほんとに羨ましいです!!

のりおさん

特徴的な演技でよく覚えています。
絶妙なオバチャン感、上手いですね。
っぽいわ〜ってずっと思って観てました。
そうそう、その感じでその声出してその感じよね、みたいな。
声と動きと雰囲気がマッチしててよかったです。

七味さん

めっちゃ好き〜!
舞台上に一人いてほしい感じの役者さん!
おもしろい!
自然な状態を保つために入れていたアドリブがめちゃくちゃ自然でめちゃくちゃよかったです。
え、ポケットから出ない時の反応、アドリブですよね?
え、そういう台本?
だとしたらそれはそれでうますぎました。
良いスパイスで、楽しかったです!

蕎麦さん

全然関係ないけど僕、蕎麦アレルギーなんです。
蕎麦お好きなんですか?
ごめんなさい🙇‍♂️(なにが)
めちゃめちゃええ声されてますね。
たぶん人生で200回ぐらい言われてきてると思うんですが、ほんまめちゃくちゃええ声ですね。
身体の動きがついてこれば、マジで重宝される役者さんになると思います。ほんまええ声でした…!ファイト!

めのうさん

え、2回生ですか!?
めっちゃ演技良かったです😭
銃が照明にぶち当たりそうで一人でビビってました。
おいしい役でしたね〜
めちゃくちゃ良い役やん!って思ってました。
後半アイスクライマーみたいでかわいかったです。
ある意味でこの話の裏の主人公みたいな立ち位置で、役づくり苦労されたんじゃないでしょうか。
ステキな演技をありがとうございました。
これからも頑張ってください!

ほののんさん

なかなか辛い役でしたね。
ライトが残した哀しみ?とともに生きることを選んでずっと頑張ってきて、最後には自分でそこに終止符を打たなくてはならない。
苦しい役回りだったと思います。
前に進むための傷をいくつもつけて、
それでも前に進むことを選んだツキノ、
その感情が痛いぐらい伝わってきました。
最後のシーン、ウルッときました。
ステキな演技ありがとうございます!

梨里さん

「クララが立った!」
めちゃくちゃ笑いました🤣
魔法?聞き取れなかったんですが、なんて言うてたんですか?笑
休憩前の暗転直前のシーン、無茶苦茶よかったです!
後半はじまって
え、もう出てこえへんの!?って
ガッカリしてたんですが、最後ええとこで出てきてくれてよかったです!

ヴェネチアーノさん

球技のジェスチャーいい感じでした!
よくわかりましたよ!
いいとこで登場するし、最後めちゃくちゃええシーンやし、なかなかの良い役ですね。
兄貴との喧嘩のところ、鬼気迫る感じがとっても見やすく表現されてました。「点を打つ」「点を取る」
僕もできるようになりたいです。

春夏冬さん

「秋なし」と読むのですね。
最後にようやく謎が解けました笑
もうね、春夏冬さんと時生くんとリーダー、
演技ずば抜けてましたね。
めっちゃかっこよかったです。
声の使い方うますぎませんか!?
声優さんかなんかですか?
もっといろんなお芝居観たかったです、、、
引退したらお芝居はどうされるのでしょう?
ポテンシャルめちゃくちゃ感じたので、
どこかで一緒にお芝居できたらなあなんて
思ってしまいました。
重圧感のある、それでいて繊細な
引き込まれる演技でした。
素晴らしい時間をありがとうございました。

時生くん

お疲れ様でした。
主演?と呼んでいいのでしょうか。
生で時生くんの演技が観れて本当に良かった。
ステキな芝居しますね。
手の表現がおもしろいなあと感心していました。
滑ってこけるのマジでうまいね、あれどうやってやるの?痛いでしょ笑
思ってたより背が高くて「おお…!」ってなりました。
春夏冬さんと時生くんが間を上手くコントロールしていて、3時間弱があっという間でした。
あの長時間を「あっという間」と呼ばせるのはマジですごいよ。ハイレベルだなあと思ったし、あなたが演者をググッと引っ張ったんだなあというのが見て取れました。めちゃくちゃよかったです!


◆さいごに

書いても書いても書き足りないと思うぐらいに、
思うことがたくさんありました。

欲を言えば、フェイスシールド無しで観たかったですね。役者陣が一番それを望んでたでしょうし、
だけどシールドをしていてもそれが気にならないぐらい、こちらは引き込まれていました。

たくさん練習して、あの会場でできることを心底喜んで、待って待って堪えて、やっと見せれるって、
全ての想いとエネルギーを注いだんだなって伝わってきました。

3回生さん、お疲れ様でした。
妥協のない逃げのない、
細部までこだわり抜かれた良いお芝居を観させていただきました。遠出した甲斐がありました。

たくさん勉強させていただきました。

ありがとうございました!





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 「夢を追い続ける、小沢佑太のガイドブック」





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