Ⅰ.はじめに座学で連結会計を学んだにもかかわらず連結決算実務で躓いてしまう方が見受けられます。 座学と実務の違いは主に下記2点と考えられます。 実務では連結会計システムを使うことが多いが、座学では連結会計システムの存在が考慮されていない 実務では教科書には載っていないイレギュラーな事態がしばしば発生する そこで、本稿では一通り座学で連結会計を学ばれた方向けに、連結会計システムの使用を前提としつつ(*1)、イレギュラーな事態にも対応できるような思考プロセスについての解説
Ⅰ.はじめに連結財務諸表の作成にあたっては、連結会社間のグループ内取引について、債権債務の相殺消去、取引高の相殺消去、未実現損益の消去等が行われることになります。 ここで、債権債務や取引高をきれいに"相殺消去"をするためには、一方の連結会社の債権や取引高の金額ともう一方の連結会社の債務や取引高の金額が一致している必要があります。 しかしながら、実際には、一方の連結会社から報告される債権や取引高の金額ともう一方の連結会社から報告される債務や取引高の金額は一致しない場合も多く
Ⅰ.はじめに税効果会計に関して、連結財務諸表規則第15条の5第1項において、以下の4つの注記が求められています。 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳→(以下、「DTA・DTL内訳注記」という。) 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に差異があるときは、当該差異の原因となつた主な項目別の内訳→(以下、「税率差異注記」という。) 法人税等の税率の変更により繰延税金資産及び繰延税金負債の金額が修正されたときは、その旨及び修正額→(以下、「税
Ⅰ.はじめに連結決算実務においては、連結会計システムを利用して連結キャッシュ・フロー(CF)計算書を作成するケースも多いかと思います。 この点、座学で連結CF計算書を学ばれた方であっても、連結会計システムを利用した連結CF計算書の作成に戸惑ってしまい、実務で躓いてしまうケースが見受けられます。 また、実務では教科書には載っていないイレギュラーな事態がしばしば発生することがあります。 そこで、本稿では一通り座学で連結CF計算書について学ばれた方向けに、連結会計システムの使
Ⅰ.はじめに連結決算実務担当者が連結会計システムを利用して各連結会社の個別キャッシュ・フロー(CF)計算書を作成し、それを基に連結CF計算書を作成するケースも多いかと思います。 この点、座学でCF計算書を学ばれた方であっても、連結会計システムを利用したCF計算書の作成に戸惑ってしまい、実務で躓いてしまうケースが見受けられます。 また、実務では教科書には載っていないイレギュラーな事態がしばしば発生することがあります。 そこで、本稿では一通り座学でCF計算書について学ばれた