心理的安全性を育む上で大切だと考えること
はじめに
今回の日経COMEMOのテーマは「心理的安全性」です。
日経COMEMOチームからの問いは以下の3つです。
私の意見を書いていきたいと思います。
サマリー
本記事を通じて私が伝えたいことは以下3点です。
「心理的安全性」の本質的な意味や重要性を理解していきましょう!(言葉に操られない、手段を目的化しないことが大切)
「心理的安全性を育む」主体は皆だ(経営チーム、中間管理職、メンバーのあなた自身たちの主体性が大切)
「心理的安全性を高めて良かった事例」を皆で作り、組織の垣根を超えて学び合いしていきましょう!
心理的安全性の確保された組織とはどのような組織でしょうか。どのような場面で心理的安全性を実感しますか
心理的安全性の確保された組織とはどのような組織でしょうか?
『「効果的なチームとは何か」を知る』(以下、参照)を参考に考えていきます。
「チームの心理的安全性」という概念を最初に提唱したのは、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー エドモンソン氏です。同氏は、この概念を「対人関係においてリスクのある行動をしてもこのチームでは安全であるという、チームメンバーによって共有された考え」と定義しています。
また、エイミー エドモンソン氏のTEDのプレゼンが興味深いのでご紹介します。本プレゼンの内容まとめ記事も同時においておきますね。
TED内で紹介される以下3つのエピソードで、共通しているのは、『職場で声が必要とされていない』ということです。
3つのエピソードに出てくるような「人が発言することをやめること」の原因は非常に単純で、「職場で、無知で無能で押しつけがましくてネガティブな人に見られるのが楽しみでたまらない!」とわくわくしながら朝起きる人など存在しないためだ、とエイミー エドモンソン氏は語ります。
多くの人が、自分のことを賢明で役に立ちポジティブな人だと思われたいと願っているのです。
また、TED内では「心理的安全性が高いチームとはどのように作るのか?」という問いについてエイミー エドモンソン氏はシンプルな3原則を語ります。
仕事において、自分たちがこれまで経験したことのない「不確実なこと」や「人々が頼り合って行うこと」が山ほどあるということを明確にし、職場の全員の考えや声が必要であるという前提を形作る
「人はミスを犯す」と認めること。ミスをした時に部下から「ミスをしました」という言葉を素直に聞ける雰囲気を作ると、チームのメンバーはより安心して声を上げられるようになります
チームのメンバーにたくさん質問することも、チーム内の「声」を生み出すには必要
お題のnote記事内にも以下の記事がありました。
どのような場面で心理的安全性を実感しますか
私自身がいくつか実感した局面について書いてみます。
一番分かりやすいのは、サイバーエージェントのビジョンに記載がある「挑戦した敗者にはセカンドチャンスを。」を経営MTGで実感した時でしょうか。
また、日常の雑談や定例MTG等でも心理的安全性を実感したり、意識したりすることは多いかなと思います。
私個人視点で言えば、「この言動は大丈夫そうか」と常に客観視しながら自分の言動を見たり、チームメンバーの発言や行動に対して私自身が制限をかけていないか考えたりしています。
上記は空気感等、感覚で実施することが多いですが、Wevoxでは「自分の意見や発言を周囲が聞いてくれているか」というサーベイ項目があるので、本項目のスコア推移は意識して見るようにしています。
(直近のダウントレンドが気になっています笑)
私自身の感覚とスコアのGAPがある場合、GAPがある理由の仮説を立てて、チームメンバーとの対話をしていきます。阻害要因を排除していきたいためです。
心理的安全性が確保された状態で働く場合、そうでない場合と比べて仕事に生産性は上がると思いますか。それはなぜでしょうか
仕事内容や環境によって前提は異なると思いますが、私自身の周辺という意味合いでは、心理的安全性が高まると変化に適応出来るしなかさや強さが磨かれ、結果として生産性も向上してくると考えています。イノベーションが起きやすくなるという期待もしています。
また、「組織の成果や学びにつながる 心理的安全性のあり方」という良記事がございました。
詳細は以下。
https://www.recruit-ms.co.jp/research/journal/pdf/j201711/m48_all.pdf
本記事では、フレイザーら(2017)は、心理的安全性の先行要因や結果変数との関連性を検証した136の実証研究(22,000名を超える個人と、彼らが所属する5,000近くの集団)のまとめが紹介されています。
上記研究から心理的安全性が確保された状態で働く場合、そうでない場合と比べて仕事に生産性は上がると言って良いのではないでしょうか。
心理的安全性を高めるには、どのような取り組みが効果的だと思いますか。どのような組織づくりが必要でしょうか
以下ガイドを参考にすると、インパクト(結果として、ポジティブなアウトカムに繋がる)を出すためのステップの記載があります。
本ステップを踏むために大事だと私が考えていることは、以下の通りです。
経営チームが「心理的安全性」を育む大切さを啓発、その言動を自らとる
1に呼応する形で、組織内の具体的な事例を集めたり、作っていく
2の事例について、経営チームが称賛したり、この事例がまさに大切であるというような意思表示をしたりする
この3つが繰り返されることで、現場の「心理的安全性」への理解が進み、実際にリスクをとる言動に繋がると思います。
したがって、経営チームも現場も、そして、間の中間管理職の方々も当事者意識を持って「心理的安全性を高める」必要性があります。
これらは顧客と真摯に向き合ったり、自チームの「心理的安全性をより高める」ための言動をしたり、そして、何よりアクション・デザイン代表の加藤雅則氏等(※)とプロジェクトを進めていく中で体感したことです。
※ AGC様との事例作りの実践者(詳細は以下記事)
また、「心理的安全性を育む」という文脈では、多くの企業が「上司と部下」、「仕事とプライベート」を分け隔ているような点に課題感を感じます。
本人たちにヒアリングしたわけではなく、あくまで記事を拝見した印象ですが、「OR」を感じるのです。
つまり、「心理的安全性を育むためには上司が頑張れ」と聞こえます。
私としては、もちろん、上司が頑張る必要性はありますが、経営チームも現場も頑張る必要性があり、「AND」が重要なのではないかと考えています。
一方、「心理的安全性を育む」ことに懸念がある経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は「心理的安全性を育む」ことは「ヌルい職場を作りたいのではなく、学習する職場、言い換えるなら環境変化に強く、事業目標を達成し続けられる職場」を作るために重要であると考えています。
そのため、もし誤解がありそうでしたら以下のような本をチラッと読んで頂くことをオススメします。読みやすいし、重要そうな点に目を通すだけで構いません。
おわりに
最後は、「チームの心理的安全性」という概念を最初に提唱したエイミー エドモンソン氏の言葉と動画で締めたいと思います。
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