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#364 組織の中でこそ発揮すべき個性。企業向け生成AIワークショップ企画から得た学び

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

昨日、無事に顧客企業向けに企画・提案した「生成AI利活用ワークショップ」が終わりました。計3社から、普段は別々の部署・業務を担当している計30名弱の方に参加いただき、初回としては一旦、事後の懇親会も含めて盛況に終わり、ほっとしています。

今回の生成AI利活用ワークショップは、普段お付き合いいただいているプロジェクトのお客様に向けて、普段の業務とは全く別の検討項目として、特に次世代を担う若手〜中堅の人に集まってもらい、普段の自分たちの業務効率化やサービス向上を目指して、生成AI利活用に関する議論の場を作り出すことが目的でした。

この仕事は、組織から言われてやったものでもありません。何も言わなければ実現そのものがなかった企画です。別にやらなくても誰からも怒られません。

でも、生成AIのような新しいものを一つの題材にして、普段の業務では交わることのない得意技が異なる企業・部署の人が集まり、「自分たちの業務が、未来にどうなっていくか。どうしていきたいか」を考えるという極めて重要な取り組みだと感じていたので、自分でアイデアの企画書を書き、社内はもちろん、お客さんをはじめ、ステークホルダーに話を持ちかけ、賛同してくれた人たちの協力を得て実現できたものでした。

お客さんも、普段は直接関わりが少ない部署の方も含め、せっかく半日時間を割いて参加してくれることになったので、少しでも有意義な時間にしたい。私が考えている「個社がそれぞれの組織目的達成のために動く仕事の仕方ではなく、社会的意義を目的の中心において、それぞれの組織・人が全体でエコシステムを作って動く仕事」を作り出すことに共感してもらえる仲間を一人でも増やしたい。

今後、人々の共感を集めるビジネスは、社会価値と経済価値をトレードオフではなく、両立させるものになっていくはずだし、自分たちの世代はそれを加速させる責務があると考えています。

そんな想いで実現したワークショップですが、思いの外、「やってよかった」「またやりたい」という声を直接いただくことができました。

今回、私から生成AIに関する様々なトレンドや技術要素、お客さんの未来を自分なりに予想して、なぜこのような機会が必要かプレゼンテーションさせてもらいました。その後、お客さんの業務への具体的な利活用領域についてディスカッションの場を設けましたが、結果として私自身が一番学ばせてもらいました。

今日は、今回の生成AI活用ワークショップ企画と開催を通じて学んだことについて、ご紹介します。


1. 最も評価いただいたのは、個人の分析と意見

これが一番伝えたいことなのですが、色んな方から「衝撃でした」とか「普段自分は何をやってるんだ、と痛感させられた」と言ってもらえたポイントは、最新技術要素の詳しい解説でも、会社としての取り組みでもありませんでした。

最も評価いただいたのは、「林個人として、お客さん業界とお客さんの組織をこのように見ており、過去と現在に至るトレンドから未来を予測すると、自分たちはこういうことが必要だと考える」という極めて個人的な意見の部分でした。

お客さんの業界トレンドを自分でリサーチしつつ、公表されている過去20年近くの中期経営計画、有価証券報告書、IR情報、2030年に向けたビジョンまで時系列で取り組みと財務情報を追っていくことで、見えてくるものがありました。

そして、外から見えるお客さん企業の現在、今後やっていかないといけないことについて、自分なりの考えを述べました。

「会社の了承は得ていないので、僕の勝手な分析と意見です」という前提で話をしてましたが、意識したのは、会社として何ができるというより、組織の中の個人として「自分はどう考えて何が提供できるか」ということ。

共創型ワークショップということで、グローバル大企業の他社の方にも入ってもらってコンテンツを作りましたが、そこで同じく登壇をお願いしていた方からも「私たちは、とか我が社は、という組織を主語にして説明する人は数多といるが、『私はこう考える』と自分を主語にして話せる人はなかなかいないから衝撃だった」と言ってもらえて嬉しかったです。

ここ数年で特に意識している自分という「個人事業主」が勤め先の「企業」と契約し、企業への価値提供の対価として収入を得るという感覚。

先日ご紹介した、経済的価値とプロ志向を重視する「社内自営業者」としての人生戦略を体現できて、それで喜んでもらえる人がいて、久しぶりにとても仕事ができたという実感を得ることも出来ました。


2. 他人に価値提供する機会を持つことで自分が一番学ぶ

私は、普段の業務ど真ん中に生成AIがあるわけではなく、何なら真逆の超巨大なシステムの維持と開発に関わっています。

そんな私でも、生成AIの領域はやるかやらないかだけの違いで、まずは個人レベルで色々と触ってみることが出発点、その上で自分で色んなレポート、データを見ながら、考えをまとめていくだけでも、理解できることは沢山ありました。生成AIが仕事のど真ん中の部署にいなくても、自分で使ってみて、データを見て考えをまとめて有識者と対話を重ねることで、かなり勉強になるなと。

他人に伝える機会がないと、本腰入れて勉強しようって気持ちにあまりなれないですよね。
でも、今回のように自分で企画して必要性を共感してもらえれば、いくらでも他人に伝える機会は作れることを改めて実感。
そして自分でコンテンツを作って、自分の言葉で話す場所を作り、そこでもらったフィードバックや気付きを元に、企画をさらにシャープにしていく。そんなことをしていううちに、詳しい人が教えてくれたりして、繰り返しやってきたことがいつの間にか自分を表すハッシュタグの1つになります。

今の本業が別の分野であっても、他人に価値提供する場を自ら作り出すことで、結果的に自分が一番勉強できることを再認識しました。


3. 組織の力をテコにして、個人の実績を広げる

3点目も改めての気付きですが、個人としてやる必要があると感じたこと、やりたいことを実現するのに、組織の力をテコにすることで、個人では到底できない領域にレバレッジが効きます。

生成AIをどうビジネスに活用できるか、を考えて、一緒に考える仲間を見つけるときに、個人で0から仲間を見つけるよりも、既に何かの取り組みをしている人との共通のゴールを設定して取り組んだほうが、自分の能力だけではできないことまで実現できます。

今回のワークショップも、普段とは環境を変えようということで港区31階の素晴らしい景色を見渡せる会場を借りて、コンテンツも自分で調べたものと社内の専門部門の協力を得て、他社専門家の講演、オフィスツアー、簡単な懇親会まで、アレンジしました。

このように、個人のWillを組織のミッションとして定義することで、個人のWillをより大きな形で実現できます。

さらには、今回の経験を通じて、生成AIに関する共創ワークショップの型を自分の中で確立し、実績が出来たことが大きいです。今回の企業向けだけでなく、生成AIの教育領域への活用など他領域とのクロス、他企業との検討についても色々と応用していけそうです。

とは言え、今回はあくまで初回のステップに過ぎません。継続的な取組とし、小さくても何らかの成果を出すことがゴールです。
これからも、「組織の中の個人事業主」として、組織に染まらずオリジナリティに拘っていきたいと思います!

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林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
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