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#411 人生後半戦の迎え方を考える

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

尾石晴さんとのもきょうさんの対談を聞き、3年後に控えた40歳の迎え方について色々と考えることがあったので、メモとして残しておきたいと思います。

今回、尾石晴さんが「40歳の壁」を超える人生戦略の新書(2年前に発売した本の追加原稿)を出されたとのことで、それをテーマとした深掘りの対談でした。

ちきりんさんの「未来の働き方を考えよう」でも指摘されていましたが、「人生100年時代」と呼ばれる現代、40歳くらいを区切りにして、「人生を2回生きる」考え方って今後ますます広まっていきそうだと感じます。
これまでは60歳あたりで仕事をリタイアして、老後ゆっくりとした時間を送るみたいな人生が一般的でした。しかし、平均寿命も伸びて、超高齢化社会で現役世代がますます減少傾向に入っていくと、そもそも私が60歳になる頃には「定年制度」がそもそもなくなっているだろうと考えています。

そうなると、これまでは国の制度で強制的に「ここであなたの仕事人生は終了!」と、他人が決めてくれていた「仕事のやめどき」を、自分で決めていかないといけません。

終身雇用が終了すると、自分の人生を会社にある程度委ねながら生きる、という考え方が変わり、自ら自律的キャリアを築いていくことがより求められる(=人材の流動性が高まり、会社が従業員の人生を細かくケアしきれなくなる)ようになります。

ロングランとなる仕事との向き合い方について、しっかり内省する時間を作って、自ら選択していかないと、ずっと漠然としたモヤモヤを抱えたまま、40代以降の人生を過ごしてしまいそうです。

そんなことを考えながら聞いたお二人の対談ですが、至るところで共感する部分が多かったので、いくつかポイントをピックアップして、私の考えを述べていきたいと思います。

憧れを早めに潰しておく

まず、3年後に40歳を迎えるにあたり、残りの期間でやっておきたいと感じたのが「憧れを潰す」ということです。

「あの時こうしておけばよかった」という気持ちに対して、一件ずつクローズさせていかないと、いつまで経ってもズルズルとモヤモヤを引きずってしまいます。

私の実体験としては「学生時代に留学しておけばよかった」という気持ちとの折り合い方でした。

私が高校生の時に参加したオープンキャンパスで、カナダ留学から帰ってきたばかりの大学生の話を聞いて「自分も留学したい!」と考えていました。

その後、大学に進学すると、毎日何かと忙しく過ごしており、休学するなどして1年留学しよう!というまでの決断ができないまま就職活動を開始し、4年で大学を卒業、東京の企業に就職しました。

そんな私は仕事を始めてからも、「海外を知りたい」という憧れを抱えたまま、それを学生時代に選択しなかった自分をとても後悔しました。2010年代前半、会社も一気にグローバル展開を図り、グローバル化がさらに一気に加速しているのを肌感覚でヒシヒシと感じ、「仕事で普通に英語を使う環境」に対しても憧れを抱くようになりました。

そんな自分のモヤモヤに折り合いを付けられたのが、社会人3年目くらいから英語を本格的に勉強し始めて、社内で手を上げて異動させてもらった東南アジアでの仕事経験です。「仕事で普通に英語を使う環境に行きたい」、「留学できなかったけど、海外での生活を知りたい」という憧れを潰すための道を選び、そこから10年近く海外で多くのことを学びました。

もし、20代前半でこの選択肢を取っていなければ、30代後半になった今になった今、「モヤモヤの雪だるま」はさらに大きなものとなって、重すぎて動かせないものになっていた気がします

「留学してみたかった」「仕事で英語を使う環境」への憧れが、いつの間にか「それを実現している他人への嫉妬」や「自分自身への負い目」という負の気持ちとなり、自分自身を苦しめていた可能性も十分にあります

これと同じことが、40歳という節目でもやってくるのではないか?という気がしているのです。
だから、40歳を迎えるまでのこの先3年間で、「憧れを潰しておく」ための行動計画をしっかり立てておこうと思っています。

10年おきに新たな軸を取り込む

40歳以降に取り組む仕事の選択です。

これは、必ずしも転職だけでなく、社内での部署異動や、今の仕事を続けながら、新しいことにチャレンジすることも含みます。大事なのは、それまでの経験から良くも悪くも身についてしまった自分の中のプライドや成功体験を、自らへし折りに行く選択ができるか。

プライドをへし折るには、新しい世界に飛び込むことが最も手っ取り早いです。

15年近く仕事をしてきて感じているのは、取り組むプロジェクトの内容や人間関係は毎回違えど、何もわからない状況で取り組む1回目と、何となく一周理解した状態で自ら取り組む2回目までは繰り返す価値があるが、3回目以降からの学びは極端に減るということです。

私の場合は、20代前半で日本の大規模システム開発の超王道のプロセス・価値観を学び、20代半ばから東南アジアを中心に「価値観や前提が全く異なる人たちを巻き込みながら、道なき道をいかに作っていくか」というキャリアをスタートしました。ここでは、「グローバル」というタグで、いかにプレイヤーとしての自分の能力を高めるか、に集中していました。

30代に入って「マネジメント」の要素が加わり、東南アジアのエンジニアたちの力を借りて、「社内で誰もやったことがないプロジェクト」を完遂してきました。
途中からは管理職の立場で、チームパフォーマンスをいかに高めるか、という実験に日々取り組んでいます。

グローバルでの仕事もちょうど2周回り切ったと感じていたところで国内メインの仕事に戻り、また人間関係や実績をリセットする環境で新たな挑戦の機会となりました。

40代で取り込んでいきたいのは、現在属している「IT業界以外の分野とのクロス」です。30代後半からはその種蒔き期間として、職場以外で面白いと思える人たちとの出会いにも重点を置いて楽しんでいます。

これを趣味ではなく、強制力がはたらく仕事を通じて体現しけると、人生後半戦はより一層面白くなっていきそうです。

管理職になると裁量権が手に入る

ここまで述べてきた「憧れを潰す」、「別分野とクロスした取り組みを仕事にする」を実現するには、一定の裁量権を得ることが大切です。

対談の中でも触れられていましたが、「仕事の中で裁量権を得る」のに管理職というのは、私としてもとてもオススメのポジションです。

管理職のポジションに就く前は、「雑用ばかりで有事の際の責任者としてやりたくないことで埋め尽くされそう」というイメージを持っていましたが、実際は逆でした。

もちろん仕事なので嫌なこと、面倒くさいことにも直面することもたくさんあります。しかし、「このチームではこういう仕事に集中していこう」をある程度決定できて、やりたいことを実現するのに説得しないといけない人が減り、ポジティブな面のほうが明らかに大きいです。

時間の使い方も、大きな全体の中での仕事のピークを多少はコントロールできます。
私は3歳と1歳の子どもがいますが、管理職は成果主義で時間に縛られることも少なく、子育てとの両立の面でもとても助かっています。

特に私と同世代では、同じような境遇の方も多いと思います。子育ても仕事も頑張りたい!という方こそ、管理職への挑戦を強くオススメしたいです。

以上、対談を聞いて私なりに感じたことをまとめてみました。
尾石晴さんの新書も早速購入したので、この本のレビューはまた別途書きたいと思います!

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林 裕也@IT企業管理職 ×「グローバル・情報・探究」
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