運動と睡眠の関係性の科学
1.運動が睡眠の質を高めるメカニズム
運動には、私たちの眠りを深く、質の良いものにしてくれる力があります。
運動を行うと体温が一時的に上昇し、その後、約30分から1~2時間かけて体温がゆっくりと低下します。この体温の低下が、まさに「入眠を促すスイッチ」の役割を果たしているのです。運動後のこの体温変化が体をリラックスさせ、深い睡眠に導いてくれます。
特に有酸素運動(ジョギングやサイクリングなど)は、脳と体の両方に働きかけ、質の高い睡眠を得るための効果が高いとされています。週に数回の適度な運動を取り入れることで、翌朝の目覚めもすっきりと感じられることでしょう。
2. 運動のタイミングと睡眠への影響
運動はタイミング次第で、その効果が変わってきます。日中や夕方に運動することは、夜の眠りをサポートしてくれます。しかし、ここで気をつけたいのは運動のタイミングです。
特に、寝る直前に激しい運動を行うと、体温が下がりにくくなり、交感神経が活発化したままで、逆に眠れなくなることがあります。
理想的には、寝る2~3時間前までに運動を終えて、体がリラックスする時間を確保しましょう。もし夜に運動するなら、軽いストレッチやヨガなどのリラクゼーション運動がオススメです。
3. メラトニンと運動の関係
睡眠ホルモンであるメラトニンは、私たちの体を眠りに誘う鍵を握っています。メラトニンには体温を下げる作用があり、体を自然と眠りに適した状態へと導いてくれます。メラトニンの分泌は、一般的に午後9時頃から始まり、午後11時には眠気を感じるレベルにまで増加します。
ここで注目したいのが、日中の運動がメラトニン分泌にどのように影響を与えるかということです。
運動をすることで、日中に分泌されるセロトニンが増加します。このセロトニンはメラトニンの基となる物質であり、夜になるとメラトニンに変わり、眠りをサポートしてくれます。
特に太陽の光を浴びながら運動することで効果を高められます。
セロトニンは、脳内の神経伝達物質で、精神の安定や幸福感、ストレスの軽減、睡眠の質の向上などの効果をもたらすため、メンタルヘルスに重要な役割を担っています。
本日はメンタルヘルスの日なので大事なセロトニンと運動のお話としました。