創業→売却した会社を離れて1年経った現在の心境とこれまで、これからについて。

2012年に創業し、2016年にフジ・メディア・ホールディングスグループに数億円で売却。
その後も約2年間代表取締役を務めた会社の役職を2018年に退任してから、約1年が経ちました。
この投稿では、退任以来のこと、現在考えていること、そしてこれからのことについて書いてみようと思います。
関連して、自身の思考や哲学についても触れていることもあり約3,000文字とそこそこの長文になっていますが、よければお付き合いくださいー。

※過去記事のカテゴリ別まとめはこちら。

退任後、何をしていたか

前提として、僕はオンオフの切り替えが下手なこともあり、約6年半の経営においてはほぼ仕事ばかりの毎日でした。
元々多趣味なんですがそれらをかなぐり捨て、飲みにもほぼ行かず、出社強制力を持つために家の居心地を悪くしていたのでネット回線とか電子レンジとかも家にはなく常に会社にいる、という生活を送っていました。

こういった生活を営んでいた理由としては、ご出資いただいたお金を自分のために使うわけにはいかないし、事業がうまくいくのであれば他にはなにもいらないと思っていたからです。
※長いスパンで継続して高いパフォーマンスを出すためにはある程度のゆとりを持つということも大事だよなーと今は思っています。

で、それを経て退任後にやってきたことをざっと書くと以下あたり。
ーーーーー
・フルマラソン
・東京→福岡自転車横断
・ピアノ始める
・音楽機材色々揃える
・福岡移住
・海外旅行
・僕を月給3万円で雇えるサービス開始
・某社社外取締役就任
・音楽フェスやライブに複数参戦
・複数回の登壇やインタビュー
・生放送のラジオやネット動画番組出演
・心身の回復
ーーーーー

まぁ書いてないことも色々とありますが、仕事以外を中心に今までやってこなかった、やれなかったことをもろもろ。
「やってこなかったこと」も含めた理由としては、自分が明らかに興味がないことにも取り組むことで、人生の選択肢の精度・納得感を上げられるのではないかという仮説を立てたため。
そしてその仮説は正しかったと今は思えています。

売却前からの変化

まず、生活に対するスタンスは一変しました。
以前は上記のように仕事が生活のほぼ全てを占めていましたが、今は「今日のお味噌汁は美味しく作れたな」「気持ちのいい天気だから散歩しよ」「映画を週に一回観ることにしよう」といったように、世界に対してより穏やかに接することができています。
今までは仕事を生きていたけれども、今は人生を生きている、というイメージ。
つい熱中してやり過ぎちゃいそうになる自分もいたんですが、意識的にブレーキを踏むことも多々ありました。

ここで書いておきたいのは、人生の優先度や幸福の形というのは人それぞれ全く異なるということ。
そして、それは同一人物においても随時変化するということです。
僕は誰かの人生になにかを強いることはしないし、逆に誰かになにかを強いられたくもない。
その上で、今はこうやって人間としての幅を広げることが大事だと考え、行動している感じです。


他の変化としては、自分にとってお金というものがどういう役割を果たすものなのかがある程度整理できました。
具体的には、自分の人生において極端に大きな額は必要ないなーと。
お金というのは幸福を探すうえでの行動枠を拡げるための手段であり、僕の幸福を見つけるためにはそれほど多くのそれは必要なかったということです。
※お金を稼ぐ事自体はとても好きです。
※何が僕にとっての幸福なのかについてもいつか書くかも。

ちなみに「お金を得ると人は変わる」みたいに言われますがそんなことはなく、「お金は人の本性を顕す」だけだと思っています。
要するに、資本主義における強者としての生存が約束されたことにより、自分の好きなように振る舞うようになる、ということ。
僕は以前から、資金調達とかバイアウトとか上場とかを契機に他人への態度が変わるのはめちゃくちゃダサいと思ってたこともあり、その前後で人格が変わったりは一切していないと思います。
たぶん。

そもそも、世界一の企業を作ろうが大企業に勤めようが家で毎日ダラダラしてようが、どっちが偉いなんてことはないんですよね。
僕は誰かと一緒にいる時、「自分がその人を好き、もしくは好きになる可能性がある」という理由以外を持たないようにしています。
打算とか、人の利用価値とか、そういうものに関わらず生きていきたい。


他の変化としてもう一つ上げておくと、今年の春に新しく立ち上げた会社はご出資はいただかず、自分の好きな事業を好きなように運営しています。
ただ、この会社でも将来的に株式での資金調達を行う可能性もありますが、そこは今後の事業進捗に合わせて柔軟に考えていけばいいよね、というスタンスです。

現在の心境

この1年、めちゃくちゃ早かったなーというのがまず思うところ。
前職を離れたことがついこの前のようにも感じます。

その理由としてはおそらく、以前は常にアクセル全開で毎日を送っていたけれども、現在はそれと比較するとだいぶゆるりとした生活になっているためです。
つまり、密度が以前の方が高かったので、その分積み上げた量が少ないので短く感じる、ということ。

ただ、それが必ずしもだめだとは思っていなくて、色々なことを考えたり、チャレンジしたり、ゆるりとしたり、今までとは違うそういった毎日を過ごせていることは幸福だなーと。
特に福岡に移住してみたことは良かったと思っていて、東京よりも世界を愛することを簡単にしてくれる街だなと感じています。

そしてそういった状態で1年を過ごした結果、頑張りたいなーという欲求がまた沸々と熱を持つようになってきました。
退任から1年というよいきっかけでもあるので、自分の事業をまた手掛けるためのスタートラインに立った、というのが現状であり、この投稿はその第一歩でもあります。

今後の方針

改めて、事業を色々と進めていきます。
既に僕を月給3万で雇えるシリヤト!!等を通じてそれなりの数の企業さまとご一緒してますし、それ以外でも社外取締役として働いたりもしてるんですが、まずはそちらに更に力を入れていきます。
それらと並行して、やりたいアイディアは色々とあるので、優先順位をつけつつ形にしていくつもり。

加えて、更新頻度が低いにも関わらずnoteでも1,300人近くの方にフォローしていただいてる上に今も増え続けていることもあり、ここももうちょっと頑張りたいなーと。
どうしてもブラックボックス化しがちな、スタートアップや経営に関する内容について今までのように書いていこうと思っています。
以前、そういった記事を書いたこともありますが、各所に利害関係を現在持たない僕だからこそ書けることも色々とあると思っているので、ご興味ある方はフォローしてみてください。

さらに加えると、心身の疲労を完全に取る、というのも優先度高くやっていきます。
お世話になっている整体師の方によると、ゆったり1年間を過ごした現在でも一般の5〜６倍くらい体が疲れているらしいので、そこまで無茶な働き方はしないつもり。
あとは、今もやってる人生を豊かにするための行動も引き続き。

僕、めちゃくちゃ長生きしたいんですよ。
そんでもって、人生を楽しみまくりながらしゃぶりつくしたい。

まとめ

人生を最高にするためにまず必要なのは、自分の人生がどうなったら最高なのかを理解することです。
僕はそのために30年以上の時間を要しましたが今はそれを理解できましたし、そこに向かって頑張ることができる状態になれたのはとってもハッピー。
その上で、もっともっと最高にするためにさらに最高の毎日を送ることに決めているんですが、それがそもそも楽しいので既に最高です。

がんばる。

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