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「なんでP/L(損益計算書)が必要なの?」という疑問に対する3つのメリット。

事業についてご相談をいただく中で、P/L(損益計算書)を書くのが苦手、書いたことがない、という方が多いことに驚いています。
しかし考えてみると、P/Lの書き方なんて学校で習うことはほぼないですし、企業で働いていたとしてもある程度の役職に就かなければ書く必要が生じる場面はそうないと思います。

ただ、書き方が分からないからというよりも「なぜP/Lを書かなくてはいけないのか」という理由が腹落ちしてないから、それの作成にあまりやる気がでない、という人が多いのではと考えています。
そこで本記事では、P/Lを書くことによって得られるメリットを整理することで、なぜそれを書くべきなのか、という内容について述べていきます。

※過去記事のカテゴリ別まとめはこちら

そもそもP/L(損益計算書)とはなにか

辞書的な説明だと、"財務諸表の1つで、一定期間中の収支を表したもの"です。
ざっくり言うと、"売上と支出、さらにそれに伴う収支を期間ごとに整理したもの"って感じです。
イメージが湧かない場合は損益計算書でググればたくさんテンプレートが出てくるんでそれを見てみてください。

次の見出しからは、P/Lを書くべき3つの大きな目的について書いていきます。

理由1:事業規模の把握

市場規模は広く知られた単語であり、事業を考える上でほとんどの方が考慮する数字であると思います。
しかし、当然ですが市場規模=その事業規模というわけではありません。
なぜなら、全てのシェア・領域を取れるわけではないですし、市場規模はそこで流通している金額の総計なので、それ=利益というわけでもありません。

P/Lを作成し、想定している価格や購入人数、購入率を当てはめていくことで、自分が考えている事業がどれくらいの売上・利益が出るのかを計算できるわけです。
これを通じて、自分が考えている価格だとどう考えても目標に達しない、だから価格を上げるかターゲットを拡げなきゃ、などの検証ができます。

理由2:損益分岐点・累積収支の把握

事業の企画・推進において時間軸で考えることはとても重要です。
将来めちゃくちゃ大きくなる事業だとしても開始した翌月に売上が10億円になるなんてことはほとんどありません。
例えばAmazonの2019年における売上は2,805億ドルですが、創業した翌年である1995年における売上は51万ドルです。
また、その年の収支はマイナス30万ドルであり、(彼らの戦略が大きな原因でもありますが)黒字化したのは創業から8年後の2002年でした。

このように事業の成長には時間がかかるので、損益分岐点はいつになるか、そしてそれまでに累積収支(損失)はどれくらいまで膨らむのか、ということを理解することが、資金調達なども含めた戦略策定においてめちゃくちゃ重要なわけです。
自身の手持ち資金が心許なく、さらに資金調達をするつもりもないのであれば、累積損失が大きくなるビジネスには手を出すべきではありません。
逆に、損益分岐点がすぐに訪れ早期の黒字化が達成できる見込みなのであれば、早めの採用を行うなど攻めの戦略を取ることができます。
頭の中でなんとなくの計算はできると思いますが、より正確に把握するためには損益計算書に落とし込むことが重要です。

理由3:事業変数とその影響の把握

事業を行うにあたって、そこには多くの変数が存在します。
例えばECにおいての売上はLPへの訪問数、カートへの移行率、購入完了数、単価、手数料率、リピート率など、さまざまな要素で構成されています。
そしてP/Lにそれらを細分化して変数とすることで、どの項目がどれくらい事業に影響を与えているのかを把握することができます。

例えば売上を上げたいと思った時に、改善項目として注力すべきは単価でしょうか、それとも購入率でしょうか、それともLPへの流入数でしょうか。
そういった仮説を実際に数値を入れながら検討することで、精度をより高めることが可能です。

「ただの数字遊びじゃないの?」への反論

とりあえず売上を書いて、とりあえず3%ずつ毎月成長することにして、とりあえず人も3ヶ月に1人ずつ増やすことにして、のようになんとなくで作成されたP/Lには意味がありません。
しかし、P/Lの役割を改めて一言でいうと、"事業仮説の精緻な数値化を行うためのもの"です。

確かに事業を始めたばかりの状態では、数字もひとまずで置かざるを得ないかもしれません。
しかし、事業を進めるにつれて、例えば1回の購入あたりの広告費や購入率など、それぞれの実際の数値が明らかになってきます。
その値をP/Lに当てはめることにより、それはただの数字遊びではなく、事業を組み立てる上での設計図になるわけです。
また、繰り返しですが事業変数を細かく細分化することによって、事業がどのように成り立っているのかの解像度をより上げて把握することができます。

まとめ

本記事では実際にどのように書くかについては細かく触れていませんが、なぜそれを書くべきなのか、書くことによってどのようなメリットが生じるのかについてはお伝えできたのではないかと思います。
P/Lは、最初に書いてはい終わり、というものではなく、継続的に更新をしながら事業戦略を練る際に助けとするものです。

また、事業だけではなく人生プランについて考える上でも、P/Lを書くことは大きな助けになると考えています。
幸福を実現するために必要な費用・項目は人によって大きく異なるので、自分の人生においてどれくらいの資産が必要なのか、それを実現するためにはどうすればいいのかを整理することで、より良い人生プランの作成、そして幸福な人生の獲得が容易になると考えています。

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ITベンチャーに新卒入社後2012年創業 複数回エクイティ・デッドでの資金調達を行い各種事業を行う 2015年に既存事業譲渡と訪日旅行者向けWebメディア立ち上げを並行しつつ、 2016年にフジメディアホールディングスグループに数億円でバイアウト 2019年から福岡で2度目の創業