夏休みの開幕を、しみじみと。
ゴロゴロガラっと、重たい小学校の門を開けると受付のおじさんがいる。
用務員さん、というのだろうか。
首からぶら下げた赤のパスケースに入った“保護者証”を意識しながら
(怪しいものではありません。ちゃんと保護者ですよ。)のオーラを出すべく努めてにこやかに、わたしはしっかりとおじさんの顔を見て、声をかける。
今日は忘れものを取りに来たのではない。
あさがおを取りに来た。
1年生の次男はあさがおを育てていて、夏休みの間は家に持ち帰り家で育てることになっているからだ。
中庭にずらっと並んだあさがおたちは
既ににょきにょきと育っていて、4本の黄色い支柱にしがみついている。
長い蔓があっち向いたりこっち向いたり。
2本に分かれているかと思ったら実は4本だったり。
既に先っちょが枯れてしまっていたり。
この数ヶ月の過ごし方が1本1本に現れていた。
いくつもの名前を通り過ぎてから、次男のあさがおを発見した。
持参したビニール袋に鉢ごと入れて、それを自転車の前カゴに置いた。
おっふ。
デカいな。
わたしの自転車は前に子供が座れる仕様になっており、最近はもう誰も乗らないので荷物置きとなっているのだが
そこにぴったりと収まったあさがおが、まあデカい。
ちょっ。んんっ。
なんか、顔。顔かゆいっ。
鉢+支柱で1メートルほどだろうか。
そこから、蔓がわんぱくにもしゃもしゃっと飛び出ており、ちょうどわたしの顔をくすぐる。
自転車への振動が起こるたびに、くるんくるんの蔓や葉っぱがふわっと顔をかすめるのでくすぐったい。ちょっとチクチクするし。
顔をそむけながら自転車を運転し、家にたどり着いた。
あさがおは持って帰った。
歯医者や耳鼻科や美容室にも行ってある。
月イチで会っているママさんグループとも飲みに行けたし。
2月に子供が産まれたお友達とランチに行けた。
その他、友人とモーニングに行ったり、飲みに行ったり、推し活したり、もろもろ、もろもろ。
子供の個人懇談も全部行けた。
やりたいこと全部できた。
さあ、夏休みへの準備は万端。
いつでも来いや!
と、言いたいところなのだけれど。
最近すっかり運動不足。
加えてこの暑さ。
著しく体力低下中。
納豆嫌いを克服したわたしはあちこちにドヤ顔で報告をし、苦手克服で自己肯定感までアップしていたのだが。
夜の家事を終わらせなくてはならないのになかなかスイッチが入らなくてダラダラしてしまう。
遊びにはウキウキで体力使えるのにね。
まったく都合のよい体やわ。
先週の3連休は天気がいまいちで、雨が降ったり止んだり。
土曜日はわたしが次男を皮膚科(激混み)へ、夫が長男を眼科(定期的に予約している)へ連れて行き
、夜にたこ焼きをした。たこ焼きは夫の方が作るのが上手く、まんまるになる。
キムチ+長芋+大葉、がお気に入り。もはや“たこ”焼きではないんやけども。こういった何を入れてもウマイものは、何を入れても良いので、単に好きなものを入れているだけ。
日曜日の夕方は家の前でボール遊びをしていて
ふわふわのバレーボール(ハイキューにハマったわたしが購入)で急遽始まったドッチボール対決。
夫 VS わたし。
元野球部 VS 元ドッチボール部(小学生時代)。
一対一で本気のボールを投げる。
元野球部の攻撃。ビュンっ。
バチン!
ふわふわボールなのになんなんこの音。キャッチしたけど手いたっ。
ほほう、手加減とかしない感じね。俄然肩に力が入る。
元ドッチボール部の攻撃。
こうなったらコントロールで勝ってやるわ。
なるべく低い位置を狙って振りかぶる。ぴゅんっ。
しまった、ちょっと高いっ。太もも位置のため難なくキャッチ。
何本も何本も投げ合い、
気がついたら2対2のめっちゃ良い勝負。
審判の長男は両手ピースをしている。
疲れてきて段々バウンドが目立つようになってきた。
負けられない。。いや、負けたくない。。
ビュンっと、ぴゅんっを、繰り返す。
「あっ」
ちょっと逸れたボールを掴みきれず、わたしの敗北となった。くっそー負けたーー。
湿気むんむんの曇り空。
高揚した体の全身から汗が噴き出ていて、さわやかでも何でもない戦いは終演した。
汗でベトベトでも楽しかったから良いか。
次の日の朝、わたしの右腕は筋肉痛となっていた。肩から二の腕にかけて痛みが走る。
ほうらね、と言わんばかりに体力不足が目に見えていて、ますます家事が進まない。
夏休み中の予定もちょこちょこ入ってきて
ああ、本当にはじまってしまうのだなと俯瞰で見ているわたしがいる。
実は信じたくないのかもしれない。
夏の準備をしはじめて、ようやく暑さにも慣れてきたところに、夏休み。
一学期あっという間に過ぎ去ったな、としみじみ。
しみじみ。。。
しみじみって、深く染み入ることなんですって。
はー、ついに夏休み開幕するなあ。しみじみ。