野球における多様性について
現代の野球界において昔よりは多様性が重視されてきたと感じる部分がある。
選手それぞれの『理想の選手論』を持っていて、レベルが上がれば上がるほど『理想像』は多種にわたる。
ただ、
未だにアマチュア野球では選手一人ひとりの『多様性』を活かしきれていない。
というのが残念ながら現代野球の現状だ。
つまり、どういうことかというと
例えば⬇️⬇️⬇️
ある投手は身長も低く、身体能力的にも決して優れているとは言い難い。
その投手が
『150キロのストレートを投げたい』
と思っていて足りない身体能力を底上げするトレーニングに取り組んで行っていて、監督やコーチにもその旨を伝えたところ監督やコーチからは、
「お前みたいな身長の低い投手は速い球を求めてはいけない。コントロールを磨いて打たせて取る投球をしなさい」
と言われた。
しかし選手としては
『なぜ人に自分のプレースタイルを決めつけられなければいけないのだろう。』
そう考える。こうなると選手と指導者間に歪みが生じる。ここから先は簡単な話だ。
監督やコーチは
「あいつはいうことを聞かない」
と試合に使うことは少なくなっていき、
選手側は次第に本当はしたくない選手像を追いかけさせられるを得ない状態になってしまう。
お互いに信用できる関係ではなくなる。
本来であればその選手が目指す選手像を尊重し、そうなるための手助けをしなければならないはずの指導者がその選手の可能性を縮めてしまっている。
これは会社の上司と部下でも同じことなのではないか。部下がこういうやり方の方が効率も良く自分自身もやりやすいというやり方があって上司に相談したところそのやり方を頭ごなしに押さえつけられてしまう。
そうするとお互いに信用を失っていく。これは一番良くないパターンになってしまう。
人の上に立ち、人に指示を出す立場の人間はもっと自分より下にいる人たちの考えや行動を尊重してあげる義務と責任があるように思う。それができずにどうしても自分の思い通りに動いてほしいという人は人の上に立つ資格を有していないと自分は考える。
こういう時代だからこそ一人ひとりの考え方や意見を尊重してみんなが行きやすい社会を作っていく、今回で言えば未だに根強く残る
『先輩や監督コーチの言うことは絶対』
と言う考え方を今一度見直していける野球界を作っていきたいと思う。