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10月の読書 | 人はなぜ移動するのか
本を読んでいない時間も、続きが気になって仕方ない、そんな気持ちに久しぶりになる本に出会った。旅を愛する人には、旅に興味がない人にも、是非是非、是非とも読んでいただきたい1冊を、一番最初に今日は紹介したいと思います。
ひとつでも心に響く言葉があったなら、手に取ってみてください。うずうずして、いますぐ放浪したくなってしまうかも知れませんが。
旅の効能-人はなぜ移動するのか/ペール・アンデション
現代人は、効率的かつ快速な旅をしなければいけないと思っている。みんながそう考えているようだ。この考えに抵抗するのは難しい。快速の輸送手段がリーズナブルな値段で提供されているので、大多数の人はゆっくりめに旅をしようとしない。いくら冷静な環境論や哲学論を聞かされてもだ。
せめて、現代は生活全体の進み方が「速すぎる」とか、私たちは効率を重視しすぎているとは考えないものか?もしそう考えるようになれば、ゆっくりめの旅をしてまずは休もうとするだろう。
スロートラベルについて書かれた章。現代は交通網が発達してどこにでもすぐに行ける。それは嬉しいことだけど、もっとゆっくり、その移動も含めて、旅をしたい。たくさん詰め込んで、遊びまくって、食べまくって、それで旅をして身体が疲れて帰ってくるのは本末転倒ではないか?といつも思っている。そうしちゃってるんだけどね。
人は遅かれ早かれ、絶えず新しい場所を訪れようとはしなくなる。旅の体験をコレクションしようなどとはしなくなるのだ。
はっとした。そう、わたしはいつかもう旅をコレクションしなくなることを夢見ている。
そうするためには旅費を切り詰めなければならなかったが、だからと言って必ずしも退屈な旅、あるいはみじめな旅になるわけではなかった。むしろ安旅のおかげで、人々や文化に近づけたと思う。金持ちは信頼できること、確実なことには金を払う―それは、うんざりするほど極上の贅沢だ。だが私はそうした贅沢を、いわばただで手にできた。そうした贅沢は安値でも見つけることができるのだ。
わたしが安旅を好む理由。より暮らしに近く、より地元民に近く、より本質的に。誰かのうちに泊まらせてもらったり、ゲストハウスに泊まるのは、旅費をおさえるためだけではないのだ。
「探すのをやめないこと。旅をやめないこと。なぜなら広い世界が待っているからだ。世界が小さくなることはない。」
あぁ、この事実だけで、わたしはもう何からも逃げられる。
旅をすると時折、周囲と何もつながりもないことに悩む。よそ者であることをもっとも強烈に感じるのは、一人旅をしていてヨーロッパの都市に到着した時、故郷の町を思い出し、日常生活のことを考える瞬間だ。この疎外感がいちばん強いのは、朝夕の交通機関に乗った時である。―
―だが私は混雑の中で流れに逆らって歩道を進み、中央駅へと向かい、リュックを担いでプラットフォームをめざす。好奇心に満ちた顔つきをしているが、それこそ私が地元民でない証だ。
ひとりでインドを旅したとき、夜行バスでマレーシアのクアラルンプールからペナン島へ帰るとき、留学先に遊びに来てくれた恋人が帰路の搭乗ゲートを抜けたとき、わたしはいつも孤独で、ひとりきりだった。だけれど、ユースホステルに戻れば、寮に戻ってルームメイトに会えば、行きつけのカフェでオーナーと会話すれば、ひとたび孤独と絶望が癒えてくる。旅中、ずっとそういう緩急を繰り返していた。それがさみしくて、でもそれが心地よくて。旅が人との出会いを貴重だと感じさせるのは、ここにあるのかも知れない。
アルケミスト-夢を旅した少年-/パウロ・コエーリョ
羊飼いの少年がエジプトのピラミッドに向けて旅に出る物語。旅中、少年はたくさんの人に出会い、人生の知恵を学んで行く。旅の効用を読んだら、どうしても旅のことで頭がいっぱいで、再読でした。
もし常に今に心を集中していれば、幸せになれます。砂漠には人生があり、空には星があり、部族の男たちは人間だから戦う、ということがわかるでしょう。人生は私たちにとってパーティーであり、お祭りでもあります。なぜなら、人生は、今私たちが生きているこの瞬間だからです。
僕らの地球の歩き方①〜⑤/ソライモネ
久々の漫画。こちらも旅がテーマ。男性カップルが世界一周の旅に出るお話。絵がとっても綺麗で、ご飯の描写が一番好きである。会社の先輩が、おすすめだから、と言って貸してくれた。年内にちゃんと返さなきゃ。まだ5巻は読めていない。先輩、買ったのかな?お持ちでしたら貸してください^^
10月はどうにも忙しくて、読みたかった本はまだ積まれたまま。読書の秋はまだまだ続きます。ところで最近はラジオにもはまっています。読書をしたいのだけれど目を休ませたいとき。ラジオを聴くことにしています。オススメのラジオがあれば是非教えてください!
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