【行動経済学】私たち消費者は、本当に「合理的」な消費選択をしているのだろうか
経済学では、消費者は「合理的な選択」をすると定義される
経済学では、「消費者および生産者は、いかなる場合でも合理的な行動をする」と定義つけています。
言い方を変えると、「自己の利益を最大化するような消費および生産活動をする」ということです。
合理的な消費選択の例
さて、早速読書の皆さんに質問です。
あなたは今、文房具店Aにいます。
そして目の前には、欲しかった1000円のボールペンがあります。
しかし、10分歩いた先にある文房具店Bでは、その半額の500円の価格で同じ種類のボールペンが売られています。
さて、あなたはどのような消費選択をしますか?
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10分歩いてでも、文房具店Bで売られている500円のボールペンを買いに行きますよね?
おそらくほとんどの方がこの消費選択をするでしょう。
これは、「自己の利益を最大にする合理的な選択」をしていると言えるでしょう。実際にあなたは500円の得をしていますからね。
果たして本当に消費者は合理的なのか
しかし、次の質問ではどうでしょう。
あなたは今、宝石店Aにいます。
そして目の前には、欲しかった1万円のネックレスがあります。
しかし、10分歩いた先にある宝石店Bでは、それよりも500円引きされた、9500円の価格で同じ種類のネックレスが売られています。
さて、あなたはどのような消費選択をしますか?
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宝石店Aで、1万円で買いますよね?
だって、10分歩いても、たったの500円しか割引されないのですから。
おそらくほとんどの方がこう答えると思います。
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あれ?何かおかしくないですか?
一つ目の質問のボールペンも、二つ目の質問のネックレスも、割引価格は同じ500円ですよね?
でも、ボールペンのときは10分歩いてまで、500円引きされている文房具店Bで購入したのに、
ネックレスの時は、宝石店Bまで歩けば500円引きで買えるのにも関わらず、その選択肢を捨ててそのまま宝石店Aで購入しましたよね?
このネックレスの購入のケースは、経済学でいう「合理的な選択」ではありません。
なぜなら、「合理的な選択をとっていれば払う必要のなかった500円を払ってしまっているから」です。
しかし、ほとんどの方はネックレスの場合は合理的な選択を取りませんでした。
しかしこれは、人間の心理的には間違っていないのです。
なぜなら人々は、実際には「不合理な消費選択」をとっていることがほとんどなのですから。
それを検証するために他の例をあげます。
あなたは今コンビニにいて、目の前には食べたかったコンビニスイーツがあります。
そのスイーツの価格が予算内であった場合、購入しますか?
経済学的な合理的選択をすると、迷わず購入するでしょう。もともと予算内なわけですから損はしておらず、「スイーツを食べたことによる美味しさ」という満足を得ることができるからです。
しかし、実際はどうでしょう。
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「このスイーツを食べたら太ってしまうかもしれないから今回は買うのを諦めよう」
「たしかに予算内でこのスイーツを買えるけど、今これを買うのを我慢して、貯金に回そう」
という考えになる時も当然ありますよね?
しかしこれらは、「合理的な選択」とは言えません。
なぜなら「人間の心理的な選択」になってしまっているからです。
しかしこの場合も、消費者が心理的な理由によって合理的な消費行動ができないことは仕方がないことなのです。
なぜなら、先ほど述べたように、
消費者は非合理な消費選択をすることがほとんどだからです。
行動経済学とは?
このように、「消費者の心理学」を考慮した学問は「行動経済学」と呼ばれています。
これまでの経済学は、全ての経済主体は合理的に消費、生産活動をするという学問でした。
しかし今では、行動経済学のような消費者や生産者の心理を考慮した学問が「経済学の世界」の主流になろうとしているのです。
僕はこの行動経済学に大変興味があり、勉強を進めています。
このケースのように、同じ「経済学」という枠組みの中にも、何通りもの考え方があります。
これは何も経済学に限ったことではなく、現実世界のありとあらゆる現象には、何通り、何十通りもの考え方が存在するのです。
そのような柔軟な思考を身につけることが、最終的に「自己の利益を最大化する選択」ができるようになる近道なのではないでしょうか。
今回の記事は以上です!
今回も読んでいただきありがとうございました😊
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