全部私が悪い
虐待サバイバーのゆうかです。
私たち4姉妹はが小学生の頃、よくヘアピンを使っていました。
そのヘアピンがどこかに落ちてたり、置き忘れていると、父の虐待のスイッチが入るんです。
「これは誰のだ!誰が置きっぱなしにした!!💢」と始まるわけです。ヘアピンに名前が書いてあるわけではないので、誰のものか分かるわけはないのです。
けれど、わかるまで父は私達を許してくれませんでした。暴言と暴力で私達を恐怖に陥れ、夜中になろうが、いつまでもいつまでも立たせっぱなしで解放してくれないのです。まるで拷問です。
洗面所に髪の毛が1本残っているときも、同じことになります。髪の毛はヘアピンよりも、誰ものかなんてわかるはずがありません。
それでも「誰のだ!」責め続けられるのです。まだ小さかった私達では、どうすることもできませんでした。いつまでも続く罵声と暴力の地獄の中で、私は考えました。
誰のものかわかれば、この地獄が終わるんだろうと。そして、私は意を決して「私のです!」と言ったのです。もちろん私のものかどうかは、わかりません。
しかも、私が犯人だということになれば、私が殴られることはわかっていました。それでも、この地獄を終わらせることだけを考えていました。私さえ我慢すれば、私が犠牲になれば、終わらせることができる、家族のためにもなると思ったんです。
犯人がわかれば、父は気が済むのです。もちろん何十発も殴られます。痛いと言わずに耐えます。自分が悪いことになってるので。
そうこうしているうちに、何か置き忘れがあると、父に「またゆうかか!💢」と言われるようになりました。姉妹たちもそう思っていたような気もします(確認はしていませんが)。父はとにかく、何かを置き忘れていることを異常に嫌いました。
私は、その場を終わらせたいから、嘘を言ってるということを姉妹にも母にも、誰にも言ったことはありませんでした。言ってしまっては意味がないと思ったのです。家族全員を騙さないと父はだませないと。
結果、私は家族を騙して、何でもかんでもひとりで引き受けすぎました。父が何かの犯人探しをしているときは、すぐに自分だと名乗ることにしたのです。私は殴られてもいいから、地獄のような時間を終わらせようと思いました。家族にとってそれが一番いいことだと思っていたのです。
やがて、私は本当に自分が悪いんだと、自分をも騙すようになってしまったんです。自分に嘘を付き続けた結果、本当に自分が犯人だと思うようになってしまったのです。
小学生の私には荷が重すぎたのかもしれません。
父が殴る原因も怒鳴る原因も、全てわたしのせいと、思い込むようになりました。私さえ我慢すれば済む、私が犠牲になれば済む…と強く思い込みすぎた結果でした。
その思考は大人になってからも続きました。その思考のせいで、私は後に様々なハラスメントを受けることになったのです。
その話はまた次の機会に。