趣味の世界はどこまでも
こんにちは、ゆのまると申します。
昨日こんなつぶやきをしたのですが、ちょうど電車での移動があったのもあり、夜には読み終わってしまいました。ほぼ一日で文庫一冊読み終わったのは、ずいぶん久しぶりな気がします。
『46番目の密室』は、それくらい読みやすく、解決編もすっきりしていて非常に満足な一冊でした。今作で登場した火村英生というキャラクター、思春期の頃に出会っていたらきっとべた惚れだったと思います。気だるげなのに頭が切れる、そんな天才が私は今も昔も大好きです。笑
そんな火村のワトソン役であるアリスも、だんだんいじらしく思えてきて。作家アリスシリーズはこれからも読んでいこうと思います。国名シリーズもね。
さて、私が手に取ったのは講談社文庫版でしたが、解説はなんと今まさにハマっている綾辻行人さん。これがまた、有栖川さんとの親密さを感じられる文章でとてもよかったです。
こうして好きな作家さんやジャンルができると、読みたい本が芋づる式に増えていきます。
解説にも出てくるエラリー・クイーンは教養として読まねばと思うし(恥ずかしながら触れたことがないのです)、火村とアリスを見ていると、昔読み漁ったホームズも懐かしくなります。ペンネームの「辻」をいただいた辻村深月さんもそろそろ気になってきたし、このあたりで気分転換に推理小説以外のものも読みたい気分。
言うなれば、とあるコンテンツを起点に、縦横ナナメに開拓し自分なりの地図を描いていくようなもので、これこそが趣味の醍醐味だと個人的には思います。
これは小説だけでなく、映画やアニメ、ゲームやお酒の世界でも同じです。何か気になるものを見つけたら、それと似たような、あるいはまったく真逆のものに触れてみる。なんとなく自分には合わず行き止まりになることもあれば、進んだ先で意外なところと道が繋がっていたりもします。また、時間や経験と共に感じ方も変わるものですから、「合わない」と思っていたものでも、また改めて触れてみることで見える世界が変わるなんてことも。
インターネットの海を漂っていると、「30歳を超える頃には、趣味の大部分はもう遊び尽くしたような気がして、次は子育てでもしようかという気分になる」なんて言説を見かけることがあります。どうやら、これまで楽しめていたことが楽しめなくなる、そんな時期がやってくるようです。
そんなことを言う人を見かけるたびに、私の中のやっかいなオタクが「この世の全ての小説を読んだのか? 手に入る全てのワインを飲んだのか?」と鼻息荒くまくし立ててきます。どうどう。
趣味(好きなこと)にどれだけ打ち込むのか。自分の手元にある地図をどこまで完成させるのか。それはあくまで人それぞれであり、他人が口を出す権利はありません。
けれど今の私にとっては、自分の前に広がる膨大な世界を前に、きらきら輝いて見えるものを一つずつ拾っては地図に書き込んでいく。そんな作業が楽しくてなりません。
さあ次は、どこへ進もうか。
自由気ままな趣味の旅は、まだまだ続きます。
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