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連載《教え子~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語~》

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塾講師の沢崎と、女子中学生の玉城彩子。 二人の間に淡くてほんのり苦い関係が生まれた。 講師と生徒の間柄を乗り越えて、二人の思いは結実するのか、しないのか。 じれったいが故のほろ苦…
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2020年2月の記事一覧

連載《教え子22~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》「自習」

連載《教え子22~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》「自習」

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入試対策講習も半ばを過ぎると、そろそろ過去問を大問題別に分類したテキスト(当然自作)を配らねばならない。
というのも、生徒たちは中学校の定期テストを受けながら塾の講習に参加しているわけで、まだ教科書を全て学習していない。
だから、塾としては入試対策と言いつつも内申点に関わる定期テストを見過ごすわけにはいかないわけで、前半は内申点対策と言って良い。
学校にもよるが、内申点に関わる定期

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連載《教え子21~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》「入試対策講習」

連載《教え子21~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》「入試対策講習」

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高校入試対策講習は、二学期中間テストが終わってすぐに始まる。
もちろん彩子は5科目とも90点台を超える結果を残した。
「玉城さん、ちょっと職員室に来てください」
塾長が彩子を呼んだ。彩子は少しだけ躊躇して俺の顔を見た。俺は(安心して)という表情で見返した。彩子は少しだけ安心した様子で中に入っていった。
「ねえ、玉城さん。あなたが受けているクラスのことなんだけどね」
「はい」
「もう

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連載《教え子20~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》「進路面談」

連載《教え子20~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》「進路面談」

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連載19から数ヶ月後。

最後の進路面談をする頃、彩子の学力は、まさに“うなぎのぼり”に上がって県内御三家を受験できるほどになった。
しかし、彼女の志望校は学区で三番手の霞ヶ丘高校。
偏差値で換算すると51。
目をつぶっても合格しちゃうような鳴かず飛ばずのどこがいいんだ。
保護者を交えた三者面談でなんとか説得を試みるも、
「まあ、ウチの子がそう言うのなら」と、お母さん。
「で、でも

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教え子 連載復活します

教え子 連載復活します

連載を中止すると言っておきながら再開するのは如何なものかと自分に言い聞かせておりましたが、
この度、やはり再開することにしました。
でも、今までのように定期的には更新できないと思います。

というわけで、更新されたら通知が来るようにしておいてくれると、嬉しいです(^o^)