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井上祐
2019年5月25日 19:44
前話はこちら駅のホームに電磁掲示される次の新宿方面は、三分後に急行が来て六分後に各停が来ることを示していた。彼女の最寄駅は各停の駅だったから、まだ少し余裕があった。これで少しは話ができる。それだのに、自分の気持ちを知られたくないから、「ちぇ、六分も待つんだって」と、裏腹な台詞を吐いてしまった。つい口をついて出た言葉に“へどがでる”ほど嫌気が刺すも、それすら感づかれたくない。だから、
2019年5月19日 10:14
前話はこちら俺はいかにも先生らしくあくまで生徒を送っていく体を装い、「じゃ、行こか」と言って、玉城へ目をやり、「じゃ、お先に失礼します」と言って、他の講師陣と塾長に軽く挨拶した。講師の中には俺たち二人を好奇な目で見たり、無関心に「おつかれさま」と言って明日の教材から目を離さずにいたりする者がいた。でも、俺にしてみれば彼ら全員が無言で「生徒との関係は御法度だぞ」と言っているようで、そ
2019年5月6日 14:29
前話はこちら18時台までは晴天だったのに、今日に限って急に雨がザンザン降りになった。授業が終わっても降り続けているため、近くに住んでいる生徒は親御さんに迎えにきてもらって、自転車は敷地に置きっぱなしにすることになった。でも、男子はむしろ雨の中を自転車で帰ることが楽しいらしく、ワアワア言いながら帰って行った。俺の最後のクラスは生徒数が12名で7名が男子だった。残り5名の女子に玉城がいた。彼