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過干渉な母親のいる実家から出てひとり暮らしをしたことで得た幸せ


私の母は娘を溺愛している。


特に私は長女で、幼いころから
「あれはダメ、これはダメ」
と厳しくしつけられた。


そのため、常に母親の顔色を伺う「表面上はイイ子」に育った。


妹はそんな私の姿を見て学んだからなのか、母の機嫌を損ねないよう要領よく過ごしていた。


私は学生の頃から洗い物や料理・買い物など家事全般の手伝いをしていたが、妹は全然やらなかった。


母に「妹にも家事やらせなよ。私ばっかりやってずるい」と言ったことがあったのだが、「お姉ちゃんなんだからやりなさい」と言われた。


母に言わせると、妹は繊細でガラスのハートの持ち主。キツイことを言ったらどうなるか分からないでしょ?


その点あんたはちょっと位強く言ってもなにも気にしないじゃない。
お姉ちゃんなんだからお母さんを助けてよ。

という理屈。

私は、自分の食べたものくらいは洗おうと思うし、お母さんにいつもあれこれと指示されて、とても嫌な気持ちになっていた。


でもお母さんの愚痴を聞いてあげると嬉しそうだし、悩みを聞いてあげることで慰められると思ってたから我慢してるだけ。


お母さんに怒られたり、キツイこと言われて傷ついてるけど、そこで嫌な顔をしたらお母さんが傷つくと思うから言わないだけ。


「何言っても傷つかないよ」

「そんなこと言われても動じないよ」


というフリをしてるだけで、まるで鉄の鎧をまとったロボットのように強く見せているだけなのに。


本当は、とっても傷ついてるよ。

妹は、私が怒られていても何のフォローもないし、むしろ母と一緒に「お姉ちゃんひどいね」という。
そして、お母さんの機嫌の悪いときはすぐどこかへ逃げてしまう。


お母さんが具合悪いとき、家事を誰がするかについても私がやるのが当たり前、という口調で「おねがい」と言うだけ。



そっちのほうがよほど図太いと思うんだけど?
どこがガラスのハートなのだろうか。


こんな生活を20歳までしてきた。


私は、高校生の時から家を出たくて仕方なかった。
本当は、東京の大学へ行き一人暮らしをしたかったが、母親が猛反対をして、
「家から通える範囲の学校でないとダメ!!!!」
と言ったため、夢は途絶えた。


ちなみに家にお金がなかったわけではなく、ただ、母が寂しかっただけだった。


さらに、家を出て変な男と知り合って、その男が犯罪者で自分が殺されるかもしれないという謎の妄想もしており、とにかく絶対に母は私が家を出ることは認めなかった。

高校生のとき、お小遣い稼ぎも兼ねてバイトもしてみたかったが、
「変な人と知り合ったら困る」
という理由で反対された。


また、友達と旅行に行きたくても、
「大人になって一人前になってからしなさい。あんたはこれからたくさん時間があるんだから。成人してから旅行にいきなさい」
と、また謎の理屈で言いくるめられてしまった。


そのため高校までの青春の思い出は特になく、「ひたすら我慢していた」という黒歴史でしかない。


家から通える短大で資格を得たあと、絶対自宅から通えない地域の田舎の病院に就職した。


やっと念願の一人暮らしができる!!!!


やっとうるさい親から離れられる!!
とても嬉しかった。


親は、過干渉だが世話焼きでもあるので、引っ越しの費用や家具のほとんどのお金を援助してもらった。


でも、新卒で入った会社で酷いパワハラ・モラハラに遭い、摂食障害となってしまったため1年足らずで辞めてしまった・・。


それでも、別の仕事を探そうとしたが、メンタルがやられてしまい実家へ戻ることに。


母親は言った。
「ほらやっぱりダメだったでしょう。あんたに一人暮らしは無理なんだよ」


自分の未熟さにますます自信を喪失してしまったが、その後地元で働き、良い人間関係を構築できたおかげで段々自分に自信がついてきた。


相変わらず実家に住んでいると厳しい門限があり、当時付き合ってた人とも遅くても22時までには帰らなきゃいけないと言われていた。


それ以前に、
「あんたはまだ一人前じゃないんだから、男性とお付き合いしたいなんてダメ!」
と言われた。


もう20代すぎていたのに。
まだ一人前じゃないの?


実家暮らしだから?
非正規の仕事を転々としているから?


私は、自分を認めてほしいと思い始めた。


それから数年が経ち、仕事が落ち着いてきたころ、また一人暮らしをしたいと思った。


母は予想通り猛反対をしてきた。
「あんた、前も一人暮らしするっていって結局ダメだったじゃないの!!また失敗するよ!失敗してこっちに迷惑かけないで!!」
と言ってきて、自信を喪失させた。


何度か、母の言い分で自分の心が折れた。


母が安心するように、
「そうだよね。また失敗するよね。心配かけてごめんね。結婚もできないし、一人暮らししても無駄だよね」と言った。そういうと、母はとても安心したようだった。


母は、娘に老後の自分の面倒を見てほしいと思っており、そのために自分のそばにいてほしいという想いもあるようだ。


それでも、私は心の奥で、
「このままの自分じゃダメだ」
と思っていた。


何度目かの心の挫折を経て、正社員になって1年経ったとき、一人暮らしをすることを自分の心の中で決めた。


私は、それまで母の機嫌を伺って生きてきた。
周りに、「イイ子」と思われたくて、逆らわないで生きてきた。


でも、本当にそれでいいのか?


同時期に婚活もやっており、惨敗していた私はひどく落ち込んでいた。


そして、この落ち込みから抜け出すために「自己肯定感を上げたい」と強く思っていた。


そのため、やってみたいと思うことはかたっぱしからやってみた。


好きな漫画を見たり、絵を描いたり。ゲームをしたり、手芸をしたり。正社員になれていたので、友達と旅行にいくのも反対されなくなり、行くようになっていた。
とても楽しかった。


これまで、母に
「あんたが一人でできるわけないじゃない。失敗したら大変だよ、私のいうようにしてれば間違いないよ」
と言われコントロールされ続けてきた。


でも、自分で計画を立てて旅行に行ったり、自分の好きなものを買ったりすることがとても楽しいことにやっと気づいたのだ。


もっと、自分がしてみたいことをやりたい。


それは、一人暮らしだ。


一度失敗したけど、30代になった今、仕事も一定の収入が得れるようになったしできるんじゃないかと思っていた。


2度目の一人暮らしの準備の際は、親に言わず全て自分一人で決めた。


物件探しも、家具の準備も全て進めて「内見」をする際に初めて母に伝えた。


母は猛反対していたが全て自分で決めたし、失敗しても実家にはもう戻らないと伝えたことで、「勝手にしたら」といわれた。


「また戻りたいといってきても何も世話しないからね!」と言われたが、覚悟の上だ。


そして、何度も1度目の一人暮らしの失敗についてネチネチ言われたが、大人スルーした。


2度目の一人暮らしは想像以上に快適だった!!


内装を自分の好きなインテリアに変え、お気に入りのカーテンやグリーン、アロマの香りがするお部屋に帰るのが楽しみで、とてもリラックスできた。


思う存分ネット動画を楽しむことができるし、料理も好きなものを自由につくれる。友達も呼び放題だ。


実家にいたときは、空いている時間は全て母に頼まれた用事を済ませたり、母に言われた場所に車で連れてっていたので自分の時間が殆ど取れなかった。


家の中も雑多で、母は片付けが苦手なので部屋もごちゃごちゃだった。いつも落ち着かない気持ちだった。


自分の好きなペースで心静かに暮らせることがこんなに快適だったとは・・・。
幸せを自分の力で得ることができたことに心から感動した。


一人暮らしの時も母からしょっちゅう用事を申し付けられるが、実家にいたときよりはだいぶマシだ!


私はこれまでの人生の中でのターニングポイントは「自分で一人暮らしを決めたこと」だと思っている。


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過干渉で支配的な親がストレスで辛いと思っている方。


実家から離れて、ひとり暮らしをしてみてください。
一人暮らしは何もかも自分で決めて行動することになるので、それだけ選択肢が増えるようになります。


今まで親に決められてきて育った人は、正しい選択ができるか、不安になる人もいるでしょう。


私もわからないことだらけだったので自分で沢山調べたり、人に聞いたりして選択できるようになりました。時に間違いながらも、修正してまた選択しなおしたり。


そのようにして自分で決めることが増えるたびに、「自己肯定感が高まった」という実感があります。


たとえば、スーパーで今日のおかずを考えて卵、魚、野菜を選んでいるときも気分がよくなりました。


自分の人生なんだから、自由に選んでいいのです。


現在は実家から上手く距離をとって過ごせるようになりました。


過干渉だった親の気持ちも、「心配だったんだな」とか「それだけ大事に思ってくれてたんだな」と客観的に考えることができるようになりました。


過干渉な親に悩んでいる方、実家を出てひとり暮らしをしてみることをおすすめします。


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