【ドリルを売るには穴を売れ】が一番効くのはクロスセル!
通販系マーケッターなら、「ドリルを売るなら穴を売れ」の考え方を使って、クロスセル売上を大きくすることができるよ!というコラムです。
前作はこちら▼
ムズいと言ったきり使い方を提示していなったので、今回のnoteで使い方の例を。(メルマガの件名で語っています)
[おさらい]ドリルを売るなら穴を売れがなぜ難しいか
商品企画でも販促でも、顧客に対して強く伝えるのは、「ドリル」じゃなくて、ドリルを使って開ける「穴」の方だよ!ってのが元々の話です。
顧客はドリルが欲しいのではない、穴をあけたいのだ。なんなら、穴をあけて何かを作りたいのだ。そしてその何かを使って叶えたい本当の望みは・・・みたいな。
手段を提供するのではなく、「穴の先にある」本質的な欲求を見極めてそこを刺激しろ、と。
例として挙げていたのはこういうやつね!
ドリル:お取り寄せグルメ
穴:美味しい
穴の先にあるもの:孫に会える
ドリル:化粧品
穴:シミシワに効果がある
穴の先にあるもの:同窓会でちやほやされる(ありきたり)
ドリル:耐震補強(免震)
穴:家が地震に強くなる
穴の先にあるもの:子供が大きくなるまで同じ家で過ごせる幸せ
なぜ【ドリルを売るには穴を売れ】が一番効くのはクロスセルなのか
まず先に、クロスセルのあるあるな「メルマガの件名」を書いてみますね~!その方が後半の理解が早いと思いますので。こんな感じです。
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ではなぜ、クロスセルにおいては【ドリルを売るには穴を売れ】が一番効くと私が考えるのか。大きな理由は以下の2つです。
:自社の顧客リストに配信できるため、件名を見せるためのインプレッションコストがとにかく安い(新規向けの一般広告と比べるまでもないです)
クロス向けのメルマガ件名などについては、新規向けの広告キャッチコピーなどと違って、まだまだレベルが高まっておらず、改善の余地が大きい
特にインプレッションコストについては、「商品について特に何の興味も持っていない人」に対して、ほとんどゼロ円みたいな費用でメルマガを配信できてしまうのです。これはすごいことです。自社リストの強みですね。
実際、上に書いた件名のメルマガが「私」に届いていますから、おそらくあまりセグメントを細かくしていない、一斉メールに近いものかと思われます。いやマジで、全く興味が無いです。男性だし。
既存顧客向けのクロスセルって、こんな事(興味がない人に大量のインプを送る)ができてしまうんですよ!!
ドリル売場に来てすら居ない人に「ドリル」を売っている
前回のnoteでもお伝えしていましたが、顧客にドリルを売るには、「ドリル売場に来た」状態で販促しても、泥沼レッドオーシャンなんですよ。したがって、本来考えるべきは、
欲求に対して予想外の解決方法の提案(孫に会いたいを、グルメで解決)
予想外のタイミングでの提案(違う売場とか)
つまり、売場にそもそも来ていない人、興味関心がほとんどない人を振り向かせて、一気に買ってもらう必要があるわけです。それに対しても、既存向けのクロスセルでは、「違う売場」条件が最初から満たされている訳なのです。別に「ドリル」探してないですもの。
では、前に例示したメルマガをちょっと私なりに解析してみます。
上記のように、メルマガの件名って面白いですよね~!ドリルとか、穴とか、穴の先にあるものを全然考えていないようなものも見受けられますよね!もう、ド正面から「ドリル」を売っている。
多くの既存顧客向けのクロスセルって、ドリル売場に来てすら居ない人に、「穴」より「ドリル」を売っちゃっているんです。もちろん「穴」を売っている訴求もあるのですが、「穴の先にあるもの」が全く伝わらないニュアンスですね。
メルマガの件名には「穴」と「ドリル」の両方を入れよう!
となると、クロスセルにおいてゴリゴリのセールスレターを送ってくださる、Kの快適工房さんのメルマガの件名はどうなっているでしょうか。
使えばアレのストレスが激減。全く新しいヘアミルク誕生。
【○○様にお伝えしたいことがございます。】
【薄毛】男達よ。これを見ずに後悔しないか?
・・・お、おう。
上のメールは「穴」と「ドリル」を両方提示しています。私が好きな考え方で、なかなか良いと思います。まぁ「アレ」のストレスが激減、ってやつの「アレ」がなんなのか分からないのがある意味、Kの快適工房さんにおいては、CTRを高めるコツなんでしょう。
メルマガの件名には「穴」と「ドリル」の両方を入れよう!
ただ、2番目「【○○様にお伝えしたいことがございます。】」についてはもはや、ドリルも穴も何も訴求していない件名です。(もちろんABテストでそういうのが私にたまたま当たった可能性はあります)
3番目「【薄毛】男達よ。これを見ずに後悔しないか?」については、「穴の先にあるもの」を想像させる、一歩踏み込んだ内容の件名になっていますね!
もっともっと、分かりやすい事例はないでしょうか?
と言うことで、架空のメルマガ件名を産み出してみましょう!テーマは、ジャパネットたかたのお取り寄せグルメのツイート。お取り寄せグルメを「孫に会える」という切り口で売るやつです。
この事例を使って、実際のメルマガ件名を考えてみましょう!
「ドリル」「穴」「穴の先にあるもの」を満たすメルマガ件名はこれだ
一つの件名に、ドリルと穴を入れたものは見かけますが、ここにさらに「穴の先にあるもの」を入れた件名は、果たして作れるのでしょうか?
ドリル:お取り寄せグルメ
穴:美味しい
穴の先にあるもの:孫に会える
こちらを参考に産み出してみます!
「孫たちが毎月来てくれるようになった」のは、お取り寄せグルメが人生最高クラスで美味しかったから
長い。でもそういうことよね。書いていて思いましたが、「穴の先にあるもの」はできるだけ前半で提示する方が良いでしょう。LPと同じですね。理想提示。
娘が今月も孫を連れてきた!ウチの「お取り寄せグルメ」が激ウマだから
少し短くなりました。このくらいが良い落とし所か?
孫が毎月「おばあちゃんち行きたい!」と言い始めた理由は○○だった
最後に「ドリル」も「穴」もカットしてみました。こうなってくると完全にクリック数優先で、お取り寄せグルメには全く興味がない人も、思わずメールを開きそうですね!
よく見ると、どんどん新規向け広告の記事LP誘導バナーに近づいてきますよね!そうなんです。冒頭で「改善の余地が大きい」と書いたのは、ご覧の通り、新規向け広告に比べるとマーケティングの深さがまだ浅いところで止まっているものが多いからです。
なお、私は件名には「ドリル」まで入れる方が好きではあります。確かにCTRは「ドリル」を入れない方がたぶん高いのですが、その「ドリル」に一切興味がない人にとっては、結構がっかりした気持ちになってしまうからです。
既存顧客のリストは、嫌われたら価値が失われてしまうリストであって、半永久的に新規顧客に訴求できるだけの広告在庫がある、新規向け広告とは違うんです。皆さんも、そこは意識していただく方が良いかな、と私は思います。
まとめ
クロスセルでは自社の顧客リストに配信できるため、件名を見せるためのインプレッションコストがとにかく安い
既存向けのクロスセルでは、ドリルを売るなら穴を売れが成立する条件の一つ、「違う売場」条件が最初から満たされている
多くの既存顧客向けのクロスセルって、ドリル売場に来てすら居ない人に、「ドリル」を売っている(ダメよ!って意図)
メルマガの件名には「穴」と「ドリル」の両方を入れよう!
「ドリル」も「穴」もカットした「穴の先にあるもの」だけのメルマガが最もCTRが高いと思われる
ただし既存顧客のリストは、嫌われたら価値が失われてしまうリストなので、やり過ぎは禁物である
というわけで。【ドリルを売るには穴を売れ】が一番効くのはクロスセル!というnoteでした。
完
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