【日記】左利き専用のお寿司!?
お久しぶりです。田中です。
ふと思ったのですが、左利きって形見が狭くないですか?
日常生活でも、何かと不便で苦労した経験があるはずです。
そうしたことに配慮してくれると、やはり嬉しいものです。
今回は、そんな左利きの方がちょっぴり嬉しい気持ちになれるような話です。
先日、友人とお寿司屋に行ったときのことです。
いつも満員になるほど、美味しくて人気のお寿司屋です。
席につくなり、二人とも注文するメニューは決まっていました。
人気の「お寿司8貫盛りセット」。
お寿司と赤だし、小鉢、さらに食後のプリン、コーヒーが付いて780円。
値段だけでも人気の理由がわかります。
朝から水揚げされた魚を直接仕入れて、調理します。
もちろん、職人さんが目の前で握るお寿司は保証付きの味です。
そしていよいよ、注文した料理が近づいてきました。
待ちきれない僕たちは、すでに箸を持った状態です。
行儀が悪いのを承知の上で、既にスタンバイモードに入っていました。
テーブルに料理が並べられ、さあ食べようとしたその時。
「あっ!すみません。まちがえました!」
そう言うと、店員さんがあわててトレーに戻しました。
一瞬の出来事で、何が起こったのかわかりませんでしたが、どうやら戻していったのは友人の料理だけのようです。
それにしてもおかしい……
料理は間違いなく「お寿司8貫盛りセット」でした。
セット内容の赤だし、小鉢もきちんとありました。
特に間違いや忘れ物があったとは思いません。
不可解な出来事を考察しているうちに、再び料理がやってきました。
「お待たせしました。こっちのお客さん用ね。」
子供を慣れた口調で諭すように、店員さんが言います。
そして、僕たちはもう一度驚きました。
(何も変わっていない?こっちのお客さん用?)
一見、最初の料理と何一つ変わらない様子です。
なぜ一度戻したのか?
答えがわからないままでしたが、数分の「おあずけ」のせいもあり、特に考えることもなく食事をすることにしました。
しかし、間違い探しの答えは箸をのばした途端にわかりました。
ただ、お寿司が反転しているだけでした。
お寿司の並びを変えるためだけに、一度料理を戻したようです。
それを見てすぐに理解しました。
友人は左利きだったのです。
通常、左利きがお寿司を食べるとき、箸が入らず食べにくいのです。
それを店員さんたちは理解していました。
ついうっかり、いつもどおりに盛り付けてしまった料理を戻したのです。
そして再び出てきたのが、「左利き専用のお寿司」だったわけです。
小さな行動を見逃さず、お客様のニーズに答えるヒントにする。
店員さんの観察力に驚きましたが、そこに配慮したおもてなし精神に感動です。
もちろん料理も美味しく、一つ残らずいただきました。
味とおもてなしに大満足し、僕たちは帰りました。
帰り道、二人とも「またこのお寿司屋に来たい」気持ちでいっぱいでした。
このお寿司屋の人気の理由がわかった瞬間です。
昔の飲食業でも今のライター業でも、お客様がいる限りニーズに答えることは大切です。
小さなニーズを見つけ、答えられることが人気であり続ける秘訣です。
僕もこのお寿司屋のように、お客様のニーズを見つけられる観察力を持ちたいです。
誰かの「専用」を提供できるような人間になりたいと思いながら。
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