手でつくること。無駄にしないこと。
個展4日目が終わりました。ちょうど会期の半分。
まだ終わってないけど、今回個展をやって本当に良かったと思っている。
自分の手で作ったものでみんなが喜んでくれることが、こんなにも自分の喜びに繋がるのだということを毎日実感できたから。
大先輩の靴デザイナーの友人が「展示会はみんなに褒めてもらえる、ボーナスタイムだからね」と言っていて、まさにその通りだなと思う。
「きれいだね」「素敵だね」「え!これも作ったの!?」見てくれたみなさんの反応が、嬉しそうにどれにしようか悩む姿が、「これにします!」とお買い上げくださった笑顔が、また僕をかたちづくり、そして強くしてくれました。
この4日間でご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
会社員をやっていたら、今回の個展は出来なかったと思う。
それは使える時間もそうだし、一番は覚悟の部分で。
会社員としての収入があったら、きっとまた逃げてしまってやり抜けなかったと思う。
退路を断って、やりたくないことはやらないと決めて、その代わり家族と自分のためにはなんでもやってやると腹をくくることが出来た。
個展の準備、特にハンガーラックとハンガー作成で何日も寝られなかったけど、全部自分のためと思ったらなにも苦にならなかった。
今回の個展の雰囲気づくりは、手織ストールもそうだがこの手づくり什器がとても良い影響を与えてくれていると思う。
尊敬する写真家のワタナベアニさんが、岡田准一さんのラジオGROWING REEDに出演され「生きるって何ですかね?」と唐突に聞かれたとき、少し間をあけてこう応えていた。
「無駄にしないこと、ですかね。英語で才能のことをgiftと言うでしょう。その与えられたギフトを無駄にしないことです。生きているうちはサボらずに、無駄にせずに。」
今、この言葉の意味がやっと分かった気がする。
僕はずっとずっと、自分自身をぜんぶ使い切って死にたいと思っていた。
その方法が、今回の個展を通してやっと分かったのだ。
自分の手で作り出したもので、作り出した音楽で、家族と身の回りの人たちを幸せにしたい。そしてまだ見ぬ人たちへ、その幸せを届けたい。
自分のやりたいこと、やるべきことがはっきりと分かった。
もう大丈夫。迷いはない。あとは、やり抜くだけだ。
個展が終わったような物言いだけど(笑)、11/27(土)まで開催しています。
今までのぼくの集大成、そして新たなぼくのスタート地点。
ぜひ、見届けてくださると嬉しいです。
手織と暮らし展「ぼくをつくっているもの」
会場でお待ちしております。