本能に対抗するためのお金?- 英語学習
海外に住んでいることもあり、どうすれば英語がもっと上達するのか、何が最適な方法なのか、ということを考えることが増えた。そこで、日本にある英語関連のサービスを見ることもあるのだが、最近流行りのサービスといえば「プログリット」ではないだろうか。
HPによると、「プログリット」が提供しているのは「英語コーチング」サービスで、英会話スクールのように社内の講師が英語を教えるというものではなく、受講者の英語学習の伴走者となる「コンサルタント」が一人一人についてくれ、24時間体制のサービスでサポートしてくれるらしい。
ここまでは、新しい英語学習の形だなと感じただけだったのだが、このサービスの料金をみて驚いた。3ヶ月だと約50万円、6ヶ月だと約100万円だそうだ。「ええ、そんなのアリ?」と思ったが、この料金を払ってサービスを利用する人もしっかりいるのも事実だ。
私は、何がこの金額を妥当だと思わせるのかについて興味が湧いた。
結論から言うと、「人間の本能的な行動を抑制してくれる」というサービスに価値があるのだろうと思う。
そもそも、人間は社会的な生き物として街を作ったり、言葉を話すなど、他の動物たちと一線を画すところがあるが、それでも我々の本能はもっと野性的なもので、人間の歴史の進展とともに変化したとは言いづらい。つまり、食欲のような原始的なものから、楽をしたい、楽しく過ごしたい、一人になりたくない等々の様々な感情が我々の行動決定において大きな割合を占めていたりする。一方で、何かを決定する際に、こうした本能的な部分を排除することはほぼ不可能といっていいだろう。
そこで、人間が直面する問題は、「社会的動物として理性や論理を使って考えたことを達成するには、本能的な部分を攻略する必要がある」ということだ。頭では分かっているけどできない、という現象はまさにこの本能をクリアできなかったということだろう。
英語学習の話に戻ろう。日本では英語の必要性が叫ばれて長いが、同時に実用的に英語を使いこなせる人が少ないという事実も変わっていない。学校でも英語学習のウエイトは増えているし、巷には英会話や様々な勉強法など、論理的に上手くいきそうなサービスもこんなに溢れているのに、どうして英語が上達しないのだろうか。
私は数年間というスパンで「長期間の継続」さえできれば、英語は確実に上達するものだと感じている。ただ、継続する上で「楽をしたい」という人間の本能が邪魔をする。「ちょっと続けたけど効果が出ないから、これは意味がない」、「今日は時間がないからやらなくてもいい」と自分自身を納得させるための「論理的」な言い訳を考えて、楽な方に流れてしまう。ここを乗り越えられず、実際に多くの人が失敗する。
ところがこのプログリットというサービスでは、コンサルタントが「毎日」連絡をしてきて、進捗を確認されるそうだ。加えて定期的に成長を測るテストも行い、続けることが半ば強制されている環境だ。結果的には、気持ちとしてはイヤイヤやっていたとしても、多くの人が超えられない「楽をしたい」というハードルを、勝手に越えられる状態なのだろう(最初はできない言い訳も考えるが、それをいちいちコンサルタントに説明して納得してもらうよりも、黙って継続した方が簡単だ、と思うのかもしれない)。
また人間は単純なもので、ちょっと目に見えて結果が出ると「意外と向いているかも」といって、その後は特に苦しさを感じることもなく継続できたりもする。自転車を漕ぐのと同じように、漕ぎ始めが最も重く、一旦スタートすればあとはスイスイいけるものだろう。
正直、50万や100万という価格が妥当かどうかはわからない。営利企業である限り、利益を最大化したいのは当然で、高すぎると思う人もいるだろうが、この「本能に抗う」サポートをしてくれることの価値、そこに係るコストが反映された結果の数字なのだろう。
※プログリットの宣伝のようになりましたが、特に意図した訳ではありません(笑)
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〈以下、私の想い〉
私は金融機関で働く者として毎日相場を見ています。
今年は強烈な円安と、日本株の上昇が顕著だったと思います。ただ日本株が買われた理由としては、円安によって海外投資家から見たときに割安に見えたからと言われています。つまり、日本経済の成長を期待したわけではなく、単に割安だから買ったというわけです。
私はこの一件で、日本経済がこのままだとヤバイと危機感を覚えました。そこで、私の持っている投資に関する知識を使って、日本の人たちがもっと投資に興味を持てるような活動をしたい、と当初考えました。
ただ、よく考えると、今日本の人たちがより必要としているのはそうした投資の知識ではなく、持っているお金をどう使って何を成し遂げたいか、ということを考える機会なのではないかと思いました。
お金と向き合うことがなんとなくタブー視されるこの国で、目的を持ってお金を使い、自分の人生にもっと意味を見いだすことができれば、もっと皆が楽しく暮らせるのではないかと。そうして人々が活性化すれば経済にも波及するはずだ、と思っています。
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