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Photo by
noriaki_wada
詩「独楽」
わたしは独楽だ
スローモーションで
くるくる回る独楽だ
だれが回してくれたか知らないが
ともかくこうして動いている
もう回転のピークは過ぎて
あとは緩やかに止まるのを待つだけ
少し傾いて
くらくらと揺れていて
いつかは脚元から滑って転ぶだろう
独楽は自分では回れないし
その突端は
回るたびにみるみる擦り減っていく
だれかがもう一度回してくれたらいいのに
上から大きな手が降りてきて
わたしを摘まんで
またあの楽しい時間を与えてくれたらいいのに
でも考えると
誰もが独楽で
それぞれの場所で回っている
ぶつかりそうになっては
ブレーキをかけられて
それがきっかけで
自分の姿に気がつくんだ
わたしは独楽だ
もう少しだけ回ってみよう