気ままな鑑賞エクササイズ#27 ラファエロ「小椅子の聖母」
1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。
<ルール3.0>
・作品を3分鑑賞して気づいたことを話し、文字起こしします。
・その後15分を目安に、書籍やネットで調べます。
・再度作品を3分よく見ます。
・5分て調査の結果や、改めて気づいたことを話し、文字起こしします。
・30分を目標に記事を編集します。
・上記の作業を1時間で完成させ、毎日続けます。
(2021.9.改定)
では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら
・3分の鑑賞で気づいたこと
丸い画面がすごく特徴的な絵ですね。お母さんが子供を抱いていて、後ろにもうひとりいるのは・・子供っぽいんですけど、頭に輪っかが見えたりとか十字架も見えるのでこれは天使とかなんでしょうか・・
お母さんの服が赤と青なので、これはおそらくマリアさんでしょうね。この前ダヴィンチの聖アンナと聖母子を見たときとほとんど一緒の服っぽい感じで、色合いとかもちょっと似てますね。暗いブルーの感じで、ラピスラズリとかのすごく濃い青じゃない感じの・・
お母さんとすごく目が合います。抱かれてる子供さんは、ちょっと違う方向を見ていて、特に左目に光がパッと当たっているって言うのが、ここになんか目が行くような感じなのかなーっていうところがあったりしますね。
お母さんの羽織っているスカーフみたいなのが、すごく細かい模様があって、もしかしたら国とか民族とか、そういうものを表しているのかなみたいな感じがします。
あ、お母さんにも頭に輪っかがありますね。赤ちゃんには輪っかみたいなのはこの画像では見えないんですけど、なんか金の光がちょっと頭からはみ出てると言うか、ピッピッピッて後頭部と後耳の右側とかに少しそういうのが見えますね。光を放っているっていう感じかな・・
すごく赤ちゃんぷにぷにもしてるんですが、所々この関節のところとか、ちょっとごつい感じと言うか・・肘なんか結構で重量感ありそうな感じですね。
あとはこの左側に写ってる柱みたいな小道具・・瓶にも見えますけど、これは何ですかね・・すごく意味深なのでアトリビュートなのか、寓意的なものなのか・・誰かを象徴するものなんでしょうか・・あんまり見たことない形で・・なんかベッドとかの隅の柱みたいにも見えますが・・
そして天使は手を合わせて祈ってますが、どこを見てるのかな・・マリアの方というよりは、もっと後頭部の方を見てるような気もするんですよね・・なんかこの前の聖母子像とかで時間軸の話があったので、過去とか未来とかそういうものを見てたりとかもするのかなぁみたいな感じがします・・
・作品作家について
ラファエロ・サンティ
「小椅子の聖母」1513年 - 1514年頃
盛期ルネサンスの画家ラファエロ・サンティが、1513年から1514年ごろに描いた絵画。幼児キリストを抱きしめる聖母マリアと、2人を敬虔な表情で見つめる幼児洗礼者聖ヨハネが描かれている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%A4%85%E5%AD%90%E3%81%AE%E8%81%96%E6%AF%8D?uselang=ja
・さらに5分の鑑賞で考えたこと
これは椅子に座ってる姿なんですね。「小椅子の聖母」っていう題名にあるみたいで・・だから椅子の肘掛けと言うかその柱が、左の方に見えてたやつなんですね。
というわけで、この青の部分っていうのは、お母さんの膝なんですねで。子供さんを抱きかかえているという感じで。実際のポーズからするとすごく無理があるポーズですよね・・思いっきりこうあの膝を上げないとこんな形にならないんですけど、画面上の効果的にはそういう風にしてあると思うと・・
なんかそう思うと、より子供をぎゅっと抱き寄せてるような感じに見えたりとか・・まあそれは丸い画面っていうのもあると思うんですけど、こう大事なものを守っている感じがすごく強くなるな〜っていう風に思いました。
ただ、このマリアさんは・・聖母子像は何枚か今までこのエクササイズで見てきたんですけど、その中で描かれているマリアさんよりかなり若いと言うか・・そういう感じがしますね。母性っていう感じはポーズからはするんですけれども、何かこうちょっと顔は普通に若い女の子っぽくて・・
で、作者のラファエロの恋人がモデルだったんじゃないかって言われていて、そんな風に言われるような感覚が確かにあるかなって・・マリアっていうものが持ってる母性的なものって言うよりは、普通に若くて綺麗なお姉さんぽい感じがするなっていう風に思いました。
あとはあれですね、天使かと思っていた人は聖ヨハネというキリストに洗礼を与える人みたいですね。金の輪がマリアとヨハネには描かれてるんですけども、そういえばこの輪っかの描き方ってあのカラヴァッジオの「聖マタイの召命」とかのキリストにもこういう描き方で出てきて・・
本来はジョットの聖母子像みたいにあったように、塗りつぶしたような丸い円盤みたいなのを背負ってるみたいなんですけど、それではちょっとリアリティがないなっていうことで、こういう形にしてあるそうです。
確かにあの塗りつぶした円盤だと、この絵にはちょっとそぐわないかなっていう感じはしますよね。そういう違いがあるんですね・・
僕この前の高橋由一の鮭もそうでしたけど、あんまり色のことに気づかないことが多いなと思って・・この絵には三原色がばっちり使われていて・・マリアさんの赤と青にキリストが来ている服が黄色で、そこに三原色がバシッとあって、さらにこう肩掛けの緑でこうマリアの上着の赤と補色になってるみたいな・・
そういう豊かな色彩みたいなのがはっきりと現れてる絵なのに、あんまりそこは最初の鑑賞で言及しなかったなっていうのは・・ちょっと僕そういうところはあんまりを重視してないのかなぁみたいなのは、自分で少し思ったりしました。
マリアの上着は赤でマントが青っていうのは、ルールとして決まってるらしいんですけど、ただそのルール通りに服を着てしまうと、青いマントの下の赤い服が見えにくくて、うまく青と赤の綺麗な色合い出せないっていうところがあるので、
色んな画家が服の着崩し方みたいなのを工夫しているっていう風に書いてあって・・この絵もだからそのマントを肩から降ろして腰に巻いてる?膝にかけてるって言う解釈なのかな?そういういろんな工夫が聖母子像にはあるらしいです。
わざとマントを胸のところだけ開け下の赤いのを見せたりとか、確かにそれを聞くと今まで見てきたものにもそんな工夫があったのかなっていうのは、振り返って思いました。
あなたにはどう見えましたか?
また次回!
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