運動音痴な娘の運動会と私の猛省 #12
我が子の小学校は、今日が運動会でした。
私は昔から運動が苦手ではなかった。
運動会も好きだった。
対して、うちの娘は昔から運動が大の苦手。
苦手に加え、3月生まれという追い討ち。
身長はクラスで一番小さい。
小5の娘が幼稚園の年少の頃から、徒競走でビリ以外の結果を見たことがなかった。
娘の個性だと頭では理解しているものの、毎週末サッカーや野球の応援に忙しいママたち、リレー選手として活躍する我が子を応援するママたちを、羨ましく思ったことがある。
いや、正直何度も何度もある。
個性とはいえ、私だって活躍する我が子を見たいのだ。
今年も運動会の季節がやってきた。
運動が苦手な子にとっては、「運動会は苦行でしかなかった」なんて声をちらほら耳にすることもある。
その度に、うちの娘に当てはめて、気の毒に思っていた。
今年、運動会の練習が始まるときになって、娘が言った。
「私、応援団に立候補するの!」
ん?応援団?
応援団って、運動が得意な子や、俗に言う一軍男子と一軍女子がやるイメージを持っていた。
しかも応援団になりたい子は山ほどいて、応援団になれるのはほんの数人。
選抜オーディションがあるとのこと。
利発な子たちが毎年やっている印象。
割と大人しめ&運動が大の苦手な娘…
「オーディション頑張ってね!」と応援したものの、きっと難しいだろうと思っていた。
オーディションでは、どうして応援団になりたいと思ったのか、みんなの前で発表するらしい。
声の大きさや、ハキハキしているかどうか、あとは熱意を見るのだとか。
オーディションがあった日、娘は学校から帰ってきて
「頑張ったけど、落ちたっぽい。
結果の発表は明日なんだけど。」
いいよいいよ!
やろうと思った志が素晴らしいよ!
心からそう思って、娘にもそう伝えた。
翌日、「応援団に受かった!」と娘が大喜びで帰ってきた。
落ちると思っていたのでびっくり。
「応援団になりたい理由、何て言ったの?」
と訊ねると、
私は運動が苦手なので、
応援という形でみんなの力になりたいです。
応援団になったら、誰よりも大きな声で
競技中の仲間を応援します。
私が猛省したのは言うまでもない。
運動が苦手な娘にとって、運動会なんて苦行に違いないと勝手に決めつけていた私。
でも娘は、運動以外で自分が貢献できることを探し、応援団に立候補という形でしっかり行動していたのだ。
朝はいつもギリギリの時間に登校し、中休みは毎日図書室に通っていた娘が、今日の運動会当日まで、毎日朝練も中休みの練習も、一日も欠かさず頑張った。
そして迎えた今日、徒競走は例年通り、組体操も少し頼りないふにゃふにゃ感。
もちろん倒立なんてできない。
でも応援合戦は、ダントツ小柄な娘が背の高い子たちに混ざり、懸命に力強く腕を振り上げ、誰よりも大きな声を出して輝いていた。
応援合戦で大泣きしていた保護者は、もちろん私だけだった。
応援合戦だけでなく、他学年の競技中も、
「次は足の速いお兄さんお姉さんのリレーだよ。とってもかっこいいよ!頑張って応援しようね!」と
低学年の子に優しく丁寧に声をかけ、
一生懸命に応援をしていた娘を誇りに思った。
応援する娘を、心の中で応援する私。
結果は、娘の白組は負けてしまった。
でも娘は、「やりきった!」と達成感のある笑顔で帰ってきた。
ちなみに息子はこれ。
1位をとったことは嬉しかったけど、1位を大袈裟に褒めたたえることはしなかった。
息子が全力で走ったこと、それを立派だったとしっかり伝えた。
今までだったら、「1位すごい!!」なんて言ってたかもしれない。
未熟な母だけど娘にいろいろと学ばせてもらった思い出深い運動会になった。