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噛む力が脳を守る!よく噛むことで認知症リスクが30%減少するメカニズム





今日は「噛む力」と「認知症予防」の関係についてお話しします。
「噛むこと」と「脳の健康」、いままで意識したことはありましたか?
実は、食事をよく噛むことが、私たちの脳を守る重要な役割を果たしていることが、最新の研究で明らかになっています。
特に、噛む力が弱まると認知機能の低下や認知症のリスクが高まる可能性があると言われています。

この記事では、「よく噛むことが認知症予防にどう役立つのか?」そのメカニズムと具体的な方法について解説していきます。日々の習慣に取り入れやすい「噛む」ことを意識することで、いつまでもクリアな思考と若々しい脳を保つお手伝いができればと思います。


噛むことで認知症リスクが30%減少する!驚きの研究結果とは?

2021年に発表された日本の研究によると、噛む回数が多い人は認知症になるリスクが30%も低いことがわかりました。具体的には、東京都健康長寿医療センター研究所の研究で、65歳以上の約1,500人を対象に、噛む回数と認知症発症の関係が調査されました。
この結果、「よく噛む人は、噛む力が弱い人に比べて認知症発症のリスクが低い」という明確なデータが得られたのです。

また、この研究だけでなく、他の複数の研究でも「噛むこと」が認知機能や脳の健康にプラスの影響を与えることが報告されています。噛むことで脳が刺激を受け、脳の神経細胞が活発に働き出し、認知症のリスクが低下するのではないかと考えられているのです。


噛むことで脳が刺激されるメカニズム

噛むことが脳に良い影響を与えるのはなぜでしょうか?その鍵となるメカニズムを見ていきましょう。

  1. 噛むことで血流がアップ
    噛む行為は、顔や頭部の筋肉を大きく使うため、脳への血流が増加します。この血流の増加が、脳の活性化に直接影響を与え、記憶や判断力といった認知機能を向上させるとされています。特に、咀嚼をすることで前頭葉という部分が活発になり、この前頭葉が認知機能や記憶力の維持に大きく関わっていることがわかっています。

  2. 神経成長因子(NGF)の分泌
    噛むことで、神経成長因子(NGF)という物質の分泌が促進されます。このNGFは、脳の神経細胞の成長や修復に関与するタンパク質であり、記憶力や学習能力を維持するために必要不可欠です。よく噛むことで、脳内のNGFレベルが上がり、神経細胞が健康に保たれると考えられています。

  3. ストレス軽減とメンタルヘルスの向上
    噛む行為にはリラックス効果があることが知られています。例えば、ガムを噛むことでストレスが軽減されるという研究もあります。噛むことで脳がリラックスし、ストレスホルモンの減少や精神的な安定感がもたらされ、結果的に脳の健康維持につながる可能性があるのです。


歯の健康と認知症リスクの関係

実は、歯の健康も認知症予防には大切です。噛む力が弱くなる原因の一つに、歯の問題が挙げられます。歯が抜けたり、噛み合わせが悪くなると、どうしても噛む回数が減少してしまいます。実際、歯を失うことで認知症リスクが高まることが、いくつかの研究で示されています。

例えば、2018年のアメリカ歯科医師会の研究では、歯を失った高齢者が、歯を保っている人に比べて認知症リスクが高いことが報告されています。これは、歯を失うことで噛む力が弱まり、結果として脳への刺激が減少するためだと考えられています。


今からできる!「よく噛む」習慣の取り入れ方

では、どのようにすれば噛む回数を増やし、脳に良い影響を与えることができるのでしょうか?以下に、日常生活でできる工夫をいくつかご紹介します。

  1. 食べ物を小さく切らず、大きめに残す
    大きな一口をしっかり噛むことで、自然と噛む回数が増えます。柔らかい食べ物よりも、適度に歯ごたえのあるもの(野菜スティックや噛みごたえのある肉など)を意識的に取り入れるとよいでしょう。

  2. 一口につき30回噛む
    「一口30回」と聞くと少し面倒に感じるかもしれませんが、30回噛むことで、自然と満腹感が得られやすくなるというメリットもあります。また、早食いを防ぐことで、胃腸の負担も軽減でき、健康にも良い影響を与えます。

  3. ガムを噛む習慣を取り入れる
    食事以外でも、ガムを噛むことが脳の健康に役立つとされています。噛むことでストレスが軽減されるほか、脳への血流も増えるため、軽い運動として取り入れてみてください。

  4. 食事中に意識的に「ゆっくり食べる」
    忙しい毎日の中でも、食事中はゆっくりと噛むことに集中しましょう。特に、スマホやテレビを見ながらではなく、食事そのものに集中することで「よく噛む」ことが意識でき、結果として噛む回数を増やすことができます。


まとめ:「噛む力」を鍛えて認知症予防を目指そう!

よく噛むことが、脳の健康を守るうえでどれほど重要か、お分かりいただけたでしょうか?
食事のときにしっかり噛むという小さな習慣が、実は大きな健康効果をもたらしてくれます。

噛む回数が多ければ多いほど、脳への刺激が増え、認知機能の低下リスクも減ると考えられています。噛むことを意識するだけで、私たちは未来の自分のために一歩踏み出せるのです。認知症予防に役立つ「噛む力」を今から鍛えていきましょう!

ぜひ、明日からの食事で「噛むこと」を意識し、皆さんの脳の健康を守る習慣にしてみてください。

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