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テンポ50で歩く

ゆっくり歩くのは意外と難しいものだ。
歩いているというか、平均台の上を移動している感覚に似ているせいかもしれない。

勢いに任せてしまうと簡単にできることも多い。ゆっくり歩くなんて、現代ではほぼ行わない動きではないか。

幅の狭い板の上を歩いているわけではないのに、なぜか時々バランスを崩しそうになる。

前を向いて歩くのが難しくなるのか、いつの間にか目線が下がっている。

体のあちこちを意識しないと難しい。普段の歩く感覚とこれほど違うとは想像もしていなかった。

体に意識が向いていない。
いつもは雑な体の使い方をしている証拠だと思う。

そうそう。
ただただゆっくり歩いているわけではなく、電子メトロノームを使って、一定のリズムで歩いている。
これがまたゆっくり歩くことを難しくしている。

テンポを50にセットして、一歩々々。
どのくらいのテンポがいいかわからないので、テンポは適当に決めている。

リズムを崩さないようにすると、どうしても一歩々々が丁寧になる。雑に動くことが難しい。

舞踊などは経験したことはないが、きっとこうした丁寧な体の使い方の集大成みたいなものではないだろうか。と想像する。

激しい動きではないので、関節や臓器にも優しいのではないだろうか。

なんとなくではあるが、現題の健康法はとかく "運動量" ばかりに目が行ってしまっているように思う。

それが好きならばやればいいのだが、嫌々やっているなら心にも悪そうだ。

ゆっくり歩くと意識も勝手に集中するようでもあるし、禅や瞑想に通ずるところがあったりするのかもしれない。まぁ、勝手な想像の範囲を出ない話だ。

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