![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161236459/rectangle_large_type_2_41e80e1aa2a65abdee5b0b01521dcc6a.png?width=1200)
SVP東京と7冊の物語―社会と未来に向き合う読書の秋
私は2018年からソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(以下、SVP東京)のパートナーとして活動しています。
SVP東京は、これまでに数多くのNPO団体やソーシャルベンチャーと協働し、社会課題の解決を目指してきました。過去の協働団体の中には、今では日本を代表する団体に成長した団体が少なくありません。
各団体が独自の取り組みを続け、その過程や成果が書籍としても発信されています。これらの著書を通じて、課題解決に取り組む人々の思いや背景、そして現場でのリアルな経験を垣間見ることができるでしょう。
今回ご紹介する7冊の書籍には、出版年がやや古いものも含まれています。そのため、現在とは状況が異なる部分もありますが、社会課題が生まれる背景や、問題解決に対する基本的な考え方、課題に取り組む際の情熱や思いは今もなお参考になります。これらの本は、社会課題の本質を理解し、私たちがどう社会と向き合うべきかを見つめ直すための重要なヒントを提供してくれます。
以下、SVP東京が協働した団体の著書を通じて、それぞれの取り組みや活動の意義について簡単に紹介していきます(出版年順です)。
1. 「カタリバ」という授業―社会起業家と学生が生み出す “つながりづくり”の場としくみ(2010)
学生を巻き込み、若者に対するキャリア教育と社会参加の機会を提供する取り組みを記録。日本の教育現場に革新をもたらし、高校生が社会の中で自分の役割を見つけるための仕組みづくりを描いたヒストリー。
【協働団体名】:特定非営利活動法人カタリバ
【URL】:https://www.katariba.or.jp/
2023年には以下の書籍も出版されています。
2. 小指のおかあさん(2011)
この本は、手話で学べる日本初の私立学校「明晴学園」の設立に尽力した玉田さとみさんの実話です。著者の次男が重度の難聴であると診断されたことをきっかけに、手話を教育言語として使う教育の必要性を感じ、親たちと共に約8年もの歳月をかけて「明晴学園」開校を実現しました。従来のろう教育の枠を超えて、ろう児が手話を母語として学び、自己肯定感を持って成長することの重要性を伝えています。
【協働団体名】:NPO法人バイリンガル・バイカルチュラルろう教育センター(BBED)
【URL】:https://www.bbed.org/
玉田さんのインタビュー動画
3. モクチンメソッド: 都市を変える木賃アパート改修戦略(2017)
戦後の大量建築ブームで生まれた木造賃貸アパート「モクチン」が、現在では老朽化と空き家化に悩まされています。モクチン企画は、このような建物の再生をミッションとし、シンプルな改修アイデア「モクチンレシピ」を提案。手軽に改修を行う方法を通じて、都市と人のつながりを再構築し、豊かな生活環境を取り戻そうとしています。街づくりの新たな可能性に挑戦するこの取り組みは、建築や地域コミュニティに興味がある方にとっても示唆に富んだ内容です。
【協働団体名】:特定非営利活動法人 CHAr(旧モクチン企画)
【URL】:https://www.studiochar.jp/
4. 漂流女子 ―にんしんSOS東京の相談現場から(2017)
予期しない妊娠で悩む若年層の女性たちが、孤立や経済的困難の中でどのような状況にあるかを明らかにする本書。著者の中島かおりさんは、現場で寄り添いながら相談支援を行ってきた経験をもとに、相談者たちの葛藤や苦悩を描き出しています。孤独や妊娠に対する社会の理解不足に目を向け、私たちに支援の大切さを訴えかけています。
【協働団体名】:認定NPO法人ピッコラーレ(旧にんしんSOS東京)
【URL】:https://piccolare.org/
中島さんのインタビュー動画
5. 性風俗サバイバル ―夜の世界の緊急事態(2021)
性風俗業界に従事する人々の生活や課題をリアルに描き出したドキュメンタリー。著者の坂爪真吾氏は、長年にわたり性に関する支援活動に取り組んできました。支援を必要としながらも公的な支援の枠から外れがちなこの業界の現状を、具体的なエピソードとともに描いています。社会の隅で生きる人々の現実を理解し、私たちの無関心がどんな影響をもたらしているのかを問いかける一冊です。他にも多数の著書があります。
【協働団体名】:特定非営利活動法人 風テラス
【URL】:https://futeras.org/
坂爪さんのインタビュー動画
6. 紛争地で「働く」私の生き方(2023)
紛争地で、テロ組織からの投降兵の脱過激化と社会復帰を支援するアクセプト・インターナショナルの活動を紹介する本書。著者はソマリアやイエメンといった紛争地で活動しながら、平和構築に挑んでいます。困難な状況の中で希望を持ち続け、憎しみの連鎖を解く試みのリアルが描かれており、社会課題解決の先端に触れることができます。
【協働団体名】:NPO法人アクセプト・インターナショナル
【URL】:https://accept-int.org/
7. 耳が聞こえなくたって 聴力0の世界で見つけた私らしい生き方(2024)
生まれつき耳が聞こえない著者、牧野友香子さんの自己啓発エッセイです。牧野さんは障がい者支援を行うデフサポを立ち上げ、ろう者や難聴者の自立を目指して活動してきました。本書は牧野さん個人の経験を中心に、困難を乗り越えて生きる姿を描いており、団体の具体的な活動に触れているわけではありませんが、障がいを持つ人々がどのように社会で自分らしく生きられるかについて考えさせられる内容です。
【協働団体名】:株式会社デフサポ
【URL】:https://nannchou.net/
まとめ
これらの書籍は、SVP東京の支援のもとで成長を遂げた団体の活動や、その背後にある理念、課題解決に向けたリアルな取り組みを伝えています。
一部の書籍には、SVP東京についても簡単に触れられています。SVP東京やこれらの団体の活動にご興味を持たれた方は、ぜひ手に取ってみてください。
<追記>
他のパートナーの方から他にもあるよと教えていただきました。
湘南の風に吹かれて豚を売る(2009)
【協働団体名】:株式会社みやじ豚/NPO法人農家のこせがれネットワーク
ワンコインの子育てシェアが社会を変える(2013)
【協働団体名】:株式会社AsMama
「最高の授業」を、世界の果てまで届けよう(2013)
【協働団体名】:認定NPO法人e-Education
創業者である税所 篤快氏の書籍は他にも多数あります。
サンタクロースが届けてくれた心温まる物語 (心温まる物語シリーズ)(2014)
【協働団体名】:NPO法人チャリティーサンタ
みんなに必要な新しい仕事: 東大卒25歳、無職のシングルマザー、マドレボニータを創業する(2015)
【協働団体名】:特定非営利活動法人マドレボニータ
すぐそばにある「貧困」(2015)
【協働団体名】:認定NPO法人 自立生活サポートセンター もやい
働く意義の見つけ方―――仕事を「志事」にする流儀(2016)
【協働団体名】:特定非営利活動法人クロスフィールズ
傷はそこにある 交差する逆境・横断するケア(2024)
【協働団体名】:特定非営利活動法人リカバリー
来年度のパートナー募集説明会がスタート
現在、SVP東京では2025年度の新パートナーを募集しています。社会課題に対して少しでも関心のある方は、ぜひSVP東京の入会説明会にご参加ください。
<入会説明会スケジュール(オンライン)>
第1回:12/8(日)10:00~11:30(締切:12/6)
第2回:12/23(月)20:00~21:30(締切:12/21)
第3回:1/8(水)20:00~21:30(締切:1/6)
第4回:1/18(土)20:00~21:30(締切:1/16)
第5回:未確定
詳細は以下のリンク先をご確認ください。
共に社会課題に取り組む仲間になれることを楽しみにしています。
Web:https://svptokyo.org/
Peatix:https://peatix.com/group/25475
YouTuve:https://www.youtube.com/@SVP_Tokyo
X:https://x.com/svp_tokyo
facebook:https://www.facebook.com/svptokyo