タスクの割当人数のミスをリカバリーする方法
お疲れ様です、ゆーろー@常駐しないPMOです。
わたしがプロコンサルとして参加しているiPM naviのコラムをご紹介します。
writing by MASA
*このコラムはiPM naviで配信しています
プロジェクト計画では、作業工数、スケジュールを見積ります。
そのとき、『作業に対する割当人数』を軽視しないでください。
取り敢えず、感覚で人数を割り振っておくか...
今のところ、間違ってても後でどうにかなるだろう... これは非常に危険です。
割当人数を間違うことで、メンバーの過剰労働によるチームからの途中離脱、工数の超過、スケジュールの遅れ、品質の劣化...etcが起こり、プロジェクトが崩壊していきます。
こんにちは、プロコンサルのMASAです。
iPM PREMIUMで運営しているオンラインサロンでは、プロコンサルが企業さまのPMへ個別のレクチャーやプロジェクトの後方支援を行なっています。
その活動を通じて、プロジェクトを成功に導くために活用した大手コンサルファームならではの特別なノウハウやメソッドをコラムにしています。
今回のコラムは、SIerに勤務する29歳のPMの方からのご相談となります。
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PMからのご相談
■相談者
SIerに勤務する29歳のPM
■相談内容
わたしはSerIに勤める29歳です。
今回のプロジェクトで3回目のPMとなります(PM初級者です)。
①現在、わたしの担当しているWEB開発プロジェクトは、詳細設計工程の中盤を実施しています。
②作業工数、スケジュールスは計画段階で有識者の指導を受けているので論理的には正しいと思っています。
③しかし、メンバーが体調不良等により、休みがちで進捗が遅れています。
④体調不良の原因は、メンバーのオーバーワークによるものです。
⑤このままでは、スケジュールが遅れる一方でリカバリーできません。
⑥この難局を切り抜ける手立てはないでしょうか?
■相談のポイント
①当該プロジェクトは、正しく作業工数、スケジュールが計画されている。
②メンバーの過剰労働により体調不良を起こし、会社を休みがちである。
③そのことから、プロジェクトが遅延している。
④相談者は、スケジュール遅延のリカバリー策を持っていない。
あなたが、PMであればどのように対処しますか?
こんな時は、こうしてみれば良いですよ!
このように前提条件を整理しました。
・相談者は、もしくは第三者がWBSを正確に作成できる。
・メンバーの増員は可能である。
・期間限定であればメンバーも超過勤務を受け入れる
プロジェクトの成功の鍵は『作業工数』、『スケジュール』、『メンバーのスキル』、『作業への割当人数』、これらのバランスの良さで決まります。
バランスが悪いと、メンバーに過剰な負担が掛かり、メンバーの体調不良による休暇やチームからの離脱が起こり、プロジェクトは失敗します。
また、これらのバランスを維持するには定期的に各々の要素を相互的に管理する『体制』が必要です。
そのため、プロジェクトの途中でバランスが崩れた場合は、WBSの見直しとそれに伴うメンバーの増員、割振りを行わなければなりません。
まずは、このことを認識して、この問題をアプローチしていきましょう!
*このアプローチはDX時代に適応したリスキリングしているPMの方にも実用的に使えます。
アプローチ1
遅延している作業の原因を『作業工数』、『スケジュール』、『メンバーのスキル』、『作業の割り当て人数』から見つける。
アプローチ2
遅延している作業と主従関係・関連がある作業(ここでは『警戒タスク』と呼ぶ)を見つけ出し、警戒タスクに対するリスク(作業工数、スケジュール、メンバーのスキル、作業の割当人数)を洗い出す。
*下図は、相談者のプロジェクト状況
アプローチ3
遅延している作業と警戒タスクに対して詳細なWBSを作成する。
*ターゲットを絞って詳細なWBSを作成する。
また、全体のWBSの見直しは不要であるが、必要に応じて実施すること。
アプローチ4
WBSで整理された作業に対して必要スキルを洗い出す。
アプローチ5
作業工数・スケジュール・割り当て人数の算出を行う。
アプローチ6
新規で必要となるメンバーを招集する。
アプローチ7
PMとは別にリカバリー作業を管理するチームリーダを体制に組み込む。
アプローチ8
アプローチ3~7を『リカバリー計画書』に整理して、プロジェクトオーナーの合意と承認を得る。
まとめ
プロジェクトでは、メンバーの体調不良等により、計画通りに進捗しないケースもあります。
これを仕方ない...とPMであれば片付けてはいけません。
体調不良になる原因は、様々ですが、進捗が何かしらの原因で遅れることは、プロジェクト計画の段階で、想定しておかなければなりません。
そのためには、『作業工数』、『スケジュール』、『メンバーのスキル』、『作業への割当人数』のバランスを監視しておくことが必要です。
また、メンバーのキャリアや今のスキルてベルを把握しておき、各メンバーの力量に合わせて、進捗のアラートラインを決めておくのも、一つの方法です。
プロジェクト実行中に、メンバーが離脱した場合は、素早くこれらを行うのがポイントです❗️
・遅延している作業と主従関係・関連がある作業を見つける。
・警戒タスクに対するリスク(作業工数、スケジュール、メンバーのスキル、作業の割当人数)を洗い出す。
*遅延している作業と主従関係・関連がある作業 = 警戒タスク
・遅延している作業と警戒タスクに対して詳細なWBSを作成する。
これらを、しっかり実施することで、プロジェクトを円滑に実行することができるでしょう。
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