品質とコストの関係を理解していますか?
お疲れ様です、ゆーろー@常駐しないPMOです。
わたしがプロコンサルとして参加しているiPM naviのコラムをご紹介します。
こんにちは、プロコンサルのMASAです。
iPM PREMIUMで運営しているオンラインサロンでは、プロコンサルが企業さまのPMへ個別のレクチャーやプロジェクトの後方支援を行なっています。
その活動を通じて、プロジェクトを成功に導くために活用した大手コンサルファームならではの特別なノウハウやメソッドを記事にしています。
今回の記事は、中堅SIerが製造メーカーから請け負った案件での出来事になります。
詳細設計工程で品質に関する『あるある』をどのようにフォローしたかを共有したいと思います。
*下図『開発工程とマネジメント領域のマトリックス』は、今回の記事が”どの部分で起こったことなのか”を表してます。
詳細設計工程で品質に関する『あるある』
わたしは、プロコンサルとして中堅SIerの初級者PMをフォローするためにメンターをやってます。
プロジェクトへの参画タイミングは詳細設計からとなります。
プロジェクトの概要は、クライアントの製造メーカーがコストダウンを目指すために社内の業務改善に伴うシステムの刷新を経営側は期待していましたが、実際のところクライアントの現場から『今の業務フローに沿ってシステムを作ってほしい』といった強い声が多くそもそもの要望が変わってしまいました。
そのこともあり、現在は既存のシステムを可能な限り踏襲するといった開発方針でクライアントとSIerは合意してプロジェクトを進めています。
前もってお伝えしておくと、このプロジェクトは以下の課題を抱えていました。
【課題:計画】
そもそもプロジェクト計画書をきちんと作っていない(社内に用意されているフォーマットに必要なワードに書き換えただけ)。
やはり、切り貼りの計画書なのでPM自身も内容をしっかりと理解できていない。ましてやフォーマットに必要な項目の抜け漏れが多かった。
【課題:スコープ】
既存のシステムを踏襲するという前提であるが業務・システムの調査をを行わず、既存の設計書をもとに要件定義・基本設計を行なった。
その結果、要件定義・基本設計が不十分のためスコープの不明確な部分が多かった。
今回の『あるある』はSIerのチーム内で品質に関して、PMと品質管理者による”ちょっとしたお家騒動”となります。
チーム体制としては、このような体制となっています。
・PM
・PMO
・設計/開発メンバー
・品質管理責任者
きっかけは詳細設計が中盤に差し掛かり、品質管理責任者からこんな事を言われました。
『社内の品質基準で定義している数値をクリアしていないので、品質が悪いという判断します。基準をクリアできるように設計をやり直してください!』 ここでイメージしてみてください。
これって第三者的な立場の人なら言ってきますよね?
まさに『あるある』です。 こんなとき、一体どうすれば良いのでしょうか?
『はい、やり直します』
そんなことは言っちゃダメです。
あなたがガイドラインを確認した上で、プロジェクトの特性(品質・コスト・スケジュール・スコープ)に応じて作り上げた品質基準であれば言い返してくださいね。
改めて❗️
品質基準とは”何ぞや”ということです。
クライアントのニーズを満たすために開発工程・受入テスト工程で作成される成果物の合格基準を数値化したものです。
これは、プロジェクトの特性を考慮すればガイドラインの品質基準とズレることがあります。
また、成果物の品質の良さとそれを実現するためのコストの関係を理解しておきましょう。
最初はコスト(工数)に応じて品質も高まっていくんですが、ある程度のコストを掛けた時点で品質は高まっていかないものなんですね。
これをプロジェクトの特性を無視して、限りなくガイドラインに沿ってテストを行ったら、同じようなテストの繰り返しや、後工程で実施すべきテストを行ったりと無駄なコストが発生し、コスト計画が破綻します。
このように、品質とコストの関係性を理解した上で、きちんと理論武装しておくことが大事です。
あなたも、このようなことが起きたら『品質とコストの関係』を考えてくださいね。
P.S.
今回、PMと品質管理責任者が喧嘩しないように、PMの代わりにわたしから納得してもらえるように伝えました。
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最後まで読んでいただき有難う御座いました。