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工数オーバーの時のリリース方針を作る手順
お疲れ様です、ゆーろー@常駐しないPMOです。
わたしがプロコンサルとして参加しているiPM naviのコラムをご紹介します。
writing by MASA
*このコラムはiPM naviで配信しています
ITプロジェクトを成功させるには、作業工数とスケジュールの見積もりが、どれだけ現実的な数字が算出されたかによります。
しかし、これらを見積るのはベテランのPMでも苦労し、算出した結果に確固たる自信を持てないものです。
ましてや、実行中のプロジェクトにPMとして招かれた場合は、前任者が作ったスケジュールと作業工数をベースにマネジメントを行うものです。
この時、前任者の見積りを信じ込んでしまうと、プロジェクトを危険に晒すこともあります。
必ず、プロジェクトの経緯・現状・未来を鑑みて、スケジュールと作業工数の再見積りを行うことが必要です。
👍 このコラムは
むずかしさ :★★☆☆☆(PM初級者向け)
ボリューム :★★★☆☆(5分-8分で読める)
気付き学び :★★★★★(工数超過のリカバリー)
お役立ち :★★★★★(予算追加の依頼手順)
仕事の実用性:★★★☆☆(関連スキルが必要かも)
こんにちは、プロコンサルのMASAです。iPM PREMIUMで運営しているオンラインサロンでは、プロコンサルが企業さまのPMへ個別のレクチャーやプロジェクトの後方支援を行なっています。
その活動を通じて、プロジェクトを成功に導くために活用した大手コンサルファームならではの特別なノウハウやメソッドをコラムにしています。
今回のコラムは、物流会社の情報システム部署に勤務する32歳のPMの方からのご相談となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1669015758730-zM2cWr1v81.png?width=1200)
PMからのご相談
![](https://assets.st-note.com/img/1668993610542-lphTKGOxvR.jpg?width=1200)
■相談者
物流会社の情報システム部署に勤務する32歳のPM
■相談内容
わたしは物流企業の情報システム部門に勤める32歳です。
この度、システムエンジニア職からPM職に転身しました。今回のプロジェクトで初めPMになった未経験者です。
①現在、プロジェクトは詳細設計工程の終盤です。
②わたしは、前任PMが見積もった工数を鵜呑みにして作業進捗を行っていました。
③しかし、大幅に工数超過してプロジェクトが終了することが判明しました。
④社内のシステム開発なので、工数超過の旨を伝え予算の追加をお願いしたいところですが、
⑤弊社は数年間売り上げが低迷していて、予算を追加の余裕がありません。
⑥このままでは、プロジェクトが破綻してしまうため、『経営側がある程度納得するプラン(落としどころ)』があればご教授ください。
■相談のポイント
①相談者は、プロジェクト参加前に前任PMが立てた計画と実績の乖離分析を行わなかった。
②相談者は、経営側へ予算追加のお願いができない。
③相談者は、『経営側がある程度納得するプラン(落としどころ)』がわからない。
あなたが、PMであればどのように対処しますか?
こんな時は、こうしてみれば良いですよ!
![](https://assets.st-note.com/img/1668993610545-RphDpRoa1F.jpg?width=1200)
このように前提条件を整理しました。
・経営側は予算追加以外にリカバリー方法があれば聞き入れる。
・経営側はリカバリーに必要な作業は協力する。
・経営側は要求追加や変更の要請を行わない。
プロジェクトの途中で『作業工数の超過』が予測できる原因は、工数ミス、仕様追加、スケジュールミスが考えられます。
この場合の単純な解決策は、「予算を追加して工数を増やす」、「スコープを縮小する」「スケジュールを伸ばす」となります。
しかし、予算・スコープ・スケジュールに制約条件を持ったプロジェクトでは、これらの解決策が役に立たない場合もあります。
そのため、PMは『システムを段階的にリリース(ビジネスインパクトの強い機能を優先してリリース)』するようにプロジェクトオーナーと交渉・調整を行ってください。
まずは、このことを認識して、この問題をアプローチしていきましょう!
*このアプローチはDX時代に適応したリスキリングしているPMの方にも実用的に使えます。
アプローチ1
EVM(Earned Value Management)を使って、現状のままプロジェクトを進めたら、『どれだけの工数超過なのか?』、『どのくらいのスケジュール超過なのか?』を分析する。
アプローチ2
工数超過の原因を仮説を立てて調査する。
アプローチ3
業務要件・システム要件からビジネスインパクトの強い機能を洗い出し、リリースの優先度を決める。
*ビジネスインパクト・リリース優先度は、プロジェクトオーナーと合意することが絶対条件である。
アプローチ4
『ビジネスインパクトの強い機能のリリース優先度』が決定したら、仮説検証の結果を参考に以下を検討する。
・WBS ・作業工数 ・作業に必要なスキルの洗い出し
・必要なメンバーの追加や交代
・作業スケジュール
アプローチ5
アプローチ4の検討結果を『リカバリー(段階リリース)計画書』に整理して、プロジェクトオーナーの合意と承認を得る。
まとめ
プロジェクトを成功させる鍵は、スケジュールと作業工数であると、どんなPMでも分かっています。
しかし、これらを精緻に見積るのは不可能なことです。 見積もった数字に対して、『当たっててくれ!』と心の中で祈ることもあるのではないでしょうか?
実行中のプロジェクトに、PMとして招かれた場合は、前任者がはいスキルであっても、スケジュールと作業工数を鵜呑みにしないでください。
万が一、あなたが再見積りを行った結果、納期不可能…etcとなるのであれば、仕切り直しが必要です。
それでは、どのように仕切り直せば... これがポイント❗️
・EVMを使って将来予測をする。
・ビジネスインパクトの強い機能を洗い出し、リリースの優先度を決める。
・WBS、作業工数、追加要員のスキル等を洗い出してスケジューリングする。
これらを、しっかり実施することで、プロジェクトを円滑に実行することができるでしょう。
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最後まで読んでいただき有難う御座いました。
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![ゆーろー | プロジェクト管理のプロ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/10211056/profile_a41975ea4d32fbcf5f61f9a0bcc523ec.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)