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手紙を読むように、写真を読む

今読んでいる本が、とてもおもしろいのでご紹介。

名取洋之助という写真家が書いた、「写真の読みかた」という本です。

タイトルのとおり、写真をどう「読む」かということがテーマ。語り口もやわらかくて、具体的な写真を交えながら話が進むのでとっつきやすい。

驚くのは、60年近く前に出版された本にも関わらず、写真をめぐる環境ってあまり変わってないんだなぁということ。

写真について論じるとき、つい私たち(というより私)は、機材についての話に注目してしまいがちです。

どこのメーカー?
レンズは何mm?
撮るときの設定は?

・・・などなど。

Twitterやインスタ上でも、よく有名なフォトグラファーのリプ欄にこういう質問が並んでいるのを目にしますよね。


そんな私(たち)に対して名取は、写真を読むという行為を、手紙になぞらえて説明します。

「私たちは手紙を読むとき、まずその内容に注意しますが、写真の場合、まず第一に字の上手下手をいうようなことがいまだに行われている・・・」

なんともわかりやすいし、腑に落ちませんか。

字が上手なことは素晴らしいし、丁寧な筆跡の手紙はそれだけでぐっときたりもします。だけど、肝心の中身を読まないまま、筆跡の良し悪しだけを論じているのはもったいない。

それはとりもなおさず、書くとき(=撮るとき)にも言えることでしょう。

上手な字を書こうとすること、書きやすい筆記用具を使おうとすること自体は、けっして悪いことではないし、重要な要素の一つに変わりありません。

だけど、いちばん大切なのは「どんな内容を書くか」であるはず。


上手な字は書きたいけれど、そのまえにまず、なんで手紙を書こうと思ったのか。誰に思いを伝えたいのか。そこをもっと見つめることで、新しい境地に私も行きたい。そんなことを思いながら、ページをめくっています。


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