重要なのは必要なシンクロニシティを逃さないこと
人生の中で迷っているときは、重要なチャンスが訪れている証拠です。同レベルの複数の選択に迷うというような悩みよりは、もっと生き方のコアに触れるような部分で悩んでいる時の話です。
迷っている時は、自分は何をしたいのかとか何を基準に進んだらいいかで悩むことが多いのではないでしょうか。つまり、今までの価値観を見直す時期に来ているっていうことです。それって新しい価値観で生きるためのステージアップとも言えるので、悩んでもいるけど正直ドキドキもします。
私はこれまでにもたしか2回ほど、そんな時がありました。そしてその度に、ある特定のフレーズを多く目にしたり、聞いたりする機会が多かったんです。例えば美容室で雑誌を読んでいて、例えば街のどこかでかかっているBGMの歌詞をふと耳にして。
そういうのをシンクロニシティと呼びます。ユング先生が提唱した概念で、「意味のある偶然の一致」です。自分が見たいものや聞きたいことをクローズアップするカラーバス効果とはちょっと異なり、意図しなくても自然と必要なものがやってくる感じです。五感を通して。
シンクロニシティは、そんなふうに必要な時に思わぬ形でやってきて、解決のヒントをくれます。それは集合的無意識の為せる技かもしれないし、自分の無意識さんが必要に応じてほいっと出してくれるのかわかりませんが。とにかく、そんなふうにシンクロニシティを利用するのはおすすめです。
で、今回なぜか1週間前くらいからもやもや・ざわざわしていて、なんだろうと思っていました。例えば理屈で考えると将来的には受講したほうがいい講座に対しても、なんだかグズグズして決断できず、なんでだろうと思っていたのですが、そういうことか!と思い当たり、ちょっとだけ安心しています。
ところで、私はアマゾンプライムビデオでドラマや映画を観るのが大好きで、昔のドラマなんかをよく観ています。実は今これを書いているのは、お昼ごはんを食べながら観たドラマのセリフが、まさに突然やってきたシンクロニシティだと思ったからです。おにぎり頬張りながら泣きそうになりました。
観ていたのは高橋一生さん主演の「僕らは奇跡でできている」というドラマ。第一話の最後の方で、一生さん演じる大学講師「相原先生」がイソップ童話のウサギとカメについて、こんなことを言っていたんです。
その前に、ご存知とは思いますがウサギとカメの話を手短に…。
ウサギとカメがゴール目指して競争をします。ウサギは速く走りすぎたので、カメが近くに来るまで昼寝でもしようと余裕をかまします。カメは寝ているカメの横をゆっくり通り過ぎ、そのまま先にゴールしてしまうという話。カメのようにコツコツと努力すれば必ず実るというたとえ話によく用いられます。
さて、話を戻して相原先生のセリフです。
「カメは全然がんばっていません。競争にも勝ち負けにも興味がないんです。カメは、ただ道を前に進むこと自体が楽しいんです。〜中略〜カメの世界にもはやうさぎの存在はなく、寝ているうさぎに声をかけなかったのもそのためです」(「僕らは奇跡でできている」より)
このセリフは、今の私にどストライクの答えでした。経済面だけに焦点を合わせすぎていて、自分を楽しませるための仕事ということを忘れていたのです。このセリフは、私にそれを思い出させてくれました。
ちなみに、相原先生によると、うさぎはカメを見下すために速く走るのだそうです。う〜ん、なるほど!