『助産院で、水中出産で産みました。』約50ページのスライドを公開します。
このnoteは、第二子を助産院にて水中出産で体験した私の体験をまとめたものです。産後2ヶ月と少し(こう振り返るとなかなか産後すぐでしたね笑)経った頃、松が丘助産院とコラボレーションの形で企画し、実際に助産院を会場に、対面・オンラインで友人に話したイベントのスライドを公開しています。
私は、第一子も松が丘助産院で出産しています。当時コロナ禍のためオンラインにてその体験を共有させてもらい、スライドをnoteで公開したところ、これまでに書いたnoteの中で最も反響をもらいました。
自分自身の出産を話す、ということは私にとって勇気のいることです。育児をしながらできるのか、うまく言語化できるのか、ものすごくプライベートでパーソナルなことをどこまで共有できるのか、聞く人は受け止めてくれるのか。いろんな不安がありながら開催した第1回・note公開でしたが、『読んだよ』と声をかけてくれる人の多さに驚きました。
ある友人は、『妊婦健診に通っている病院が指導などしてくれなくて不安だったんだけれど、noteを読んでとても主体的に妊娠期間を過ごすことができたよ。ありがとう!』と言ってくれました。妊婦って、体験したことのない出産に向けて不安はつきまとうし、パートナーと比べてどうして私だけ、と孤独に思う瞬間があるんですよね。私はありました。
私自身も妊娠・出産時期に不安にかられて検索をしたこともありましたし、実際のお産がどうなるのか気になってYouTubeで動画を見たりもしていました。きっと私以外にも、そんな人がいる。そう思って、第2回のイベント開催・note公開を決めました。
今回は前回の内容を再度振り返りつつ、水中出産の体験を中心に加筆して作成しています。
今の日本で、助産院で出産する妊婦さんは0.6%と言われています。
その中で、「水中出産」を体験した妊婦さんは更に少なくなります。自分自身の体験が、非常に体験する人の少ない、”絶滅危惧”のようなものである。そう感じた時に改めて発信したいと思いました。
第一子、第二子出産を経て思うのは、妊娠〜お産はひとりひとりによって本当に違うということです。それはそうですよね、だっておなかにいる人が違うのですから。唯一同じだったのは、「妊娠期間」。どちらも約1週間ほど早い、39週未満で出てきました。私にとっての十月十日が、38週後半ということなのですね。これは、母親が生まれてきた週数と似ることもあるそうで、実際に私は予定日の1週間前に出てきたので、重なるんだなと思いました。
どんなイベントだったのか
私が体験したことを聞きたいと言ってくれる人に、自分の言葉で話したい。その思いは、前回に引き続き今回も変わらなかったです。前回は自分自身だけで話しましたが、一度やってみて「助産院とは何か」の部分は助産師である松が丘のスタッフさんと話すことを聞き手側が望んでいる、と感じました。そのため、今回は松が丘助産院とのコラボレーション、という形で企画をしました。
助産院を実際に見てもらうという機会にもしたかったので、出来る限りパートナーとの参加をお願いさせてもらいました。(助産院はスタッフはすべて女性、健診や産後入院の同伴でしか基本的に男性は入れない空間なのです)
オンラインでは、遠くは2年前の前回に引き続き参加してくれたカップル、九州から妊娠中期の夫婦が参加してくれました。第一子を病院出産し、産後ケアで松が丘を知ってデイケアを使っている方も赤ちゃんと一緒に来てくれたので、2ヶ月、7ヶ月、2歳の子どももいるほのぼのとした空間になりました。
イベントは、前半に松が丘助産院の院長である宗さんからのお話、そして、具体的なひとりの体験を私から、そして、質疑応答、という流れでした。最後に助産院見学ツアーとして、分娩室、健診の部屋、入院の部屋などを説明を受けながら見てもらいました。
やってみてどうだったか
❶参加者の皆さんに、しっかりと受け止めてもらえた
まずは、「来てよかったよ!」というシンプルで強い言葉をくれた、友人の笑顔が忘れられません。
どうしても痛い、怖い、という出産のイメージや、不妊治療をする方も多い昨今の状況で、妊娠や出産の体験を語ること自体が一種のタブー視されているように思う中、聞けてよかった、という言葉は私にすごく響きました。結婚や妊娠の有無に関わらず、もっとひとりひとりが自由に語っていい、不安や質問を持ったっていい、そう思います。だって、私たちはそうやって生まれてきたんですから。
自分の体験を聞きたいと言ってわざわざ時間を作ってくれたことがもちろん嬉しかったですし、参加後に感想のやりとりを個々に重ねていくと、それぞれの受け止め方があり、その多様な声がまた嬉しかったです。
参加者の中には、妊娠中の夫婦が2組いたのですが、イベントから5ヶ月後の現在、おなかで聞いてくれていた赤ちゃんが無事に産まれたよ、と言う報告をもらいました。また、参加時は、出産希望と聞いていた夫婦は今妊娠をしておなかで赤ちゃんを育てていると連絡をくれました。書いている今、寝返りを打つようになっている我が子の成長スピードも驚くほどですが、妊娠期を最後まで頑張りお産を経て命がこの世界に産まれてきたという事実に、命の尊さを感じます。
❷家族みんなでお産を振り返る機会になった
イベントでは、夫にも「隣で見ていてどうだったか」を話してもらいました。お産は往々にして女性側の目線で語られがちですが、会場には男性も半分いたので彼らにとって自分と重ねられる存在の語りがあるとよいかな、と思ったからです。
『助産院で出産することに、不安はありませんでしたか?』という質問に夫が答える中で、印象的な言葉があったので紹介します。
『普通の産婦人科に何度か一緒に行きましたが、やはり「病院」という感じであまり居心地は良くありません。一方、助産院はどうかというと、ものすごくアットホームな空間ですが、こちらも僕にとってはそんなに居心地がいいわけではないというか、ソワソワします。その理由をある時気づいたのですが、助産院は、全てがお母さんと赤ちゃんのために、考えつくされた空間だからだ、と思いました。そして、この空間において、「届かない女性の声」はきっとないんだろうなと思うようになりました。そういう意味で、一切不安を感じることはありませんでした。自分が助産院でソワソワしているうちは、まだ父になる準備ができていないのかな、といった気持ちでした。』
(これを聞いて、良いこと言うやん夫・・・!となりました。このイベントを開いたからこそ聞けた言葉だったと思いました。)
❸音声、という伝え方の強さ
今回、スライドの中に、「第一子出産時の音声」を入れています。この音声を入れることは『怖いと思ってしまうかな』と迷いながらも、画面だけでは伝わらないお産のリアルを知ってほしいと思って決めました。2年以上経って、聞き直してもなぜか涙が出てきます。
みなさんからの感想を聞いていると、音声のパワーはすごく強かったようでした。特に男性からの反響が大きい気がしました。
『気づいたら涙がポロポロ出てきた』
『今おなかの中にいる赤ちゃんも、あと数ヶ月したらこうやって産まれてくるんだと実感して背筋がピンとした』
視覚情報でなく、音で伝えたこと。それは自分の想像力を使って、それぞれの思いに巡らせる時間になったようでした。
この音声は、前駆陣痛から数えると30時間以上、本陣痛から17時間経った出産の最後の最後で、赤ちゃんの頭が出て、肩も出てきそう、という状況です。ですが、陣痛の間は痛くありません。音声の中でも沈黙があります。その時に、院長の宗さんがこう言っています。
『この、待つ時間がいいのよね』
夫が私の背中を支え、右手で宗さん(助産師)の手を思いっきり握り締め(ごめんなさい笑)、左には田中さん(助産師)が上手だよ、と褒めてくださり、奥で吉川さん(助産師)が出てくる赤ちゃんを受け止めてくれている。周りの人が赤ちゃんのペースで生まれてくることを、真摯に待ってくれる。最後まで寄り添ってくれるこの姿勢が、助産院の良さを表していると思います。
スライド公開パート
さて、大変お待たせしました!
以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
みなさんはどんなことを感じましたか?
もしよければ、ぜひ教えていただけたら嬉しいです。