てるやまもみじ選書
【て】点子ちゃんとアントン
児童文学の味方、ケストナー! 大好きな本です。ところで「点子ちゃん」って原語ではなんていうのか、私は未だ知らないのですが、いつか原書を読んでみたいな。アントンがいい奴で、点子ちゃんも良い女の子で、おとなになった今読むと泣いちゃうかも知れない。勹"ッとくるSUMMERな一冊(SUMMERではないです)ぐっとくるよ、ケストナーは友愛と信頼。
【る】ルパン最後の恋
児童文学第二弾。小学校の図書室で借りて読みました。三世じゃないです。一世です。
図書室にはルパンシリーズとホームズが何冊かと、江戸川乱歩シリーズがあって、私はルパンシリーズを纏めて読んでいたので、「ホームズ派じゃなくてルパン派」と思っていました。『怪盗紳士』『奇巌城』などを読むと思うんですけど、ルパンは本当に格好いいんですよ。ジェントルで、知的で。書籍のなかの初恋は、アルセーヌ・ルパンか夢水清志朗のどちらかだな、と思います。
【や】やがて哀しき外国語
村上春樹が米国の大学で日本文学の講座を持ったときのことが、メインに書かれているエッセイ集です。初めて読んだ子どもの頃はよく解っていなかったのですが、つまりこれは江藤淳の『アメリカと私』と対になるように意図されているんですね。江藤淳のことは知らなくても十分面白いです。『村上朝日堂』シリーズや『村上ラヂオ』ほどのゆるさは無いけれど、海外で日本人作家としてやっていくのはどういうことか、という突き詰めた文章が良いです。
ちなみに今、偶然ですが『アメリカと私』を読んでいます。
【ま】まれびとの歴史
大好き民俗学。柳田國男先生と折口信夫先生が好きです。偽史も正史なら、正史も偽史だよね。
【も】森博嗣のミステリィ工作室
この本は、森博嗣ファンじゃなくても、良き漫画が読みたいなら買うべき、なんなら単行本版の方が良い。
森博嗣がmori mukuであった若き頃の同人誌の漫画(一次創作同人誌)が載っていて私は開眼しました。
普通に云って、「ルーツになったミステリィ百冊」ガイドとかも面白いです。あと、装幀がコジマケンさんなのですね。これ単行本の装幀がすごく良い。タイトルの「ミステリィ工作室」は、当時多く活動していた森先生のHPが「森博嗣の浮遊工作室」だったからですね。
そんでもって私はその頃自分のHPのタイトルを「浮遊区域」にしていたとかなんとか……。(今も浮遊区域です)
【み】ミルチリカル
あっ自著だ!
──こんな風に失くしてきた。これからも失くしてゆくだろう。
忘れ続けてゆくのに逃れられない記憶を掬いあげる為の少女小説集。
他の短篇集のことを「少女小説がお好きな方に勧めます」と某冊子で書かれたあと、「こんなの少女小説じゃないわ、本当の少女小説見せてやんよ」とイキって書いたらしい。
ひざのうらはやお氏に講評いただいています。
【じ】ジョン・レノン対火星人
『さようなら、ギャングたち』に先立って書かれた、で合っていますでしょうか。ちょっと自信が無いのですが。なんとか界隈で蠢いているツィッタラー作家の一部のひとは、永遠に『さようなら、ギャングたち』の模倣の模倣の下位互換でやっていけばいいと思います。突然の毒吐き。
というわけで「てるやまもみじ」選書でした。あまり誘っても誰もやっていないけど、あなたも好きな本でやってみよ〜。
【じ】に書けずに泣きながら消した本たち
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