【超短編小説】「表と裏」

 なになになに、知ってますよ、わかってる、出てこないで。
 と、裏の自分に言ってる、夜。

 今日、国語の授業でなんで手を挙げちゃったんだろう。とか、ルミちゃんと別れたとき、「バイバイ」のトーン低かったかな。とかいう考えが、キノコの倍速成長のように、むくむくと、湧き上がってくる。

 そういう、裏の自分を、どれだけ罵倒しても、絶対、倒れないのが不思議だ。

 そんな強いメンタルあるなら表に出てこい。

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