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パティシエを目指す新入学生への言葉 NACK5 レディオファントム/岡田眞善

今日ラジオを聞いていて心に残った言葉があったので書き起こして置きたいと思います。

リスナーからのメッセージ
「今日は娘の入学式です。調理師専門学校と高校のダブルスクールに、パティシェを目指して進学することになりました。入るは易し、出るは難し。
調理師免許を取得するため、桂剥きやアジの三枚おろしなど、学年が上がるときに実技試験があり、まさに修行の3年間となります。娘にどうか、温かい励ましをお願いします。」

パーソナリティ・岡田眞善の言葉。
「うん、自分で選んだ道だから。それを楽しむんじゃないかなぁという風に思うんですけど。まぁパティシェをね目指しているということで。そんなパティシェを口説いた経験のある私、岡田眞善から言わせてもらいます。まぁ妻がね、パティシェだったんですけども。あのぉ、リアルな現場の声として、うちの妻、結構大きい洋菓子メーカーの百貨店で売っているようなところで、パティシェをやっていたんですけども。あの、生きてりゃ大丈夫です。世の中ね、大変は人、いっぱいいますから。あの不条理さはね、感じると思います。パティシェとしてどんなに頑張っても。うちの奥さんはですね、とても頑張ってクッキーとかケーキとか作ってたんですが、店長さんもやっていました。百貨店のその、ブランドのね。しかしながら、判断されるのはケーキの美味しさじゃない。会社から判断されるのは売り上げだと。
その売り上げ、自分がどんなに美味しいお菓子を作ったかとか、どんなPOPをね、書いて販売頑張ったかというよりも、そこのお菓子屋さんの制服が変わった瞬間に売り上げがバーーーンと上がった、と。いう事なんです。
自分が今まで頑張っていた「味」とは何だったんだろうな、と。
それよりもやっぱり毎日笑顔でいて、お客さんに「こんにちは~!」って挨拶するとか、そういう事で全然ケーキの売り上げが変わったそうなんですよね。で、よっぽど美味しいお菓子よりも、可愛い制服になったときから売り上げがアップ。そして、それによりお客さんから「やっぱりここのは美味しいね」って言われるんですって。でも自分としては前作ってたお菓子の方がとても時間を使って作っていた。だから自分の努力じゃない。もしかするとそれよりもお客様にどれだけ気持ちよく自分が作ったお菓子を買ってもらえるかによって、お菓子の味って変わってくるんだなぁって、うちの奥さんはですねパティシェとして言っていました。だからこそ、その今から学校生活ね、始まるわけですけども。味の追求はもちろん大事なんですけども、学校生活の中で人間関係とか、自分が笑顔でいること、きれいに楽しく誰か、自分以外の第三者を気持ちよくさせる事。そしていい一日のスタートを切らせてあげること。そういうことをする事のほうが、もしかするとお菓子の味を美味しく引き立てるエッセンスになるかもしれませんよね。
ゲーテがこんな言葉を残しています。「涙と共にパンを食べた者でなければ本当のパンの味はわからない」だから、誰と一緒に、どんないい状況で食べたかによって、物の味って変わるんだと思います。だからこそ、その作ったお菓子をどのように売るか、そしてどんないい環境で食べてもらえるかを作り出すまでがパティシェさんの仕事。どうか学生時代、味だけの追求でなくてどのように味わってもらうか、までを研究する学生時代をおくって欲しいなと願っております。


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