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読書の記録 『煌夜祭』

去年の12月、Twitterで偶然目にした #煌夜祭2020 のタグ。
多崎礼さんの第2回C★NOVELS大賞受賞作である『煌夜祭』に準え、冬至の夜に煌夜祭を読んだり、語り部として参加するイベントだった。

未読だったわたしはそのタグのついたツイートを眺めながら「楽しそうだな、わたしも参加したいな」と思っていた。

そして今年。どうやら #煌夜祭2021 が開催されるらしい。今年の冬至は12月22日。



満を持して注文した
よ、煌夜祭。

表紙の青のグラデーションがとても綺麗な本。

冬至の日まで待てなくて、1日1話ずつ予習しよう。そんな軽い気持ちで読み始めてすぐ、しくじったと思った。ページを捲る手が止まらないのだ。完全にわたしは、煌夜祭で語られる物語の中に居た。
喜びも悲しみも愛しさも苦しみも共有していた。炎の熱さも血の匂いも。

気づけばあとがきまで一気に読み終えていた。何これ。

読み終わってすぐまた最初から読み返したいと思った本は久しぶり。

作中で語り部たちが火壇にイガ粉を投げ入れるのは、物語の中へ入っていき、現実に戻ってくるための儀式だ。手順を守らないと、きっと帰って来られない。


読んだ人の心に小さな物語の種を蒔く。そんな本。


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