ゆめのなか

小説を公開しようとしてみる投稿初心者の稚拙な物語。 書く綴る作品のジャンルは問わず、未熟ながら小説家を目指す者の物語をどうか暖かく見守りください。

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最近の記事

【小説】風信子館の証跡 -4-

 個性はひとつの目から見えるものではなく、けれどもふたつの目があれば足りるものかと思えばまだ見えない。 みっつ……よっつ……複数の目があって初めて、それが個性かが判断される。 よって、自分自身が持っているものなのに人から与えられるのが個性なのである。 多分。そうきっと。私は考えてノックし続けている。  宿直室に閉じ込められた私は、唐草の放った言葉の意味を考えているのに精一杯で、結局のところ何も出来ずにそのまま何時間も過ごした後、存在証明の失敗を取り返せずに寝静まった唐草を見計

    • 【小説】風信子館の証跡 -3-

      第2章「苦戦し始めた存在証明」  積み重ねた努力など、誰の目にも留まらなければ努力に成りえないのだろうか。 それともまだ努力にも達していないという表れなのだろうか。 思う道に辿り着かなかった事を示した前夜は、私達がしてきた努力を努力と履き違えている結論を出しているのだろうか。 個々の存在として認めてもらいたいだけの存在証明に、僅かながらの亀裂が走っている等と誰が教えてくれる……?  本日の入室者を拒む明かりひとつない書斎で、まだ今夜の存在証明を行わない夜が更けきっていない時

      • 【小説】風信子館の証跡 -2-

         言葉は話せるのに、本で勉強して知識だって多少は蓄えているのに、どうして声は届かないのだろう。 せめて言葉を届けることさえ出来れば私達は毎晩こんな苦労はしないといつも思う。 声が届いていないからこそ、人間は勘違いする生き物なんだ。  私のノックを済ませ、フユウの誘導は済ませた。急いで走り、足音が聞こえてしまいそうな範囲まで来れたらフユウの背中に乗って私達は今宵のターゲットである使用人の元へと辿り着く。  不可思議そうに窓の外を見つめる使用人の名は馬服一縷(まばらいちる)という

        • 【小説】風信子館の証跡 -1-

          第1章「我らが始めた存在証明」  廊下に佇む柱時計の秒針の音より少し早く、しかし些細な秒針の音よりも音が無い歩み。大きな館のわりに日中でも人の姿が少ないその館の廊下を我らは行く。  夜が更けた。柱時計の短い針が11を差し示した頃が丁度我らが動く時間に適しているからという判断の元、私は相方のフユウと共に今夜も廊下に並ぶいくつもの扉をその日任せに選んでから始まるのだ。  今日は……そうだなぁ、奥から3番目辺りが私的にラッキーノックポイントだな。  そう思い至った私は選んだ扉の前に

          《自己紹介》初、小説を公開する緊張からの初めまして

          初めまして、"ゆめのなか"と言います。 物語好きが高じて自作小説を書き綴ってはいたものの、今の今まで公開には至れていない小心者ですが、この度初の試みという決心の元この場をお借りして書き始めたいと思っています。 自己紹介という大したほどではございませんが、私がテーマにする志し、キッカケ等を少々。 物語はひとつの世界でありながら著者の目に映った考え、藤葛、答え。 文字のみの表現でも第三者にその景色を見させる想像を生み出し、新たな考えと葛藤、答えに導く素晴らしいものだと思い至っ

          《自己紹介》初、小説を公開する緊張からの初めまして