遠い島の友を失った日のこと #1
物理的にでも、精神的にでも、誰かを失ったとき、まず圧倒的に押し寄せるのは、もちろんその人と過ごした時間の記憶だ。けれどそこから連鎖するようにして、また何か別の、深い喪失の記憶にとらわれることもある。
今日、ふと、サネのことを思い出した。
初めて会ったとき、サネは19才で、私は24才だった。いや、初めて「会った」と書いたけれど、「私が彼女をじっと見て、彼女はそんな私を察知した」というのが適切かもしれない。そのときの彼女は、身体じゅうから警戒心の強いオーラを発し、周囲というよ