生き方を模索する人、「ダークホース」になっちゃいなよ。読書レビュー
Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代
音声アプリVoicyで話題にあがっていたので
読んでみた本です。
2021年のおすすめビジネス書として紹介します。
ダークホースとは
表題となっているダークホースとは
もともと競馬用語で、本命ではなく番狂わせを生む「穴馬」のこと。
転じて、予想外の活躍をする人のこと。
それでもなお、いまいちピンと来なかったので
さらに調べてみました。
「あまり知られていないが競争に勝ち、まわりを驚かせる者」
「自分についてあまり周囲に語らないが
驚くべき資質や能力を持っている者」
のこと。
正統派のルートでないために注目されていないが、
予想外の方法で勝利をもぎ取る可能性のある人のことをさします。
個別化の時代には、
正統派エリートではなくダークホースが成功を収める。
というコンセプトで、ダークホース的な生き方を説く本です。
どんな人におすすめか
この本は、
・今の生活に「違和感」を持っている人
・もやもや、つまらなさを感じている人
・上記の人たちよりもっと問題が具体的になっていて、生き方を変えようと考えている人
に特におすすめです。
なぜおすすめか
私は常日頃、時代の変化は感じているけれど
具体的にどのようにこの時代を生き抜いていくのがよいのか、
イメージがついていませんでした。
漠然と、
今のままでは通用しなくなる気がする
うかうかしていると時代に取り残されそうな気がする。
と思っていました。
「私の育った環境と同じことを
今のこども(あるいは大人でも)が続けても
現代の世の中に通用しない気がする」
と、もやもやしていたわけです。
このもやもやを具体化してみると、
「この時代を生きること」と
「自分が教えられてきたこと、自分が受けた教育」
とのギャップ
私はどちらというとエリート街道を外れないように
レールの上を注意深く正しく歩いてきたタイプで、
この本でいうところの「標準化」の化身といっても過言ではありません。
この本では、「標準化」は「個人的なモチベーション」と対立した概念で、
組織中心の、効率化のために個を無視したシステムや考え方です。
*「標準化」に関しては今後別に書いてみたいと思います。
・「標準化」による量産型の優等生が越えられない壁とはなにか
・レールの上を歩いているだけでは対応できない「変化の時代」を生きる力とは何なのか
・問題提起力、問題把握力、問題解決力など、自分で生きる力をどのように身につけるのか
をこの本は教えてくれます。
「ダークホース的な成功」への過程
ダークホース的な成功は以下のような道筋で求めることができます。
1自分の中の「小さなモチベーション」をみつける
2一般的なリスクは無視して、自分に合った道を選ぶ
3自分の強みを自覚したうえで、独自の戦略を考え出す
4「目的地」のことは忘れて、充足感を今抱いているか自問する
背景:「成功」というものに対する考え方の変化
現在では、
「個人的な充足感や達成感を成功の要件をみなす」人が多くなっています。
一昔前の成功といえば、金や権力をもつことを指したかもしれませんが、
もはやそれは変化してきています。
「成功ありきの充足」「成功⇒充足」ではなく、
自分自身にとってかけがえのないことに熱心に取り組むことによって
充足感を得る。このことこそが成功をもたらす。
つまり、「充足⇒成功」
という考え方です。
過去に書いた記事の考え方にも似たところがあるように思いました。
リスクは「フィット」によって決まる
モチベーションにしたがってなにかを選ぼうとしたときに、
「一般的、平均的に何がリスクになるか」
を考えるのではなく、
「個性を持った自分がその方法を選んだ場合に何がリスクになるか」
を考える
そのほうが、正しくリスクを見積もることができます。
レールは個を無視して敷かれているので、
「敷かれたレールの上を走る」のは安全とは限らず、
その決められた型と自分のギャップにリスクが生じる、ということです。
徹底的に自己理解を深めることで
リスクを正しく見積もり、個別化した成功へと進むことができます。
ダークホースたちは「目的地」を無視する
ダークホース的な考え方では、目的地と目標を対比させて考えています。
目標は常に個性から出現する。能動的な選択からうまれる
目的地はだれかが用意した地点。標準化されたシステムに与えられた機会によって決まる。
現在地より少しでも勾配の高いところへ進むことで高く登れ、
目標に近づきます。
「成功したければ、最も険しい急斜面をのぼれ」というのです。
一見「好きなことだけで生きる」というと甘い言葉のようですが、
常に自分の方法を自分で模索しながら
険しい斜面をのぼれ、と説くこの本は
個としての絶え間ない探求を勧めるという意味で
現代社会の厳しさを伝えているようにも思いました。
この本に一貫しているのは、
「充足感は授けられるものではなく、獲得するものだ
自ら動き、獲得に向かって動く義務がある」
という考え方なのです。
で、どうする?
この本をよんで、自分に足りないことを少しわかった気がしました。
「もやもやする」という漠然とした疑問を抱えながら
日常を淡々と過ごすのではなく、
自分の疑問を追い求める気持ち。
外から与えられるのではなく自分が探求する力
が必要なんですね。
私自身は、
・自分のやりたいこととやりたくないことをはっきりさせて自分を知る
⇒やりたいことリスト100、ストレングスファインダー
・やりたい仕事を具体的に言語化してみる
⇒滞っていたセミナーの申請や期限ぎれしそうな資格の申請
ということをまず始めてみました。
あと、「標準化」という考え方にいかに自分が縛られ、
制限されていたかを実感しました。
一度で完全に飲み込むのが難しかったので、
また読み直したい一冊です。