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「当たり前じゃない、父の手料理」
私の父は料理上手だった。記憶にあるのは、毎日台所に立つ父の後ろ姿だ。サザエの壺焼き、白子の吸い物など料亭のような料理から、唐揚げに餃子と家庭的な料理まで、父にかかれば、なんでもござれだった。夏は冷やし中華、冬は鍋など、
勿論季節もおさえていた。
今にして思うとなんて贅沢な食事だったことだろう。父が亡くなって、6年。勿論今はそんな食事はしていない。父からは、絵を描く才能は授かっても、金にはなるところ
作文「意外な素顔」当事者編
その人のことは覚えてた。
サンダルにスウェットという、目立たない服装が昼間には逆に目立っていた。
年は私より上だろうけど、こんな昼間から、若い女の人がジャージ着てフラフラしているのだ。よく見かけるから、この近所に住んでいるのだろうけど、一体何で生計を立てているんだろう。すれ違いざまチラッと見たけど、清々しいほどノーメイクなその顔はこちらが化粧をしてやりたくなるほどだ。
悩みとか無さそう。
作文「意外な素顔」局外者編
よく見かけるから、覚えてた。
目立つ子だから覚えてた。
彼女は私の家の近所で良く見かける、若い子だった。毛先だけをピンクに染めた、変わった髪色をしており、いつもメイクはバッチリで、色白の肌にはピンクのアイシャドウとチークが踊っていた。
何処に行くのかというくらい、高いかかとの靴を履いて、サンダルとスウェット姿の私をすれ違いざまチラッと見下して追い越して行った。
だから、初めは見間違いかと思
短歌「かくれんぼ3」
かくれんぼ
2人騒いで
逃げ回る
口を押さえて
瞳合わせる
短歌「かくれんぼ2」
かくれんぼ
2人かくれる
草陰に
息をひそめて
瞳合わせる