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【書評】『奇跡のリンゴ』農業の本で泣くと思わなかったよ…

今回の本はこちら、『奇跡のリンゴ「絶対不可能」を覆した農家、木村秋則の記録』です。

先に言っておくと、ノンフィクションです!!

小説みたいにするする読めてめちゃくちゃドラマティックな内容なんですが、実話なんですよねー。


簡潔に言うと、農家の人からしたら絶対無理なリンゴの無農薬栽培を可能にしたおじいちゃんのお話です。

実は映画化されている…

映画化されるほどドラマのある内容ということですよ。ええ。

プライムビデオにあったのでうっかり見てしまいました。

本を読んでから映像化されたものを見ると「あ〜こういう演出になるのか〜」と気付くところも多くて面白かったですね。

何より主演が阿部サダヲさん、菅野美穂さんで、そりゃ間違いないわ、という感じ。キャストのみなさんのお芝居素晴らしかったです…


あと「音楽がいいな〜」と思って見てたら久石譲さんだった…間違いない…


農家じゃなくてベンチャー企業の社長みたいな木村さん


全然農家さんのことを知らなくて、農業のイメージとしては「真面目に毎日コツコツと同じことをできる人がやるお仕事」というものがありました。

でもこちらの本にでてくるリンゴの無農薬栽培を可能にしてしまった木村さんはベンチャー企業の社長みたいな感じだった。笑


無農薬でリンゴを作るためにはどうしたらいいのか、ひたすらにABテストをして、新しい道を模索して常に挑戦し続ける。

失敗すれば収入も失って家族も追い込むことになる。

それでも諦めずひたむきに挑戦する木村さんは、私の思っていた農家さんとは全然違いました。


リンゴだけでなく虫の観察や土の観察、畑にいる生き物や菌のことなど、本当に色々な知識がないとできないのが農家さんで、

そういう色々なものに興味を向けられることが、まずすごいなと思った。


何かを成し得ようと頑張ってる人には響くと思う


話の内容は確かに農業のことなのですが、何かを成し得ようと思って必死に今頑張ってる人には絶対に響く本だと思います。

本書に登場する木村さんの言葉に次のようなものがあります。

ひとつのものに狂えば、いつか答えに巡り会う。

きっとそう。何かを成すために必要なのは努力とかでなはく「狂気」なのだと思う。

狂うほど、それをする力。


この言葉は映画でも大事なシーンで登場していて、「あ〜この言葉がちゃんと映画で紹介されててよかったな〜」なんて思っちゃいました。


泣いたシーンについて


ノンフィクションの本書ですが、本当に小説のように素敵な物語でもあるので、正直内容についてはあまり触れたくないです。

なのでどのシーンと名言するのは控えますが、私が泣いたシーンは本当に木村さんが追い詰められて追い詰められて、考えてはいけないことを考えてしまって、その先に、新しいものを見つけたシーンでした。


ちゃんと努力して一生懸命頑張ったその時に、答えは降ってくるものなのかもしれない、と思って自然と涙がでました。


私は今、都会でゴリゴリインターネットに使ってシティガールしてますが、「将来は畑やって自給自足で生きていくのもいいな〜」なんて思ったこともあり、農業の本、という認識でこの本を手に取ったのですが、

まさか農業の本で泣くとは思わなかった…


頑張ってる人の背中をきっと押してくれる一冊です。

映像も素晴らしかったけど、やっぱり本を読んでほしいな。


農業や自然に対する発見も多かった


素敵な物語のようなお話だったけど、農業や自然に対する発見も多くありました。

例えば「防除歴(ぼうじょれき)」というものの存在。

これは農家の方が、どの時期にどの病気や害虫に対してどの農薬を散布するか、ということが書き込まれているカレンダーで、生産者自らが作成したり農協が作成したりしているものなんだそうです。

農業やってる人じゃないと知らないもの、って感じですよね。少なくとも私は全く聞いたことなかったものだったので「そういうものがあるんだ!」と新しい発見でした。


他にも、害虫と呼ばれる虫たちは穏やかな顔をしてるけど、益虫と呼ばれる虫たちは結構怖い顔をしてる、って話があって面白かった。

そりゃ害虫はいわば草食動物で、益虫はその害虫を食べるいわば肉食動物。

人間にとって害を成す存在かどうか、ということで害虫、益虫、なんて言葉がつけられているけど、そんなの虫にとっちゃまるでおかしな話って感じですよね笑


そういうたくさんの農業や自然に対する発見をさせてくれる本でした。


感動とともにしっかり知識も与えてくれて、本当に素敵な本でしたよ〜

ということでこちらはかなりのおすすめです!

木村さんの笑顔かわいすぎるんじゃ〜〜〜

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幸田夢波
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