私的「#声優アーティスト楽曲大賞2020上半期」

Twitterで「#声優アーティスト楽曲大賞2020上半期」というハッシュタグを見つけた。
これは参加せねば!といざ楽曲を選び始めたら、つい伝えたいことがたくさん溢れてきてしまう。
せっかくなので、noteに残しておこうと思う。

#声優アーティスト楽曲大賞2020上半期

・早見沙織『yoso』
・安野希世乃『晴れ模様』
・仲村宗悟『カラフル』
・小倉 唯『I・LOVE・YOU!!』
・伊藤美来『hello new pink』
・降幡 愛『CITY』
・# コロちゃんフェス『夏休みが来るまえに』
・ニノミヤユイ『愛とか感情』
・宮野真守『光射す方へ』
・鈴木愛奈『ヒカリイロの歌』

早見沙織『yoso』

まずは、大好きな早見沙織さん。
5人のサウンドクリエイターとコラボをした5周年企画ミニアルバム『シスターシティーズ』より『yoso』だ。

田淵智也さん、堀込泰行さんなどの錚々たるメンバーにより提供された楽曲の中からどれを選ぶかは物凄く悩ましかったけれど、「幅広い層に届きそう」という観点から、Kenichiro Nishiharaさん提供のリード曲をセレクトした。
まるで日曜日の朝のような、少し気だるいR&B調の楽曲。
個人的に友人にたくさん聴かせまくった『シスターシティーズ』だが、中でも女性人気が高かった曲でもある。

しばらく作詞作曲に精力的だった早見沙織さんが、久々に楽曲提供を受けた作品。
他人の色が混ざっても色あせない、5年間のあいだに確立されてきた”早見沙織サウンド”が心地よい。

安野希世乃『晴れ模様』

今期のアニメ『アルテ』は坂本真綾さんの歌うオープニングテーマもとても良かったけれど、個人的には安野希世乃さんの歌うエンディングテーマのほうに心を打たれた。

カントリー調の和やかなメロから始まって、突然サビで訪れる切なくて和風なコード進行。
「どこか異文化なのに、どこか身近に感じる」という、今にも壊れそうで壊れない絶妙なバランス感覚を持った1曲だ。
(作曲を務めた山本玲史さんは、同じく今期のアニメ『アイナナ』2期EDのRe:vale『ミライノーツを奏でて』も作曲していて、個人的に今注目している“セツナソング”の作曲家でもある。)

儚いメロディーに安野さんの温もりのある歌声が合わさって、ずっと傍に居てほしい楽曲になっている。
言葉が立っているのに邪魔にならず、すっと心に沁み込んでくる安野さんの歌声。シンプルに魅力的だ。

仲村宗悟『カラフル』

「#声優アーティスト楽曲大賞2020上半期」のハッシュタグは男性の方が多く使っている印象だけれど、だからこそ男性の方に聴いてもらいたい男性声優を取り上げよう。

『SideM』などで活躍する仲村宗悟さんの2ndシングル。
朝の情報番組『スッキリ』のテーマソングという点からもわかる通り、純粋に曲としてのクオリティが高い。
そして元々アーティスト志望だった彼の、「これが俺の作りたい音楽だ!!!」という強い想いと歌っている楽しさが伝わってくる。

作詞作曲はご本人、編曲は村山☆潤さん。
中~低音域に楽器が集まっている、時代に逆行した音作りであるものの、不思議とストリーミング(圧縮音源)でも聴きやすい仕上がり。
同じく作詞作曲を手掛けたTr.2『imitation』と一緒に聴くことをオススメしたい。

小倉 唯『I・LOVE・YOU!!』

この曲に関しては、特に言葉で補足する事項はない。
ただMVを見てほしい。

小倉唯ちゃんがバレンタインシーズンに合わせて贈りこんできた、ノンタイアップの爆弾である。
本人が振り付けを考えたというダンスが悶絶するほど可愛らしい。
いつかアニサマで生で見て、総勢3万人で悶絶したい1曲だ。

伊藤美来『hello new pink』

2020年上半期、『Plunderer』『孤高の光 Lonely dark』というアニメ「プランダラ」OPテーマ2曲をリリースした伊藤美来ちゃん。
それぞれ表題曲はかっこいい楽曲に仕上がっているが、みっくが光り輝くのはやっぱりかわいい系の楽曲だ。

特にみっくの魔法は、曲を通してあまり大きな波のない、比較的単調な曲でより発揮されるように思う。
ちょうど『Plunderer』の2曲目に収録された、『hello new pink』のような。

さらに『hello new pink』は、コーラスのスキャットとしてみっくの声が多重録音されていて、ただただ幸せになる。
寝坊した朝にフレーバーティーでも淹れながら、聴きたい曲だ。

降幡 愛『CITY』

Aqours等で活躍する降幡愛ちゃんの、ソロアーティストとしてのデビュー曲。
バンダイナムコアーツさんが「J-POPやるべ!」と言って立ち上げた新レーベル・Purple One Starからのデビューだ。

「あー、はいはい、アニソンじゃないのね」と新レーベルの売り出し文句に若干の押しつけがましさを感じつつも、ヘッドホンをつけて唖然。
これは、良い。
70年代のシティポップを現代に昇華させたような1曲。
bluesofaの本間昭光さんによる作編曲で、特にBメロからの展開が圧巻だ。

今年秋にデビューミニアルバム『Moonrise』を予定しているとのこと。
正直『CITY』の1曲だけでは飽き足らないので、早く全貌を見てみたい。

# コロちゃんフェス『夏休みが来るまえに

6月に開催予定だった、コロムビア所属の7人の声優アーティストによるイベント「# コロちゃんフェス」の幻のテーマソング。
悠木碧、内田彩、伊藤美来、村川梨衣、Machico、和氣あず未、富田美憂という豪華すぎるメンバーによる歌唱だ。

イベントのテーマソングという枠で括っては申し訳なくなるような、制作陣の愛に溢れた楽曲だ。
「本当に1人の人が作曲したの!?」と疑いたくなるほど、バラエティーに富んでいる。
それぞれのソロパートがあるのだが、特に2番Bメロで登場する悠木碧ちゃんのパートは笑いたくなるほど完成度が高い。

いつかイベントが開催されることを、心から祈っている。

ニノミヤユイ『愛とか感情』

去年~今年にかけて新人アーティストを多数デビューさせているバンダイナムコアーツさん。
1月にランティスレーベルから「ニノミヤユイ」としてデビューした二ノ宮ゆいちゃんの、デビューアルバムの表題曲がとても良い。

欅坂46『不協和音』などを手がけたバグベアさんによる楽曲提供で、「まさにバグベアさん!」という1曲。
しかしアルバム全曲の作家と事前に会って話をしたというだけあって、『愛とか感情』の歌詞からもどこか彼女のエゴを感じる。

そして弱冠18歳ながら、自身を「陰キャ界のカリスマ」と銘打つ度胸。
アーティストとしての今後の活躍が楽しみだ。

宮野真守『光射す方へ』

おそらく2020年上半期だと『虚構推理』EDテーマの『LAST DANCE』の方が売れていたかと思うが、私は『光射す方へ』を選びたい。

歌にダンスに演技に、マルチな才能を発揮するマモ。
誰もが器用なイメージを持っていると思うけれど、『光射す方へ』からは彼の不器用な側面を感じる。

アニメ『あひるの空』のEDテーマ。
ご本人が作詞したという歌詞からは、『あひるの空』が思い入れのある作品であることと、「うーん!うーーーん!」と物凄く悩みながら書き上げた様子が伺える。

鈴木愛奈『ヒカリイロの歌』

この曲の魅力を身に染みて感じたのは、ふと訪れたコンビニで流れ始めたときだ。
「あー、聴いたこと曲だけど、何のJ-POPだっけ?」と歌っているのが声優アーティストであることを忘れて、一瞬考え込んでしまった。

民謡大会で数々の賞をもらった経歴のある、Aqoursの中でも抜群の歌唱力。
あまりの歌の巧さとあまりの曲調の幅広さのせいで、デビューアルバム『ring A ring』はどこか”歌うま選手権”感が漂ってしまっているところが玉に瑕でもある。

けれども『ヒカリイロの歌』は、彼女の等身大をそのままぶつけているような気がする。
だから、好きだ。
だから、これからもっともっとあいにゃの本気を見てみたい。

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