【読書記録】心を持たない人間の怖さ。『黒い家』貴志祐介
あらすじ
感想
人間が一番怖い
大好きな貴志祐介先生の作品です。
以前から作品名は知っていたのですが、表紙も怖いし、読めていませんでした。
霊的や得体のしれない怪物的なものが登場してくるのかと思っていましたが、人間しか出てきません(笑)
まあ、その人間が最強に怖いんですが。。。
ホラーというか、ミステリー要素が強い気がしました。
犯人がわかってからも、怖い怖い。でも一気に読み進めてしまいました。
「普通」の尺度で考えたらだめ
主人公・若槻慎二は生命保険会社の主任。
毎朝、死亡保険金の請求書を確認し、保険金を支払うかどうかを判断する仕事をしています。そこにお客からの一本の電話が。
若槻は電話してきた客が自殺を考えているのでは、と必死に止めますが、いや、そうじゃない。。そこから物語が恐ろしい方向へ進んでいきます。。
病院とグルで行われる入退院給付詐欺、「指狩り族」という自分の指を切り落として障害給付金を請求する詐欺。。保険金に関する犯罪には、いろいろな種類があるのだと知ることができます。
保険金をもらおうと、犯人は普通の人なら思いつきもしないような方法を、実践していきます。「普通」じゃないから、普通の尺度で考えたらだめ。「心がない人間」の考えることは本当に恐ろしい。
貴志祐介先生は生命保険会社にお勤めだったようですね。
だから、こんな保険金に関する具体的な物語が描けるのかな、と思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました(*^-^*)