【読書記録】心臓のばくばくが聴こえる。『火の粉』雫井脩介
あらすじ
感想
行きつけの喫茶・珈琲館で最後を読み終えましたが、周りの音が全く聞こえませんでした。
ほぼ満席だったのに。集中しすぎて若干気持ち悪い。
終盤はもうハラハラ、怖くて、心臓がばくばくしてるのに気付きました。
本ってすごいな、文字だけでこんなにハラハラ、ワクワク、ドキドキ、ばくばくさせてくれるなんて…
知人が隣に引っ越しくる薄気味悪さ
それほど仲良くもない知人が、急に隣に引っ越してきたら気持ち悪いですよね。え、、ってなります。
このお話は、元裁判官・梶間勲の隣の家に、自分が無罪判決を下した男が引っ越してきます。この男・武内真伍は3人を殺した容疑で捕まり、自白したのに無罪になっている。。警察の執拗な取り調べによるものだと全面否認するわけだけど、動機がいかにも希薄であるからを理由に梶間が無罪判決を下すのもなんとも。
ハラハラさせられるけど、エンターテインメント感だけではない重さ
犯人はおおよそ分かっている・・・けど読み進めてしまう面白さ。でも軽くはない。登場人物の描写が細かくて、それぞれに感情移入できます。
書き出しは梶間勲を視点から綴られるが、物語は主に妻と息子の妻の視点で描かれていく。
介護、遺言、子育て、ママ友、虐待・・・描き方が重くて深い。
この作品に出会えて幸せだな、と思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました(*^-^*)