わたし。と、男と女。18ー19。
前回は、18歳の仕事のことを書きました。
今日は、その時期の男とか女のことを書きます。
仕事編。はあまりおもしろくなかったので、19歳~はサクサク書きますね。次回以降にでも。
18歳ー19歳の平日は会社とアルバイト(前回いろいろ書きました)で昼夜労働し、土日は吹奏楽団の練習に通った。
200人いないくらいの、大きな吹奏楽団だった。憧れの楽団だったこともあり、週末が待ち通しかった。
かわいがってくれるひとがたくさんいたし、同い年の仲間もいた。このnoteによく出てくる、兄のようなひとは、同じ楽器の女性とお付き合いしていたし、その女性も優しくてだいすきだった。
わたしは真面目だったので、練習には毎週通ったし、コツコツ練習することがすきだったので、そういう真面目なところをかって、大切にしてくれるひとが多かった。
この楽団の男性たちと、このあといろいろあった。いろいろ。まずはそれを書いていきましょう。
まずは、楽団でひとまわりくらい、年上の男性、うっちーさん(仮名)というひとが、わたしに興味をもってくれた。最初の練習のときから気にかけてくれて、とてもかわいがってくれたし、上京したてのわたしを心配してくれた。
社会人の先輩として仕事の相談も聞いてくれて、とても頭のきれるひとだった。いつも的確なアドバイスをくれたし、何かとほめてくれるひとだったので、嬉しかった。ほめられて調子にのってしまった。
そういうことが、下心だということに、まったく気付いていなかった。知らなかったのだ。
ある日、平日の仕事の後に食事に誘われて、新宿で食事をした。なんでもない話をして、普通に、楽しくて平和な時間だった。そろそろ解散かな、と思った頃、なぜか一緒に電車に揺られ、わたしの家に向かっていた。お付き合いの経験がなかったので、家に男のひとがくる、ということがどういうことかわからなかった。
よくわからないまま、初めてキスをした。人生で初めて。
でも、それ以上のことはされなかったので、安心した。
そういうことが、何度か続いて、わたしの家で足りない家具や家電を一緒に買いにいってくれるときもあった。楽団で会うときは何事もなかったかのように振る舞った。
すきとか、すきじゃないとか、お付き合いだとか、そういう話にならないことはわかっていた。
うっちーさんには彼女がいた。そろそろ会うのやめたほうがいいかな、と思っていたら、よくわからない関係には終わりが来て、ただの楽団のひとに戻っていた。うっちーさんがどういうつもりだったのかは、今でもわからない。
楽団の練習は大変だったけれど、毎週たのしかった。合宿なんかもあって、いろいろなことが新鮮だった。楽団の目立つ男性たちは、みんな楽器がうまかったし、統率力にも優れていて、かっこよく見えていた。それは、うっちーさんもそうだったのだけれど、それよりも素敵に思ったひとがいた。
大さん(仮名)というひとだった。
実は、うっちーさんと仲良くなる前から、楽団に入ったときから、一番かっこよくて、素敵だなぁと思っていたのだ。
大さんは、2歳くらい年上。最初から話しやすくて、なんでもないことを話すことも多かった。当時mixiが流行っていたので、mixiでも繋がったりして、そのメッセージのやりとりから、仲を深めていった。
彼女がいるということも知らず。
うっちーさんとの関係が、ただの楽団のひと、になって少したってから、大さんと遊びにいくことになった。運転してくれる大さんがめちゃくちゃ大人に感じたし、あれは、恋だったのかもしれない。なぜなら、大さんがしてくれることすべてに、ドキドキしていて、うっちーさんのときとは違っていたから。
連絡がくることが嬉しかったり、会える日が待ち遠しかった。会える日は、少しでもかわいいと思われたくて、初めて女の子として努力をした。
お迎えに来てくれて、よくドライブに連れていってくれた。大さんは地元の人だったので、いろいろなこと、もの、場所に詳しくて、一緒にいると、ワクワクしたし、ドキドキしていた。時間が進むのが早いと感じた。そういう感覚を初めて知った。
何度目かのデートのときに体を許した。初めてだった。
そのときのことは、あまり覚えていないのだけれど、大さんは優しかったし、触れあっているときは幸せ以外の感情がなかった。涙が出そうだった。幸せなひとがする行為だと思った。
朝起きて、隣にいると更に愛しかった。初めての感情だった。
でも、この関係が何というかは当時はわからなかった。わからない、名前のない関係のまま、彼女がいることを知らないまま、たびたびデートをして、セックスをした。胸がぎゅっとなっていた。
一緒にいるときや、連絡がとれているときは、めちゃくちゃしあわせだった。いまなら、セックスフレンドだって簡単にわかるのに、18歳の田舎娘には、わからなかった。
でも、なんとなく、胸がくるしかった気がする。
ある日mixiで、知らない女からメッセージがきた。
それが大さんの彼女だった。しかも、同じ楽団の女だった。
なにも知らなかったのは、わたしだけだった。
彼女はわたしのことがわかるのに、わたしは楽団のなかの、どの女なのか、全然わからなかった。
その女から呼び出されて、某駅の、ファミリーレストランに行った。
わたしの2歳年下、大さんの4歳下の女の子だった。
楽団の練習のときに、わたしと大さんが楽しそうに話しているのを何度も見て、怪しいと思って携帯を見たら、わたしとのやりとりを見つけたので、mixiから探して、連絡してきた、とのことだった。
そもそも、わたしは彼女がいることも知らなかったし、その女の子を存在を知らなかった。だから、謝ろうという気にもならなかった。ひどい奴。
知らなかったから、というのはなんの理由にもならない。今なら絶対に謝っていると思う。
女の子は悲しそうに怒っていた。でも、わたしは大さんがすきだったので、何を言われたところで、響いてこなかった。
もう会うのやめてください、と言われたので、うーん、楽団では会うしね、それは約束できないかもしれない、と伝えた気がする。冷静だった。
帰り際、今日のことは、大さんに秘密にしてください、と言われたので、勿論報告した。(性格悪すぎてワロタ)
報告したけれど、大さんは、もう彼女とは別れたと言っていた。意味のわからないはなしに巻き込まれた気がして、途端に面倒になってしまった。
徐々にきもちはなくなっていって、大さんもただの楽団のひとに成り下がった。
でも、大さんは家が近くになった時期もあったので、夜中のドライブはたまに連れていってくれたし、楽団の練習にも一緒に行ってくれるときもあったし、普通より、すこしだけ仲の良い男になった。そのときには、セックスはしなかった。
このときは、恋が終わって寂しいとか、悲しいとかはあまり思わなかったのだけれど、なんだかせつなさを感じた。そして、日常的にストレス解消のために、自分のからだに傷をつけていた。楽団で気付いているひともいたけれど、別にいいじゃん、というきもちだった。放っておいてほしかった。
いま考えてみれば、そもそもこのときから、ひととの距離感とか、ひとへの想いとかに、何らかの問題があったのかもしれない。
うっちーさん、大さんのことが落ち着く頃には、兄のようなひとは、わたしにとって、唯一何でも話せるひとになっていた。
うっちーさんのことも、大さんのことも、ぜーんぶ話していた。逆に、兄のようなひとは彼女さんのことも話してくれていたし、その彼女さんにも仲良くしてもらっていて、本当に兄と姉のようなふたりだったし、楽器も上手だったし、きっぱり言うときは言う、甘やかすときは甘やかす、の、メリハリをつけてくれていたので、ずっとこのままがいい、と思うような日々だった。
兄のようなひとは、藤さん(仮名)。5歳くらい年上。
藤さんの彼女は、ももさん(仮名)。4歳くらい年上。
藤さんと、ももさんは喧嘩の多いカップルだった。藤さんはけっこうそれに疲れてしまっていて、わたしは愚痴などを聞いていた。だからといって、ももさんのことを批判することもなかった。ももさんは、わたしのことを、すごくかわいがってくれていたし、優しかった。姉のようだったから、ふたりの間に入って、どうにかふたりの交際が長く続くように願っていた。
藤さんとは、空いた時間に長電話をすることもあった。わたしがうっちーさんや、大さんのことで、なんとなく悩んでしまったとき、すぐに藤さんに打ち明けた。はなしを、おもしろおかしくしてくれるので、はなしていて、嫌なきもちになったことがなかったし、こころが保てていた。
8年ぶりに連絡がとれたときも、まず藤さんは、電話しようか?大丈夫?と言ってくれた。
いまのわたしは電話でひとと話すことが難しいので拒否してしまったけれど、一言目に、電話しようか、と言ってくれるところに、懐かしさと安心感があった。
何年たっても、変わらない距離感でいてくれる。
はたから見れば、わたしと藤さんの関係はよくわからないものだったと思う。
夜中や早朝のドライブ、家の前まで来てくれて、ただ話すだけの時間。
電話一本で飛んできてくれたこと。隙間の時間も様子を見に来てくれたこと。
仕事の時間が不規則な藤さんを家で仮眠させて、起こして仕事に見送り、わたしは寝る、など、仲が良すぎると疑われても仕方がない程に、たくさんの時間を過ごした。
藤さんとももさんがお付き合いしていることもわかっていたし、ももさんのこともだいすきだったから、ももさんのいないところで会っていることは言わなかったし、気付かれていなかったはず。
やましいことなんて、ひとつもなかったけれど、ももさんは男女の友情みたいなものを信じそうなタイプではなかった。だから、ふたりがうまく居られるためにも言わない方がよかったし、言わなくてよかった。
わたしと藤さんは、男と女ではなく、家族のようだと思っていた。このときは。
これが、18ー19歳前半くらいの、出来事でした。
女子校育ちを卒業して、チヤホヤされることを知ってしまった。学生時代にひとりで孤独を感じることに慣れていたはずなのに、ひとの暖かさを知ってしまった。このときから、誰かに依存することを覚えてしまったのかもしれない。
次回は、仕事編。19~と、男女編、19後半~です。
かくことは、こころがスッとします。
こころに波があって、暴言を書くこともありますが、どうか御許しください。