我が家の庭の風景 part.139「朝の花」
コルチカムの花が咲き始めた。予想以上に、花の命が短い。雨に打たれ、たった1日で地面に頽れてしまう。
猛暑の夏から庭の手入れを怠っている。しかし、庭に出なければ、今の花は見られない。猫に起こされ、猫のご飯やトイレ掃除をして、暖房の効いた室内で二度寝から目覚める。むっとした空気。いつの間にかくっついている猫たちがありがた迷惑だ。室内にいる5頭のうち側にいるのは、毎朝別の猫だ。日替わりで目覚めを待ってくれている。
朝ごはんを食べて、朗読をしているうちに、空が白んでくる。着替えもしないまま、歯磨きをする。準備万端、庭に出る。
通ってきたリビングや玄関口よりも花壇の周りの空気が冷たい。朝露が雑草の上に散らばっているのだ。草いきれの周りの空気がひときわ冷たい。
早朝の花には元気がもらえると思うだろう。冷たい朝の花を見ていると寧ろ力が吸い取られるような気になる。朝の冷気で背中がゾクゾクする。しゃがみ込んで花弁の数を数えようとすれば片手で足りるくらいで諦めてしまう。
秋に似つかわしくない曇天。昨晩の雨が花に元気を与えたろう。さらにわたしの気力が花に吸い取られていくようだ。
部屋に戻る前に台所でたまっていた食器を洗った。猫たちの水入れの水を入れ替えた。たったそれだけで、疲れた。私が見に行けば花の命がのびるとか、そんな事もない。玄関先の鉢に水を遣れば十分なのだ。それでも、玄関まで行くと、庭に出てわざわざ気力を吸われに行きたくもなる。
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