「窓辺の猫」⑦猫を布団からどかすには?
我が家には2匹の猫がいます。三毛柄のセミ猫と麦わら柄のトンボ猫です。
両方メスですが、性格は随分違っています。
例えば、布団からどかすのは2匹ともとても簡単ですが、方法が違っています。
トンボ猫は、掃除用のコロコロを使えばいいです。これが大嫌いなので、近づいてくると逃げ出します。
セミ猫はそもそもそんなに布団や人間の上に来ませんが、来たときにはいつまでも居座ります。しかし、抱っこしてどかすと抵抗しません。代わりに戻ってきてもくれません。
「あなた私を邪険にしたじゃないの」と言わんばかりに、名前を呼んでも振り向きもしません。用があるなら、自分が来いという態度が多いです。
ちなみに、トンボ猫は名前を呼べばすぐ来ます。何なら呼ばなくても、すぐについて行きます。
セミ猫が、人間に甘える時は、トンボ猫がいない時が多いのです。それは、トンボ猫が嫉妬して飛びかかってくるからです。
また、トンボ猫とくっついて、暑苦しいまま人間の膝にいたくないからでもあります。
しかし、一方で、トンボ猫も気を使わないわけではありません。朝方や夕方など、セミ猫が人間に甘えている時間帯に、その部屋に入ってこないようにしているからです。
猫は強い方に遠慮するそうです。しかし、うちの2匹の猫は対等に見えます。
たまに邪魔はしますが、基本的にセミ猫のお気に入りの場所をトンボ猫が奪うことはしません。窓越しに野良猫と喧嘩するのは、セミ猫だけで、トンボ猫は、その様子を少し離れた場所でそっと見守っています。
セミ猫は、トンボ猫と一緒におもちゃで遊ぶことを嫌がりますが、セミ猫が人間と遊んでいるときに、トンボ猫はすぐには邪魔をしません。自分の番が回ってこないなぁとわかると、我慢できずに飛び出してくるだけです。
ブラッシングや爪切りをさせてくれない上に、行動が荒々しくて加減を知知りません。子猫の時に拾ったセミ猫と違い、たとえ家から出て行かないとしても元野良猫を人間の生活に合わせるのはとても骨が折れます。
トンボ猫は動きが荒々しく、毛は飛び散り、爪が当たりそうになり、甘噛みをしてくる、それがどうしてもセミ猫は嫌なようです。たまに追いかけっこして遊ぶくらいはいいが、説教したり喧嘩するのがめんどくさいという感じです。
セミ猫はトンボ猫が家の中に入ってきた時から、慎重な態度ではあったものの、お姉さん風を吹かせていました。しかし、同居生活も半年以上経った頃には、この子は自分の思い通りに調教する事は難しいと半分諦めてしまったようです。
自分のペースをくずしたくないセミ猫とそんなセミ猫を知りながら、たまにいたずらしたくなるトンボ猫とを見ながら、人間でなくとも、猫もお互いの距離感を掴むのには相当の時間がかかるんだな、一生縮まらない距離もあるのかもしれないなと感じています。