「願い」
空の青さに魅せられて
鳥が
どこまでも
飛んでゆく
雨上がりの虹に
はかなくも
人は
夢をみる
同じ空の下のどこかに
あなたがいて
一人じゃないと思える
瞬間がある
あきらめられない
願いがあるといい
ただ明日を信じて
生きていくための
願いが
過去を壊したくて
今を泣くことしかできなくても
強い思いは
夜のしじまに光となって
ふと地上に舞い降りてくる
静かな雨のように
やわらかな雪のように
はらはらと花のように
歩き続けるその道に
美しい傷跡を残しながら
(「まほうのはね」新風舎 収録)