ASDグレーゾーン(視覚優位・同時処理型)の自分が、中学受験を振り返って思うこと。
1.中学受験の時点では落ちこぼれ。
第一志望校合格後に後伸び。
私は20年以上前に中学受験を経験し、一応、第一志望の私立の中高一貫校に合格しています。
小学校のテストでは当たり前のように100点を取っていましたが、中学受験のために通っていた塾の模擬試験は、高学年になると難しくなって段々点数も取れなくなり、もはや落ちこぼれの部類でした。
首都圏の難関校志望の人は、国語・算数・理科・社会の4教科を学び、地方の中堅校志望の人は国語・算数の2教科を学んで受験していた記憶があります。
私の場合は、途中から成績不振になり、4教科から2教科に負荷を下げることになりました。
そして、第一志望校には1回目の試験では不合格。2回目の試験でやっと合格しました。
しかし、中学入学後に学力が伸びて、高校では学力ごとのクラス分けでは基本的に上位クラス。
科目によっては、名前と点数を公表されるくらいの優秀な成績を収めたこともあります。
2.中学受験で落ちこぼれたのは、
処理速度凹が原因?
WAISを受けたのは大学四年生になってからなので、小学生だった当時は、まだIQの各項目に凹凸があることは分かりませんでした。
今考えてみると、言語理解凸のおかげで小学校の勉強では問題がなかったものの、処理速度凹のせいで、目の前のことをテキパキ処理するのが苦手で、学校の勉強と塾の勉強の両立に支障をきたしたり、特に4教科だと負荷が重すぎたのかもしれません。
※私の場合、言語理解は120以上、処理速度は90でディスクレパンシーが30程度あります。
3.「なぜ今これを勉強しないといけないのか」
納得できないと勉強が頭に入らない
WAISを受けて、言語理解凸処理速度凹が発覚した時に、診断結果の紙に、私の認知特性の癖として以下のような注意点が書かれていました。
Twitterの発達界隈を見ていても、
言語理解や知覚推理が平均以上で、処理速度が相対的に凹の人ほど、このような認知特性の癖が出る傾向にあるようです。↓
私の場合、小学校で学ぶ基本的なこと、
例えば算数なら、
という実用性がまだ納得できたから頑張ろうと思えたものの、
中学受験のために通っていた塾では、「動くP点」や「上下に蛇口がついていて水が出入りする水槽」の問題を解いている時、
「今これを学んで将来何につながるのだろう?」と感じて、親や先生に質問したこともあります。
「入試に出るから」という理由はさておき、
言語理解凸、処理速度凹で「納得できないと動けない」タイプの子には、こういった質問への答えが重要なのかなとも思います。
Twitterで見つけた、「なぜこれを解かなくてはならないか」という問いへの答えで、
一番良かったなと感じたのはこちらです。↓
4.視覚優位・同時処理型向けの学習法
私は最初、中学受験にむけて国・算・理・社の4教科を学んでいたものの、結局、国・算の2教科に絞ることにしましたが、
最初に4教科を学んでいた時に、
社会科で県ごとの代表的な農産物を覚えないといけなくて、「これを覚えて何の役に立つの?」って思ってしまったのだけど、
今考えてみると、全体像が見えた方が覚えやすく、且つ視覚優位の自分は
「各地域の気温、標高、降水量などの条件と、地理条件に適した農作物が一覧できる日本地図」などがあったら、もっと覚えやすかったんじゃないかと思います。
※継次処理型と同時処理型の説明はこちらhttps://note.com/yullyart/n/nac20ddd00cad
5.まとめ
「ASDで処理速度凹の子は、中学受験に不利なのか?」
私の体感では、言語理解が高くて小学校のテストで高得点を取れるASDの子の場合、親御さんは中学受験させようとするかもしれませんが、それなりに向き不向きはあるのかなとも思います。
処理速度が凹の子場合、
他のIQとの兼ね合いや、ディスクレパンシーの程度にもよりますが、基本的に「後伸び」タイプの傾向もあります。
地方の中堅校は2科目の受験でいいのですが、主に首都圏の難関中学は4科目受験で、後者はマルチタスク不向きな子には負担が大きいかなとも思います。
ただし言語理解凸、処理速度凹の子には、
支援や工夫による改善の余地もあり、
この凹凸タイプの子は、目の前のことをテキパキこなすのが苦手で、納得できないと動けないが、その分、全体像や仕組みが納得できれば学習効率が良くなる。
必要性さえ分かれば、学習内容も頭に入りやすくなるという特性があるので、
「なぜ今これを学ばないといけないの?」と
質問されたら、「屁理屈」だと一蹴せずに納得のいく理由を一緒に考えてあげる必要はあるかなと思います。
※個人的ベストアンサーはこちらです。↓
あとは、視覚優位の同時処理型の子の場合は、
たとえば、社会科で各地域の特産品について暗記をする時、
教科書通りに覚えるよりも、
各地域の気温、標高、降水量などの条件と、地理条件に適した農作物が一覧できる日本地図を活用するなど、視覚に訴える工夫、関連性を可視化する工夫が必要になってくるかもしれません。
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